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最強の龍との出会い

「これは…… どうしたらいいんだ?俺は召喚されたはずだろ?小説とかは城の中とか洞窟の中とか例えそうじゃなくても必ず人はいるはずなんだが…」


辺りを見回しても全く人の気配がない。と言うか生き物の気配すら感じ無い。


「とりあえず突っ立ってても何も始まらないしな。飲み水とかも全くないから川に出られたらいいな」


そしてしばらく歩いているとふとあの爺さんがスキルをくれたのを思い出す。


「そう言えば自分のステータスってどうするんだ??」


わからなかったがそう思ったら頭の中にステータスが浮かんできた。


名前 灰原勇作

種族 ヒューマン

称号 不幸体質 誤召還

スキル モンスターテイムLv1 限界突破 全翻訳 アイテムBox


「待て待て、何と無く召喚間違いは予想出来たけど不幸体質って…まぁいい。どうやらあの爺さんはアイテムBoxをくれたのか。ん…中に手紙?」


「ごめんなさい。召喚の陣へ送る時にくしゃみして手元が狂って違う大陸に送っちゃいました。てへぺろりん☆」


恐らくあの美女からの手紙ではあっただろうが俺は無言で手紙を破り捨てた。


「この怒りどうしてくれよう」

わなわなと胸の奥から湧き出てくる感情を深呼吸してなんとか落ち着かせる。


多少落ち着いた所で再び歩き始めると雨が降って来た。

傘なんてある訳もなく、近くに立派な木が立っていたのでそこで状況整理と共に雨宿りをする事に。


「とりあえず、ここは俺が召喚されるはずだった場所からは違う所、しかも違う大陸って書いてあったから相当遠いのかな?」


そんな事をぶつぶつ言いながら考えていた。

そこから更に暗くなり雨が激しくなるのかと思って上を見上げると全長30mはあろうかと言うドラゴンがいた。


「………は?」


これしか言葉が出ない。突然すぎる。しかもドラゴンは自分の存在にもばっちりと気付いている。


ドラゴンは俺の方を向いた。そして目が合うと「貴様!!ここで何をしている!ここは私のナワバリだぞ!」と怒りを露わにしていたのだ。


人間本当の恐怖を感じると言葉が出ずその場に佇むだけと聞くがまさにその通り。

俺はその圧倒的なプレッシャーと怒気に腰を抜かしていたが、かろうじて言葉を発声した。


「お、俺はここに召喚されてここがどこだか分からずにいた…いました。縄張りならすいません。出て行きますし敵意は無いので見逃して下さい。」


こう言うも、俺はここで死ぬのか……と半ば諦めていた。せめて死ぬなら苦しくないようにと願う。


だが良い方向に自分の考えとは違い、言葉を発した後ドラゴンから発せられてる敵意が少し和らいだ。


「貴様、私の言葉が分かるのか?」


「は、はい。スキルの恩恵でわかります。」


「ふむ…ここで私の食料にするには勿体無いかもしれんな。貴様、名は何と言う?」


「私は灰原勇作と申します。」


「ハイバラユーサク?長いな。ユーと呼ぶぞ。」


「わかりました。」


「私は冥龍王ヴィルターナ。ユーには色々と話しを聞かせて貰いたい。 何せこう言ってはなんだが、退屈なのでな」


「話しですか?」


「そうだ。 ユーは召喚されたと言っていたな? ならばユーの世界の事を聞かせてくれ。私はもう何年生きたか数えてないが異世界の物と話した事はあまり無いから興味があるのだ」


そこから俺は自分の元いた世界の事を色々と話した。中でも特に料理の事に特に興味を持ったようだ。


「ユーのいた世界はかなり平和だったようだな。話しを聞く限りだがこの世界ではユーが生きて行くには厳し過ぎる。特にこの大陸では不可能に近い。今はまだ私の活動している昼間だから他の魔物はいないから良いが、夜だったら今頃魔物に食われていただろうな」


俺はゴクリと生唾を飲む。

確かに目の前にいるドラゴンが活動している、特にナワバリの中で動き回るのはあり得ないと悟っている。


「ユーよ、何も知らない状態だったのなら私のナワバリに無言で入ったのは許そう。それにユーの話は面白いし料理とやらも興味があるから作ってくれ。私はそれらの見返りにユーがこの世界で生きて行く術を教えよう?どうだ?」


俺は何を言っているのか理解が出来ていなかったがお願いしますと返事をしていた。断っても殺される事は無いだろうが放置されても夜には魔物に食い殺されるだろう。俺はヴィルターナに従うしか無かった。


