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異世界タウン take2  作者: 愛加 あかり
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逆鱗

影村会長を召喚した。

影村会長は、京也に少し甘く感じた。

ニュータウンから、追い出す事は出来なかった。




 影村会長が、異世界にやって来た。

 呼んたのは僕だ。


 「スーリピが、居ますので。獣人たちはここで、待機をしてて下さい」


 僕は、影村会長と、複数人の組員で京也の家に乗り込んだ。

 影村会長が、激怒しており。

 今のヤクザが、近所に迷惑を掛けるなど有ってはならない。


 『ピンポーン』


 お天道様は、天高く昇っている。

 いい加減、起きていないといけない時間だ。


 「京也さん。またまた、苦情が出てますので、影村会長を呼びました。本日は、ニュータウンからの、退去をお願いします」


 『ピンポーン』


 「死んでますか。スーリピを殺しましたか。この臭さは、死臭ですか」


 『ピンポーン』


 「早く出てきて下さい。間違えました。早く出てって下さい」


 「バルサン炊きますよ。宜しいですか」


 『ピンポーン』


 「だぁ~、ルッセぇなぁ。毎日、毎日、家に来やがって。いいかげんに、しやがれ」


 「お早うございます。いいかげんに、家を明け渡して下さい。京也さん」


 「何やっている。この馬鹿、服ぐらい着て出て来い。恥はないのか、恥は」


 「お爺ちゃんを、呼ぶなよ。反則だろ」


 スーリピが、頭を深く下げるが。服を着ようとしない。


 「この馬鹿。反省しろ」


 「痛い、痛いって。お爺ちゃん。僕が、いったい何をしたの」


 京也は、耳を引っ張られながら、外に出された。


 「おい。家の中を掃除しろ」

 影村会長は、トーンを低く変えて、ドスを効かせた。


 僕らは、京也が外に出た事により、家の中に入れた。


 「お前は、先に服を着て来い。何日、裸でいるつもりだ」

 僕は、スーリピに、服を着るように命じた。


 一番ヤバそうな寝室を、スーリピに任せて。ゴミの片付けから始まった。


 ゴミを出す度に。京屋の顔が、ボコボコなって行く。

 とうとう、影村会長の杖が折れた。

 京也のか頭から、出血しだした。


 だが、ゴミ出しは止まらない。

 半分は、拭き掃除に回っている。

 寝室の異臭は、中々取れそうもない。


 スーリピが、何度も壁に鼻を当てて、雑巾で擦っている。

 長時間そこに居て、麻痺しているはずなのに、臭うのだから。異臭なのだろう。


 10人の大人が、5時間働いて、やっと人の住む家に戻った。


 軽トラの荷台に、ベニヤと角材で補強された、煽りを立てて。ゴミを、大量に積み重ねた。


 軽トラの天井の高さを超えて、追加のベニヤを立てた。

 とっからどう見ても、積載オーバーの軽トラ。

 ここから、石材現場まで運ぶ。


 京也は、フルチンの正座で、頭からは出血している。


 「影村会長、京也さんをどうするつもりですか」


 「待て。京也も、この通り反省させた。終わりでいいだろ。一件落着だ」


 「何を、言っているんですか。スーリピの解放ですよ。僕の要求は」


 「大丈夫だ。今、反省させたから、問題ない」


 「京也さんが、スーリピを手放して。他の獣人を受け入れたら、済む話ですよ。獣人たちの食費も、僕が持ちますから。スーリピの解放を」


 「クドいぞ。スーリピは、そのままだ。ハベルの利権を、3%に落としてやるから、ここは大目に見ろ」


 「そう言う問題では有りません。異臭、匂いです。獣人たちが、居るんですよニュータウンには。ご理解して、貰えないようですので。言っても、意味ないですね。それでは、今回だけですからね」



 ここで、僕は、京也の説得を諦めてしまった。


 一人で、ニュータウンを後にした。


 僕は、自分の行動に異変を覚えた。

 母親への、普通の対応。

 京也の説得。

 影村会長を、怒らせた。


 僕は、久しぶりに、サーモグラフィーを使った。

 僕に、エルフが付いていた。

 影村会長と険悪なムードにして、僕に罪を擦り付けるつもりなのか。


 だけど、あらゆる所に、センサーが付いているはずだが。


 僕は、映画館のパソコンの警備から調べた。

 意図的に、スイッチが切られている。

 影村会長の指示か。

 京也の単独犯か。

 第三の勢力も有るのか。


 「おい。もうバレてるぞ。感情を押さえれ良いのだろう。下がらないと、エルフ全員を追い出すぞ」


 エルフは、光学迷彩を解き。ドアを開けて出て行った。


 僕は、映画館の中に飛び込んだ。


 真っ暗な世界で、スクリーンの灯りと。非常灯のグリーンしか、付いていない。


 サーモグラフィーを当てながら、エルフを探した。


 結構潜っている。12人のエルフを見つけた。

 バベルのセキュリティは、問題無かった。


 やはり、ターゲットは僕なのか。

 ニュータウンのコンビニも、異常はない。


 だが、影村会長は、バベルの売り上げを、3%にしても良いと、言った。


 結構な額だ。孫に、甘いだけなのか。


 エルフのお陰で、お母さんとの会話は普通にやり過ごせた。


 まぁ、そのうち、誰かがアクションを、起こすだろう。

 そう考えていると。お腹が空いた。


 僕は、最近与田さんが出した店へと向かった。


 異世界のピーピングラビットの肉を使った、唐揚げ屋さんだ。


 少し前まで、醤油漬けの肉として、販売をしていたのだが。


 カジノのメンバーが、KFCが食べたいと言うので。ピーピングラビットの肉を、唐揚げで出した。 


 チキンとウサギは、似ていると、誰かが言ったが。唐揚げとKFCは、違うと思う。


 だが、空揚げを求めて、バベルのメンバーが、与田の畑に並んだ。

 そこから火がついた。


 空揚げを、爪楊枝で突きながら、シャフルするのが気になって。貴族が求めて。


 与太さんが、業務用のフライヤーを購入したいと言い出した。


 連日、誰かが唐揚げ屋さんにいる。

 雨が降っていても、メイドが並んでいる。

 醤油味のウサギの空揚げ屋さん。


 「スーリピ以外の子を、側に付けたらどうだい。そろそろ、次のステップに行けよ」


 「違いますよ。そんなんじゃないです。スーリピとの関係は。そもそも」


 「気にしていないのなら、尚更だろ」


 小さな小屋で、フライヤーの前に立つ与太さんが、声をかけている。

 エルフの回復薬、様々だ。

 汗だくになりながら、扇風機で凌いでいる。


 「取り敢えず、空揚げの弁当を一つ下さい」


 「何だよ。少し怒ったのか」


 「別に、怒ってませんよ。与田さんは、いつもこうですから。僕も、そうしているだけです」


 「何だ、怒っているじゃねぇか」


 「違いますよ。呆れていれるんです」


 「そんなモノか」


 「ええ。そんなモノです」


 いつものやり取りをして、空揚げの弁当を頂いた。


 醤油漬けの肉は、パサパサ感が否めなかったが。

 空揚げは、肉汁が溢れてくる感じだ。


 お米が進んだ。

 やはり、KFCとは違う。

読んでいただき、有難うございます。

高評価、星とブックマークを、宜しくお願いします。

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