表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お と  作者: 木戸口一寸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/3

旧友との再会

初戦から順調に勝ち上がり1カ月が過ぎた・・

決勝の相手は、ここ3年決勝の舞台には恵まれず、去年は惜しくも準決勝でC大に敗れ、今年は『絶対優勝』を掲げている西の雄、O大だ。過去の優勝回数はT大に次ぐ堂々の第2位。大阪以西の高校出身者を中心にしたチーム編成であり、彼もそのうちの一人であった。

「久しかぶりだな、おと」

審判席の近くで、スコアブックの準備にとりかかっていた詩音は、相手ベンチの方から聞き覚えのある声で呼ばれた。大学入学以来、その呼び方で呼ばれるのは”交際をしている彼”以外では初めてだったので、誰であるかはすぐにわかった。声の主はO大のキャプテン、岡田尚斗だった。

岡田尚斗とは・・・

翔の元チームメイトであり、詩音とは幼稚園時代からの幼馴染である。翔とは対照的に、茶髪でやや長めの髪をセンターよりやや右よりで分けている。しかし、その見た目からは想像できないほどの高い知能指数を持ち、鋭い洞察力で相手のスパイク筋を読むピンポイントブロックを得意とし、また速攻の名手でもあるセンタープレイヤーである。

「久しぶりだね、尚斗。また少し背が伸びたんじゃない?」

「そうっちゃね。高校の時は、翔に追いつくことが目標やったけんね。今じゃもう超えたかもしれん」

大学に入学してから過去3年のインカレでは、別ブロックに配置され会場が別であったため、直接話すのは高校卒業以来であった。

「しかし、言葉といい、雰囲気といい、すっかり東京人になってしもうたね」

「4年もいるからね」

コートの対角でウォーミングアップをしていた翔は、2人に気付き額いっぱいにかいた汗をタオルで拭いながらこちらに向かって歩いてきた。

「元気そうだな、尚斗」

「お、ここにもまた東京人」

尚斗はからかうような言い草で続けてこういった。

「今年はうちがナンバーワンばいただくばい」

よほど研究してきたのだろうか、顔と声からは自信が窺える。

「そうゆうわけにはいかないな、うちも4連覇がかかってるんでね」

こちらも4連覇にかける想いは相当なものだ。

「お手柔らかにお願いしますよ、翔ちゃん」

「やめてくれよその呼び方は」

照れを隠そうと踵を返したその瞬間、尚斗に呼び止められた。

「あいつとはうまくいっとうと?」

まぁねと翔は若干口角を上げてみせたのち、すぐに振り返り、小走りに自陣へと駆け戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