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ダラマンガラスの申し子  作者: 佐藤隆太
3/5

 説明

 説明しかしません。もちろん、物語の中でです

 「うん?」

 勇人はふと立ち止まった。

 確か自分は陰陽師坂にいたことを思い出す。

 だが、ここは荒野だった。

 大地は干からびており、所々地面にひびがあった。それに、そこからど根性草が生えておるが、それだけだった。

 植物はど根性草しかない。ましてや、水などは全くない。

 砂漠にはオアシスというものが定番だが、ここは砂漠よりはあつくないが、水がない。なので、水筒を持っていくのが懸命。

 しかし、突然ここに来た勇人は、当然水稲は持っていない。だが、さっきまではなかったが、今はあるものがあった。

 「なんだろう?」

 荒野を見渡して状況を把握した勇人は、自分をみた。

 勇人の服装は、さっきの中学の制服ではなかった。

 かわりに、黒い服とズボン。それに、真っ黒なスニーカーだった。

 そして、一番勇人が不思議に思ったのは、腰におさめられてあったものだ。

 それは剣。鞘と柄が漆黒の闇に包まれたような黒色だった。

 「おい、古谷勇人」

 突然。何所からともなく、さっきのチップの声がした。

 「え?チップさん?」

 「さん?チップでいい」

 自分で様をつけるが、他人から様やさんと言われると虫唾が走る。だから、呼び捨てでいいというチップ。

 「じゃあ、チップ。何所にいるの?結構近くから聞こえるけど」

 そう、勇人の耳には遠くからではなく、近くからチップの声が聞こえていた。

 「ここだ」

 「どこ?」

 「ここだと言っているだろ」

 やっと、勇人はある場所を見た。

 「ここか」

 そこは、鞘におさめられている一メートルほどの剣だった。

 「ああ、俺の能力は剣になれることだ。私はダラマンガラス様の使者だ。そして、使者は武器になれるんだ」

 やっと気付かれたチップは、待ってましたというように話した。

 「へえー、すごい。でもよかった」

 そう言って、なぜか安心する勇人。

 「何がだ?」

 「いや、僕剣道やってるんだけど」

 「剣道?」

 剣道を知らない様子のチップ。

 「そっか・・・」

 勇人は、自分とチップの世界が違う。だから、その世界にあって、その世界にないものがある。その一つが、剣どうなのだろうと。

 「何なんだ?剣とついているが」

 「まあ、剣道は、まあ剣みたいなものを使って、相手に限定された個所をあてる。まあ、簡単に言うとね」

 「そうか。では、お前は剣が得意なんだな」

 「まあ、そうかな。全国一位になったことがあるから」

 すこし、誇らしげに勇人は言った。

 「全国一位?それはすごいのか?俺様たちの世界は、他の世界にある国というものがない。だから、いまいちわからない」

 表情は分からないが、すこし不安そうにいうチップ。だが、自分のことは俺様というようだ。

 「うん。たぶん。そういえば、チップとかダラマンガラスの世界って何所?」

 さっきチップが言っていた、俺様たちの世界というのが、勇人には気になったのだ。

 「俺様達の世界は、神の世界と言われている。といっても、神はもうしんで、幻獣や魔女魔法使いなどしか存在しない。そして、なぜか幻獣たちは世界をこえられないのだ。神が制限したんだろうな。幻獣が他の世界に行けば、世界がめちゃくちゃになる可能性があるからな。だから、幻獣たちは他の世界に生まれ変わって世界をこえる。生まれ変わりなら、力があまり受け継がれていない」

 長々と説明するチップ。

 「じゃあ、その生まれ変わりが僕で、力が弱くなっているから、世界を旅できるんだ」

 だいたい状況は把握していた勇人だったが、ダラマンガラスや幻獣などの世界の事は知らなかった。だから、チップに説明してもらって納得した。

 「そう、その生まれ変わりを、皆はこういう。申し子と」

 「申し子。じゃあ、僕はダラマンガラスの申し子だ」

 大好きだったダラマンガラスの生まれ変わりと知って、あらためて大喜びする勇人。

 これで分かるように、勇人にはファンタジーはすべてなのだ。

  「ねえ、じゃあ使命って」

 「それは、神が許したことだ。幻獣たちが生まれ変わっても、幻獣と申し子は別。幻獣は申し子にとりつけるが、操れない。それをみじめに思った神は、使命を与えることを許した。ただ一つだけ。そして、心やさしきダラマンガラス様は、申し子にすべての世界をまもる使命を与えたんだ。まあ、これぐらいは許してくれるだろうな、神は」

 「なんで?」

 「なぜなら、生まれ変わったら当然戻れない。ということは、申し子をただ見守るだけ。それじゃあ、生まれ変わった意味がないだろ。だけど、使命を与えられる事が出来ると、生まれ変わる幻獣は増えた。神としては、危険な幻獣が消えてくれるのでうれしい。幻獣たちは、他の世界を申し子を使って旅できるってことだ。ちょっと、難しかったか」

 難しい人のために整理しよう。

 幻獣は、申し子に生まれ変われる。

 だが、申し子には取り付けるが操れない。

 そして、一つだけ使命を与えられる。

 おおざっぱに言うと、こういうことだ。

 「うん。なんとなく」

 「そうか。それで、使者は使命が今という時に、この事を説明し、力を貸すために申し子の前に現れる」

 「じゃあ、今がその時なんだね」

 「ああ。さっきもいったが、世界が壊れかけている。それを守るのがお前の使命だ」

 「でも、もし申し子が使命をやらなかったら?」

 「それはない。なぜなら、使命を死ぬまではなさなかったり、使命を放棄すると、死ぬ。まあ、申し子も世界を旅できるんだ。お前だったら、嬉しいんだろ」

 「うん。じゃあ、この世界を守ろう」

 「ああ」

 こうして、説明を終えたチップと勇人は、荒野を歩きだした。


 分かったくれたら幸いです」

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