孫の京也
影村会長の孫で、7代目になる予定の京也が、異世界に現れた。
京也の望みは、スーリピだった。
影村会長が、珍しくお孫さんを連れてきた。
今は、仕事も忙しく。軽トラも、ハシビロコウのプッテユに任せている。
羽田さんの作った、モデルルームに貴族つを招きき。日本建築の良さを伝えようとした。
40畳のリビングに、対面式のシステムキッチン。足が伸ばせるユニットバスに、ヒーター内蔵のトイレ。お掃除ロボットや、レンジに食洗機、証明、ワインセラー。
いくら見せても、きりがない。
貴族と夫人、シェフと見習い。代表の侍女たち。3ブロック体制で見せながら、案内をした。
「狭い、狭すぎる。お前たちは、息が詰まらないのか」
「そうです。狭すぎます。私の部屋と書斎などを含めても、ここより広いです。ものを飾るスペースがありません。衣装部屋が足りませんわ」
全てにおいて、狭いと言われ。
「これが、オーブン。ヤーマドを、丸々焼けないぞ。小さすぎる」
「食洗機、何人前を洗うと思っている。メイドを合わせて、100人は居るのだぞ」
「御主人様たちだけだったら、このサイズに納得するのだが。100人の食事を作るとなると、狭いな」
ここでも、狭いや、小さいが聞かれた。
「いけません。仕事が減ります。お掃除ロボットなんて、ものを入れたら、お暇を頂いてしまいます」
「まだ、大丈夫みたいです。下お掃除するだけですから。床より上は、私たちの仕事です。安心しましょう」
「床も、拭き取ってくれるのですか。なんて頼。間違えました。いりません」
自分の仕事を奪われないか、心配された。
メイドたちも、映画館には貢献している。
無くしてはいけない、客たちだ。
いい返事は、期待できない。
トイレと、ユニットバスのオファーが来たが。
後付は、非常に困った。
木造家屋ならまだしも。
石の建物に、穴を開けるだけで、大変だし。
「うるさい。静かに出来んのか」
3階に、トイレを付けるためにも、足場が必要で。
「何ですの、この建物は。直ぐに、片付けて」
足場を組んだら、夫人からの苦情が来て。作業が2カ月中断した。
色々と、説明をしながら。一つ一つ問題を解決している。
そんな時に、影村会長が、孫の京也を連れてきた。
「初めまして。北条と言います。影村会長には、お世話なってます」
「おい。挨拶ぐらいせんか、京也」
「えっ。影村京也です。宜しく」
「今日は、こいつで、大物を狩る予定だ。邪魔するなよ」
「邪魔などした事なんて、無いじゃないですか。人聞きの悪い」
「集中したいから、頼むな。行こうか、マロウちゃん」
「それでは、僕も、失礼します」
そこそこの挨拶をして。
忙しいを言い訳に、その場を後にした。
最近は、トラクターも村長に貸し出しているから、作業服も着ていない。
ジャケットを羽織る生活をして、ヒツジのスーリピを連れている。
スーリピにも、それなりのブランドスーツを着せて、異世界タウンと、往復をしている。
「アレが、北条直孝だ。ここの支配者で、追々は、2人で老虎組を、守り立ててもらいたい。出来るな」
京也は、異世界を見渡しながら。
「は〜い。分かりました」
影村会長を見ずに。スーリピの後ろ姿を追いかけていた。
「では、森に行って、新しいショットガンで、狩りをしに行こう」
最近は、影村会長が、頻繁に異世界へ来ていて。
異世界を、治めようとしてる。
簡単には、納めさせないが。
武力には、武力で。リトアニアから、武器は、調達してある。
今は、ハルルの家に隠してある。
お祖父ちゃんたちには、出産が控えているので、地球で暮らしてもらっている。
マユタナさんの希望で、新築の家を建てている最中だ。
僕の仕事は、エルフ達の管理くらいで、森に道を通してからは、石材の管理も任せてある。
カジノも、影村組がケツモチをしていて、売り上げの5%を常用している。
ケツモチとは名ばかりで、雑用もこなしてもらったいる。
主に、配達だ。貴族の家へ行って、裏口で明渡しをする。
すると、多めのチップが貰える。
これだけでも、異世界では生活が可能。
「ちわ~。お届けに上がりました」
「声が大きいわよ。はい。お駄賃。誰にも、見つかってないですよね」
「はい。任せて下さい」
「それじゃあ。早く帰って」
「有難うございました。またのごりよ」
「シ〜。うるさい。帰って。帰って」
「失礼します」
このような出来事が、日常茶飯事で起こる。
「おじいちゃん。僕も、獣人が欲しい」
静かに、獲物を探していた影村会長は、ショットガンの銃口を下げた。
「会長だ。馬鹿たれ」
グーで、頭を殴られた。
「会長、。僕も、獣人が欲しい」
「ヤブから棒じゃな」
「さっきのヤツが連れていた、獣人が欲しい」
「誰の事だ。連れているなら、ダメだろ。諦めろ」
影村会長は、銃を構えた。
「嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ」
「うるさいな。『異世界に行きたい』って、言ったから、連れてきたのに。これじゃ、狩が出来ないじゃないか」
「じゃあ、獣人買ってくれる」
「獣人はなぁ、買うモノじゃないんだよ。分かるか。セカンドパートナーなんだ。分かったか」
「分からない。セカンドパートナーでいいから、さっきの獣人がいい。欲しい」
「さっきのって、誰だ。交渉はしてみるよ。無理だと思うぞ。ハンティング仲間のゴーティーさんのダーセルは、駄目だぞ」
「違う。最初のヤツ。村出て話した若いヤツ」
「北条のスーリピか」
「そうそう。北条のヒツジ」
『ん゙〜』
「スーリピなら、問題ないと思うが。問題だらけだぞ。あの子は」
「良いの。あの子で」
「交渉だけはする。断られたら、どうする」
「何、言ってるの。7代目になる、僕が言っているんだよ。断るわけ無いじゃん」
「そうだな、老虎組の会長が、お願いするんだから、断るはずないよな」
影村会長は、集合の笛を鳴らした。
マロウが、直ぐに飛んできて。
「影村会長、どうされたのですか。始まったばかりですよ」
「今日の狩りは無しだ。頭を取るなら、馬を奪わないとな」
「ウマじゃないよ。羊だよ」
「あの羊が、どれだけの情報を持っているのか」
もう一人の獣人のに伝言を頼んだ。
「ゴーティーさん、予定ができてしまった。今日の狩は、私の負でいい。後日、14年物のロマネコンティを届けるよ」
分かったか。よろしく頼む。
影村会長は、フクロウのサッニケに伝えて。
ノーマルの軽トラで、村へと向かった。
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