初体験
直孝は、ラスベガスにいた。
ディーラーを探す旅で、観光ついでに、エリア51にも寄った。
ロズウェルで、異世界のゴブリンを発見のニュースには驚いた。
僕は、ラスベガスにいる。
今回は、買い物と、不始末の処理と、人の勧誘だった。
不始末は、隠蔽にお金をかけて、処理してもらった。
アメリカのロズウェルで、異世界ゴブリンが見たかった事件だ。
死体を、焼却しようとしたのだが、近所の住人に火事だと騒がれて。
火を消したら、中からゴブリンが出てきた話だ。
特別樹脂の耐火実験で、方をつけた。
「今度の映画で、着ぐるみを着て、燃えるスタントをやる予定なんです」
胡散臭い、言い訳だが。
皆、納得してくれた。
次に、銃を購入した。顔のせいで、年齢を疑われたが。日本人で、パスポートを見せたら、カモられた。
通常の2倍は取られたらしい。けど、それを知ってからは、エルフを1人潜らせた。
料金より少し良い物を頂いた。
ライフルを5丁と、付属の弾丸を500発程を、モーテルまで宅配させて、宿泊費を払ってもらった。
そして今、ママチャリを漕いでいる。
後ろに、『ディーラー募集中』と、日本の粘りを刺して、ラスベガスの大通りを走らせている。
ネオン輝くラスベガスで、通りのママチャリを見る奴などいない。
だが、こんなバカをやる自分も好きで、旅の恥である。
スーリピと、一線を越えて、少しおかしくなりつつある。
今日は、休憩を挟んで、5時間もママチャリを漕いている。
連絡は、少しずつ、スマホに来ているが。
出発当時つの夕方に何人のディーラーが集まるのか。不安はある。
高級ホテルに、ママチャリで乗り入れて。
ドアマンに、100ドルのチップを渡して。
「ママチャリ。捨てておいて」
それだけ言い残して、ホテルへ入った。
ドアマンは、ママチャリを裏に運んだ。
翌朝、ゆっくり目を覚まして、シャワーを浴びて、用意して置いた服を着る。
黄色のシャツに、オーバーオールで決めて、頭には麦わら帽子を被って。
僕は、自らの戦闘力をアピールした。
集合時間となり、大型ショッピングモールの駐車場に、8人のディーラーとその家族が集まった。
「アメリカ最後の晩餐に、何が食べたい」
僕は、あと2時間しか無いと伝えた。
6時にはここを出て、ある所に向かう予定だ。
その人たちとは、9時に待ち合わせをしている。
「KFCとビザとバドワイザーだろう」
「いいね。アメリカらしい」
2人は、ハイタッチをした。
「駄目よ。アメリカ最後なのよ。KFCとピザ何て、どこの国でも食べられるわよ。そうでしょ。違う」
黒人の女性は、共感を求めた。
「だったら、何を食べるんだよ。言ってみろ」
「それを、皆で考えるのでしょ」
「ムダムダ、2時間しか無いんだ。皆で手分けして、食料を集めた方が良いって」
「なんで今頃言うのよ。もっと早く言えば、高級レストラン行けたのに」
口論している間に、15分は過ぎていた。
最終的に、KFCにピザ、ペプシにバドワイザーとなった。
「皆さんは、アメリカに忘れ物はないですか」
僕は、皆に最終確認をした。
半分冗談だと思われている。
「ベガスで、上を見るだけの人生だ」
それには皆が、頷いた。
「それほど、悲観的になるものじゃない。少し、考え方を変えれば、きっと上手く行く」
そして、もう一つ確認事項がある。
「牽引ロープを、持ってきましたか」
数人が持ち忘れている。予備は持っているので、少しは安心した。
それでは、本日の目的地へ、出発。
僕は、軽トラに乗り込み、先導した。
まず、軽トラを船で送り。僕は、飛行機でロズウェルへ行き。
次に、買い物をした後、軽トラを取りに、港まで行った。
港から、ラスベガスまで来て。今である。1週間は、アメリカにいる。
皆で、ラスベガスから、北へ北へ走らせて。
付いた先は、そう。エリア51である。
少し、休憩を挟みながら来たので、タイミングはバッチリだった。
