水面に映る蒼空
雨上がりの青空は、乾いていない水たまりを蒼く染め、風に流される白い雲は、影を作る。
雨上がりで、アスファルトに陽炎ができている。
山からは、雨が渇いて白く低い雲を作っている。
電柱の先に溜まった水滴が、時間差でぽたり、ぽたりと落ちる。
その音が、遠くで鳴く鳥の声と重なって、街は静かな旋律を奏でる。
風に吹かれた葉が揺れ、濡れた地面の上で光を跳ね返す。
どこかの庭先では、雨粒をまとった紫陽花が色濃く咲いている。
水たまりの上を、小さな風が走り抜け、映った雲をゆがませる。
そこを通りかかる自転車のタイヤが、静かに波紋を広げる。
まだ湿った空気の中に、土とアスファルトのにおいが残っている。
それは、雨という時間の名残であり、
陽の光がそれを少しずつ、穏やかに過去へと変えていく。
私も、子供心をくすぐられ、久しぶりに水たまりに足を入れてみる。
水面に映る、私の顔が、過去を深く思い出させてくる。
そして少しだけ、甘酸っぱい晴天の空も思い出した。
海の方に降りていき、黄と黒のバーに露が滴る踏切を越えて、海の方に抜けていく。
雨上がりの海は、砂浜に近く、まるで溢れているようだ。
ゆっくりと、砂浜に足を下ろす。
いつもよりも固く、足跡がはっきりと残る
自分が歩く跡が見えて、人生みたいとか思ってしまう。
ただ青い海を見て、ぼーっとしているだけの時間。
やがて海も、赤くなっていき、月が顔を見せ始めた
砂浜も乾き、私の足跡は朧げになってしまった
少しづつ月が明るく見えてくる
靴の中の歩いた軌跡を落とし、踏切を渡る
空を見る
蒼色の空
暁色の空
そして星と月の空




