寄り親探し
ガーハタグの寄り親探しが始まり、ダバールボ伯爵に、会うことができたが。
はぐらかされて、ラヌタージュ公爵の紹介状を得た。
僕は、全ての時間を使い、タイムマシーンの制作に入った。
異世界に渡っても、計器類を持ち込み、ハンダゴテを手に、オリジナルの部品を組み合わせている。
優子の側にいいるエルフの情報では、数人が乗れるワゴンタイプのタイムマシーンだと、言っていたので。
新たに、ステンレスの車を作らないと、いけなかった。
僕の3人目の子供の為にも、優子が熟女になる前に、仕上げないといけない。使命感みたいなものを感じている。
問題なのは、指輪だけだ。
青白く光る指輪。
アレが何なのかは、エルフは知っているようだが、教えてくれなかった。
そんな中、ガーハタグ男爵が映画館に来たとして、呼び出された。
最近は毎日のように現れる。
毎日少しずつ金貨を奪い取り、僕を破産させようとしているらしいが。
バベルが、滅ぶ事は当分無いし。ガーハタグ男爵の寄親が、この街にいることも知った。
ダバールボ伯爵に会う子アポを取り付けていた。
これで、ガーハタグ男爵が、国へと帰るだろう。
僕は、この問題を安易に考え過ぎていた。
「これは、これは、直孝殿が自ら、お出でになるとは。狭苦しい部屋で申し訳ない」
「いえ、いえ。急な訪問で申し訳ありません。こちらは、つまらない物ですが、お収め下さい。当方の国の甘味です」
僕は、ゼリーのセットをお渡した。20ケース程。
その他にも、EVのトラクターや、ソーラーパネル。電動のキックボードを、先に渡している。
「お願いしたい事とは、何でしょうか。直孝殿の頼みならば、可能な限り、全力で、尽くしたいと思っています。何也と、仰ってください」
「ガーハタグ男爵の件なのですが、聞いてもらえますか」
ダバールボ伯爵は、急に変な顔になり。
そこし考えた後で、答えを出した。
「申し訳ありません。その事に関しては。このダバールボ伯爵でも、どうする事もできません。お許しください。ラヌタージュ公爵様なら、どうにかなるかもしれません。お手紙を、書かせていただきます」
僕のたらい回しが、ここから始まった。
「優子ちゃん、スタジオにキッチンカーを持ち込んだの」
「あっ。大雄寺先生、お早うございます。そうなんですよ、監督が、フグ食べたいって、言い出しちゃって。キッチンカーを借りて、調理中です。先生の分も御座いますよ」
「嬉しいね。静岡での事は、衝撃的だったけど。優子ちゃんが居れば、コッチで待たずに食べられるのか」
「そうですね。毎日は、作れませんが。月一ぐらいなら、可能だと思いますよ。冷蔵庫に、スライスされた、ハルルベリーが、入ったますので、召し上がって、待っててください」
「怖いな。何か催促されるのかい、優子ちゃん」
「畑監督が、欲しがっただけです。何の意図もありませんし、安心して召し上がってください」
「前回それで、騙されたからな。宗方との仲裁を頼まれて、ホテルディナーとラウンジの飲み代を、思い出した。78万円だ、遊びで若いワインを開けたんだった」
「あの時は、まだ、若かったんですよ。宗方も、俳優さんと結婚して引退したし」
「何、優子ちゃん引退するの。例のあの人と」
「優子ちゃん、引退するのって、本当なの。何処の馬の骨だよ」
「お早うございます、松さん。私も、彼も、由緒正しい家柄ではないけど、松さんの女遊びよりはマシな人よ」
「優子ちゃん、それは違うよ。祇園が俺を呼んでいるんだよ」
「はい、はい。松さんも、フグ鍋お食べになりますか」
「優子ちゃんは、フグの免許を取ったのかい。凄いね」
「免許は、持ってますけど。こちらのフグは、日本産ではありません」
「フグって、下関か愛知の下の方じゃないの」
「えっ、マッツン。静岡特区知らないの」
「なにそれ。お店の名前」
「違う。入るのに、4時間かかる場所」
「はぁ〜。大雄寺が、4時間待つの。いや、待てるの。俺が、15分遅刻したら、ビービーうるさいのに」
「俺は、このフグのためなら、8時間は待てる」
「意味が分からん」
「食べてみたらわかるよ」
「優子ちゃん、ゴメンね。何か、わがまま言っちゃって。映画が始まると、京都から出れないし、途中で呼び出されたら、京都に飛ばないといけないし」
「大丈夫ですよ、畑監督。結婚式で、スピーチしてくれたら」
「ダメだよ。俺なんかじゃ、絶対に不釣り合いだよ。世界的な大スターに、お願いしてよ。そこは」
「畑監督も、世界に名を轟かせているじゃないですか」
「おだてても、ダメだよ。特区のトップの方なんでしょ。相応しい方は、いっぱいいるって。向こうの方にも」
「納得してませんが。お鍋を通しますよ。退いて下さい」
「京都で、コレが食べられるなんて。優子ちゃん様々だな」
「スピーチは、無理だけど。豪華な贈り物を用意するよ」
「フグ鍋って、大阪に足を伸ばせば、食べられるのに。何か、違いがあるの」
「そんな事を言う、マッツンが先陣を切って下さい。全然違いますから」
「それじゃ、松さんから、お渡ししますね」
「何これ、弾力が凄い。次に旨味がダラーって。何だよこれは」
「コレが、静岡の特区で食べられている。日本名、グレードフグです」
「優子ちゃん、ありがとう。監督してて良かった」
「俺も、そう思います。役者をやってなかったら、特区の中なんて、とても入れなかったよ」
2人も、優子に装って貰い。フグを食べ始めた。
「えっ、監督も、その特区に入った事あるの」
「私は、こう見えても食通の肩書きを持っているんだよ。マッツン」
「マッツンは、祇園が呼んでるから。しょうがないか」
「そんなに言うなら、祇園の舞妓を連れて、大勢で行ってやろうじゃ無いの」
「そう言う所じゃないの。本当の美食家が、集まる所なの。品を、問われるぞ」
「紹介が、必要なんだ。それに、最初がうるさくて、入るのに5時間かかったよ」
「私もそうでした。直孝さんと同行してましたが、持ち物検査だけで、全て脱いで。バッグも、ひっくり返されましたから」
「トップと、同行しているのに。裸にされたの」
「世界の要人が、集まる所でも有りますから」
「フグを食べていたら、スピーチしようと思ったけど。世界の要人に任せた」
「白子の天ぷらも出しますから、畑監督お願いします」
「食べたい」
「松さんが、スピーチしたら。例の裸踊りも付いてくるんでしょ。受けるけど、直孝さんが納得するか微妙なとこです」
「世界の要人に、アレを見せるの。心臓に毛がボーボーじゃないと、出来ないね」
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