「それでは皆さん、牽引ロープを貸して下さい」
「おい。何処に連れて行く気だ」
「アメリカ最後って、どういう事だよ。説明しろ」
「バカにしているのか」
「死にたくない、お金ならあげるから。許して」
この格好だと、ライフル持たないとな。
「絶対に車の外に出ないで下さい。何処に捨てられるか分かりませんので。窓も開けないで下さい。一瞬で済みますから。言う事を、聞いて下さい」
時計を見ると、2分オーバーしている。
『これくらいは、時差で許してくれ』
最終確認をしながら、連結部分を引っ張って確認もした。
「それでは皆さん。ライトを点滅させて下さい」
基地からも、それっぽい車が出てきた。
ここで、初めての体験をする。
僕は、夜から夜へ跳んだ。
「皆さんには、部屋を用意してあります。ゆっくりと休まれて、翌朝、10時にここへ来て下さい」
僕は、手を叩き。獣人たちを並ばせた。
女性のディーラーも居るので、初めて男性の獣人を並べた。
下着の3人は、ここへ来た事がない。
エスコートは、獣人に任せて。1週間ぶりに、現場を訪れた。
9割は、仕上がっている。ポーカーに、ルーレット。ブラック・ジャックにバカラ。
良くは知らないが、色々なテーブルがある。
僕が知りたいのは、地下だ。
ここへは、滅多に入れないだろう。
かなりの広さだ。カジノの4倍の面積を確保した。品物が並ぶと、狭くなるだろうが、飛ぶように売れると自負している。
3階も、男性用のトイレからしか渡れない。
男性専用のフロアになる。
翌朝は、皆頑張ったのか、集まりが遅かった。
時差もあるが、時計は合わせたつもりだが。
黒人女性のディーラーが、最後で、意外だった。
「これから、貴方がたの職場へお連れします。どのテーブルになるかは、分かりませんが。一つだけお願いがあります。マジックはしないで下さい。ここは異世界で、遊ぶ相手は貴族です。頭に、叩き込んで下さい。イカサマしていると思われると、首が本当に飛びます。宜しいですね」
「イカサマしないで、どうやって稼ぐのさ」
「それを、これからお店します。付いて来て下さい」
「ここです。小さいですが、名を『バベル』にしました。カジノ『バベル』大金を稼ぐ、城です。中へ入りますよ。ついてきて下さい」
まだ、真新しい匂いがして、電気の配線や、クロス貼りを続けている。ロビーには、売店が有り。チップも、ここで交換できます。
大きな扉を抜けると、大きなフロアに、テーブルがいくつも有った。
ディーラーたちは、得意な方へ足を伸ばした。
「何か、改善点はございますか。有ったら、何でも仰って下さい。出来る事と、出来ない事を確認します」
「それほど、問題わ無い。椅子の数と、位置に若干の余裕が欲しいくらいだ」
「善処します。他に、有りませんか」
「何処のカジノも、こんな感じだ。イカサマをしないとは、どんなカジノだ。教えて欲しい」
「歩きながら、説明をしますと。ここが、地球では無く。異世界だと、認識してください」
「チョット待て、女性用のトイレだぞここは。男子禁制だろ」
「今は、オープン前です。それに、大事な事です。先へ進みますよ」
僕は、先へ進み、荷物が少しずつ運ばれている。
「ここは、何だ。下着売場か」
「半分正解です。大人の玩具の販売もします」
少し間を置いて、直孝は続けた。
「ゲームのメダルを稼がないと、貰えないアイテムって有りますよね。それを、ここでやります。気持ち良く勝たせて、下着や玩具を破格の値段で売ります」
「新しいアイテムを、購入して。購入して、購入して、の繰り返しで、ここは潤います。確実に」
「お客様には、気持ち良く勝たせて上げ下さい。それが貴方がたの仕事です。簡単ですよね。わざと負けて下さい。理解できましたか」
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