「うむ、良い返事だ。早速鍛錬に移ろう」


そう言うとヴィルターナは光を発してだんだん小さくなっていった。


眩しくて目を開けてられなかったが光が収まり目を開けるとそこには長身の美女が立っていた。




「何を惚けた顔をしておる?」


「あなたはヴィルターナさん…?」


「そうだが?」


「つい先ほどまでめちゃくちゃ大きいドラゴンじゃありませんでした?」


「あぁ。そうだ。だがユーに修行を付けるのにドラゴンフォームのままだと何かと都合が悪い。爪が掠っただけで死んでしまうだろうしな。」


美女になったヴィルターナは笑っていたが俺は笑えない。心からそう思った。


「早速だが、まずはどんな時でも相手を知る事が大切だ。ユー、私を観察して見ろ。」


む、そう言われても見た目は超美人。スタイルも抜群。正直ピーしたいとしか言えない。と位にしか観察していないと不意に拳骨をくらって意識がすっ飛んだ。


1時間後



「ようやく目覚めたか?」


「えっと…ここは?」


「ここは私の住処だ。」


辺りを見回すと周りには何も無く雲が広がっている。恐る恐る端へ行き下を見てみると恐ろしい高さだった。


「どうだ?いい眺めだろう!」


「めっちゃ怖いっす!!」


「全く、ユーはこの良さが分からんか。それよりもだ、先程のなんか分からないが妙に不愉快な視線は何だったのだ!」


若干の怒気が含まれていてかなりのプレッシャーを感じる。下手な事言ったらこのまま突き落とされそうだ。


「い、いえ!言われた通りにしていたんですがあまりに綺麗でそれにスタイルも良かったので少し邪な感情が…」


「なにぃ!?」


ヴィルターナからさらに凄いプレッシャーが発せられる。


「ひぃ!!すいません!!」


俺は死を覚悟した。

が、途端にヴィルターナから発せられていたプレッシャーが消えた。


「全く…貴様と言う奴は…本当に全く…」とぶつぶつと小さい声で呟いていた。


俺はヴィルターナは褒められ慣れてないと思った。そして乗せれば以外とチョロいのでは?と思いチャンスだと思って、ヴィルターナを褒めた。


「でも本当にヴィルターナさんは綺麗ですよね。今まで見てきた女性の中で一番綺麗だと思います」


真顔でヴィルターナにそう言うとヴィルターナは予想どおりの反応を見せてくれたが後がいけなかった……


「な!ななな!なにを言ってるのだ貴様はぁー!」


照れ隠しで身体をぺしっと押された。

結果…


「ああぁぁぁあー……」


巣から吹っ飛んだ。その吹っ飛び方はまるで弾丸の如きスピードで吹っ飛んだ。

吹っ飛びながら落ちている最中俺は再び気絶した。



ヴィルターナが全速力で気絶した俺を空中でキャッチ。ほうっと一息ついてから住処へと戻った。


俺は気絶する1時間前の記憶が無かったがヴィルターナから寝てたんだから記憶が無くて当然と言われ納得した。でもなんとなくだけどハヤブサになったような気がしたんだけどなぁ。


「さて、それでは再び観察を使って私を見てみろ」


「はい!分かりました!」


「観察のコツは相手を知りたいと思う事だ。1番簡単なのは相手のLvを知りたいと思う事だな。まずはそこから始めてみろ」


言われた通り相手のLvを意識して観察を行う。 でもLvってどうやって意識するんだと思うと浮かび上がってきた。



冥龍王ヴィルターナ

Lv8632

種族 ドラゴン

称号 全てを超えし者 照れ屋な乙女


ぶっ!!俺は吹き出した。Lv8000って何だよ!!最初に出会ったのがLv8000台ってお前!!普通はスライムみたいなのが普通なのに!!


「ふむ。その反応は上手く行ったようだな?」


「あ、はい。あの、1つ聞いて良いですか?」


「なんだ?言ってみろ!」


「Lv1000超えてたりする方って他にもいます?」


「私を除いては黄金龍位じゃないか?あいつの求婚が激しくてな。いつもバトルやら逃げたりしているうちにLvがどんどん上がってこの大陸だけなら私と対等に戦えるのは黄金龍位だろう。あぁ、後天界に神竜もいたな」


黄金龍…めっちゃ強そうだな。てかヴィルターナさんと戦えるって事は強いんだな。


「後は1000は超えてないが魔王がLv700位だな。過去に挑んで来たがけちょんけちょんにして追い返した」


はは、ヴィルターナさん最強なんだな。称号もおかしいしな。乙女ってのは気になるけど。


「次は私がセーフティーゾーンを展開するからその中で私と戦うからな。」


「ヴィルターナさんと戦うんですか?!無理ですよ!何気ない拳骨で気絶するんですよ?!俺なんか見るも無残な姿になっちゃいますから!!」


「安心しろ。そこでは肉体ダメージを受ける事は一切無い。それに私も自身のLvを1にしてからユーと戦う。久しく人間の姿で戦闘なんかしていないから少し楽しみだな。」


「ダメージ受けないのか。良かった。」


「但し、あまりにも殴られ過ぎるとセーフティーゾーンから出た時に後遺症として腹痛が起きるからな」


微妙だなぁおい!!って心の中で突っ込んだ。


「では、あらゆるダメージを無効としひと時の安息の地となれ!セーフティーゾーン!!」


詠唱とともに展開されたセーフティーゾーン。結界のようなものが展開されると風景が変わるんだなと思った。


「余りある力、疾風の素早さ、全知の賢さを封印したまえ!ブルシール!!」


お!ヴィルターナさんから圧倒的なプレッシャーが消えた。奥底にある潜在的なプレッシャーは消えてないけどこれならなんとか面と向かって立ち向かえそうだ!


「それでは…行くぞ!!」


ヴィルターナが向かってくる。俺の間合いにあっという間に入り込まれた。Lvは俺と同じって言ってたけど元のスペックに差がありすぎる!ヴィルターナは手を伸ばし俺の襟を掴んで投げ飛ばしにかかってきた!だが俺も慌てはしたが対処出来ない事は無い。

腕を掴み、自分の方に引き寄せた!だが、ヴィルターナは慌てる事も無く引き寄せられる力を利用してカウンターの膝蹴りを放ってくる。

流石にこれはよけられず直撃を食らった。2.3歩下がり体制を立て直す。


「私の腕を掴んでから投げ返そうと言う発想は良かったがまだ甘いな!戦いは常に相手が何をしてくるか予想しておかないと咄嗟の時に対応出来んぞ?」


忠告を受けその後も模擬戦を続けた。戦っている最中に悪い所があれば指摘され、俺が疲労でぶっ倒れるまでその模擬戦は続いた。


ちなみにセーフティーゾーンから抜けた後はひどい腹痛に見舞われた。

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