暁色の海岸
こんにちは美桜四季です
土日とか仕事終わりに綺麗だなぁと思うところを
今後描いていこうと思います
水平線の向こうから、夜明けの気配がそっと滲んでくる。
まだ空は眠たげな紺色で、星の名残がほんの少しだけ瞬いている。
海は凪いでいて、波は深呼吸するように、静かに岸辺へと寄せては返す。
淡い朱、やがて黄金、そして群青を溶かしたような暁色が、海と空の境目をゆっくり染め上げていく。
まるで誰かが、世界にやさしく色を塗っているみたいに。
海はその光を抱きしめるようにゆらぎ、
きらきらと波間に朝を散りばめていく。
その光景の中には、音も言葉もない。
ただ、風のささやきと、海が夜を手放す音だけが、静かに、確かにそこにある。
そして、誰にも知られないまま、新しい一日が始まる。
それはまるで、世界がいったん「やりなおし」を許されるような、
優しさに満ちた一瞬だった。
暁色の空が、白く輝きを取り戻す
ゆっくりと、砂浜を歩きだし、私だけの足跡を付けていく
足元に広がるのは、粉雪のように細かくてやわらかな白い砂。
太陽の光を受けて、どこまでもまぶしく、やさしく輝いている。
一歩踏み出せば、キュッと音を立てて沈む感触。
まるで浜が、そっと誰かの歩みを歓迎してくれているみたい。
波打ち際は、うすく透けたガラスのような水が、絶え間なく砂にキスをしている。
引いては満ちるそのリズムが、心の鼓動と不思議と重なって、
ただ眺めているだけで、時間の流れがゆっくりになっていく。
遠くに見える貝殻たちは、潮風に磨かれて、ひっそりと静かに眠っている。
時折、海鳥の鳴き声が空にとけ、風にのって流れていく。
空は高く、白く澄んでいて、雲の影がゆっくりと砂浜に落ちては流れていく。
誰かの思い出のように、消えて、でも確かにそこにあった跡を残して。
この白い砂浜には、言葉はいらない。
ただ、心だけを置いていけばいい。
そう思える、優しい景色が、ここには広がっている。