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移り変わる気色

9月になってもなお、陽射しは容赦なく肌を焼きつけ、気温は高止まりしたままだ。

けれど、街を吹き抜ける風は確かにその色を変えていた。

かつては南から押し寄せ、胸の奥まで焼き焦がすような劫火の深紅に燃え盛っていた風――

それが今では、どこか落ち着きを帯びて、山々を錦に染める紅葉のような柔らかい朱色に変わりはじめている。


仕事が終わり、帰り道に仰ぎ見た空は、まだ夏の余韻を残す鮮やかな青だった。

けれど、歩を進めるごとにそれは茜に揺らぎ、やがて暁色に滲み、家にたどり着くころにはもう、夕闇が世界を一面に覆ってしまっていた。

その移ろいの速さに、胸の奥が置き去りにされるようで、少しだけ切なさを覚える。


彼は誰時の静けさを縫うように聞こえてくるのは、夏の喧騒を煽り立てた蝉のけたたましい声ではなく、

小さくも澄んだ鈴虫の音色。

その響きが、耳に触れるたび「もう夏は終わったのだ」と囁かれているようで、心の奥に寂寥が広がっていく。


夏には笑い声と歓声で満ち溢れていた海水浴場も、今では静けさに包まれている。

焼けた肌を誇る数人のサーファーが、波を相手にするだけの場所になってしまった。

あのきらめきの季節が幻のように過ぎ去ってしまった現実を目の当たりにして、

胸の奥に取り残された熱だけが、まだ消えきらずに燻り続けている。


夜になると、窓から差し込む夜風は心地よく、肌を撫でるたびに夏の名残をやさしく洗い流していく。エアコンに頼り、暑さや寒さに振り回されて布団をかけ直す必要ももうない。ただ風に身を委ねていれば、自然とまぶたが落ちていくほどだ。その静かな涼しさは、確かに秋の到来を告げていた。昼の熱気が嘘のように引き、夜空には澄んだ月が浮かび、虫の音が響く。


このように四季の変わり目に、なにかもの寂しい感覚を覚えるのは私だけなのだろうか


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