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船の旅船酔いの旅

船での旅は快適でスムーズに進んでいた。

航海中やる事も特に無く暇な為ぷらぷらと散歩をしているとリュックがどこからともなく釣竿を取り出して釣りを始めていた。


「リュック、その釣り竿ってどこから持って来たんだ?」


「船内にあった。ヒマだから釣りをする」


「お、おぉ。自由だな」


「それとも何かやることある?」


「いや、無いから好きにしててくれて構わない」


「そう。大物期待してて」


「船が沈む様な大物は勘弁しろよな!」


「そんな魚は釣り竿じゃ釣れない」


普通に返されてしまった。なんとなく恥ずかしい。

俺は操縦室に居るジュリーの所へ向かった。


「ジュリー、もう大丈夫なのか?」


「なんとかね。それにいつまでも落ち込んでてもしょうがないし」


「悪いな。もう少し時間あればもっとちゃんと整理出来たかもしれないのにな」


「気にせんでええ。それより船の操縦して見る?」


「お、実はちょっと興味あったんだ!」


船の操縦を教わった。しかし最初から上手く行くわけも無くふらふらとしながら進んで行った。

船の操縦は意外と難しい。ゲーム感覚でやってたけど全然上手くいかねぇ……

そんな事を思っているとヴィルが青ざめた顔をしてふらふらとやって来た。


「うぇ…… 気持ち悪い…… いきなり揺れる様になってから更に気持ち悪い」


どうやら俺が操縦を変わって右に左にふらふらと行きながらだった為船酔いか更に悪化したらしい。

てかドラゴンて船酔いするのか……


「操縦が下手すぎて釣りに集中出来ない。ゆらゆら揺れるから危険」


リュックまでもが操縦室に来た。


「ユー。下手くそ過ぎ。私の方がきっと上手。だから変わって」


何も言ってないのにどかされてしまった。リュックの奴め、俺が楽しんでいたのに!


「リュック、あんた操縦出来たん?」


「いや、こんな感じかなって思ってぬるりとやってる」


「つまり操縦の仕方は知らない訳だね……?」


「ふっ、私に不可能は無い」


何を思ってそんなに自信があるのかわからない。でも馴染んで来てから割と話す様になったのはいい事だな。


グラグラグラ!!


「のわぁあ!」


船が凄く揺れた!ヴィルは顔を真っ青にして口を押さえている。あっ、走り去ってった…… 後で様子を見に行ってやるか。


「リュック!!交代や!!転覆する!!」


「ちっ」


ちっじゃねえよ!


そんな事があって船での旅が半日が過ぎた。

ヴィルは最初こそ船酔いに苦しんでいたが耐性が付いたのかもうけろっとしていた。


「船旅って結構良い物なんだな」


「私はもうごめんだがな。船酔いというものがあんなに辛いとは思いもしなかった……」


「はは、ヴィルだけ死にそうになってたもんな。海とヴィルの顔色は同じだったからな」


「耐性は付いたがこれはトラウマになるな。まさかドラゴンたる私が状態異常になるとは船とは恐ろしいものよ!」


「そんな凄いものじゃないよ?!」


「人間め。こんなものを作りおって…… 力が戻ったら根絶やしにしてくれる!!」


「なんでそんなに荒れてんのよ!?」


「冗談だ」


ヴィルの冗談と言えない冗談を聞いて俺はヒヤヒヤしたよ!元の力が魔王なんか目じゃない位強いのがそんな事言っちゃシャレにならないから!!って言いたい。


「そう言えばさ、ヴィルの力って封印されてるんだろ?封印を解くために何かするとかあるの?」


「うむ、黄金龍をズタズタに引き裂けばもしかしたら戻るかもしれんな。 もしくは世界中に散らばった封印の欠片を集めるしか無いな。最初Lvをあげなきゃいけないと言ったが詳しく言うならそれを感じられるようにLvをあげるって言うのが正しかったな。 それに私は黄金龍には会いたくないから封印の欠片を集めようと思ってる」


「封印の欠片ね。それってヴィルは今は感じ取れるの?」


「全く感じられん。何よりもまだ封印の欠片を取りに行った所でそれを守護するガーディアンには勝てないだろうしな」


「ガーディアン?!そんなのいるの!?」


「あぁ。私程強大な力を持った物を封印してるんだ。封印から魔力が漏れ出てガーディアンが生まれているのは間違いないだろうな」


「参考までにLvはどれくらい?」


「流石にそこまでは分からん。ただまぁ最低百は超えるだろうな」


「百?!百ってめちゃ強いじゃん!!て、どうしたヴィル?」


話しているとヴィルの表情が途端に険しくなった。


「ユー、気配がする」


「気配?なんの?」


「分からん!だが強い気配だ!魔力感知を使って見ろ!」


ヴィルにそう言われ俺は魔力感知を展開すると何かが強大な力を持っているであろう者が下から近付いてくる!


「ヴィル!リュックに声かけて!俺はジュリーのとこに向かう!」


「わかった!私達はそのまま甲板に向かうからな!」


「無理はするなよ!何が来てるかは分からないんだから!」


俺は猛スピードで操縦室に向かった!


「ジュリー!何かが近付いてる!!」


「 なんやて!?」


「詳しくは分からないけど、強い気配を感じる!ヴィルが初めに気付いて今はリュックと甲板に出て様子を伺ってるはずだ!」


ヴィルはリュックを呼びに行った。

リュックも既に気付いていて臨戦態勢になっていて気配を探っていた。


「感じた?」


「あぁ。話してるヒマはあまりなさそうだ。甲板へ行こう!」


「了解」


2人は甲板に出て気配を探る。

段々近付いて来ており、海がブクブクと泡が浮かんで来た。

泡が大きくなって来て海面に黒い影が見え始めた!


グオオオォォオ!!


海面からドラゴンが雄叫びをあげながら姿を現した。

体は青く光っており鱗は頑丈そうで顔にはヒゲが左右対称に2本伸びていて口には鋭い牙が幾つも並んでいる。


それを見たリュックがこう呟いた。


「水龍リヴァイアサン……」









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