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異世界タウン take2  作者: 愛加 あかり
23/42

DT

直孝は、アルクサンダーの尋問に立ち会っている。

中途半端に関わったから、責任を感じてのことだ。

それが、僕の運命に関わってきた。




 僕は、エルフと共に、アルクサンダーの尋問に立ち会っていた。


 「日本の情報も他国へ流していたのだな。リトアニアだけでは無く、バルト三国を売ろうとするなんて」


 「はい、その通りです」


 「ご協力、ありがとうございました。この後、老人たちは、本国の牢獄へ送還されます」


 「この、アルクサンダーは、ここで処理してもかまわないのですか」


 「問題ありません。情報収集は済んでますし、出所後に、ここへ運ぶのも手間だと言うので。『ここに、置いて帰る』で、上も納得しています」


 「それでは、皆さんを地球へお連れします」


 僕は、老人たちとトロクセイさんの仲間を連れて、地球へと向かった。


 義材や人数で、エルグランド2台が埋め尽くされている。


 「押すなと」老人が怒り。

 「黙れ、ナチ公」とまで言われていた。


 リトアニアの人々が、救われることを願った。


 急いで、異世界へ戻り。アルクサンダーがいる家へと向かった。

 一人残して来たスーリピの事を心配になったからだ。


 椅子に手錠で固定されているが、万が一の為に、エルフでも置いておくべきだったと、後悔しながら、向かうと。


 アルクサンダーが、拷問を受けていた。


 スーリピが、ピコピコハンマーを持ち、思いっきりアルクサンダーの頭を叩き。


 咥えていた、棒付きのキャンディーを口から出して、アルクサンダーの額に押し当てり。


 棒の先端に、マシュマロを付けて。暖炉の熱で熱々に温めたものを。アルクサンダー様に差し上げた。


 「悪かった。許してくれ。頼む」


 「貴方は、私が謝っていたのに、辞めなかった。むしろ、興奮して、殴り続けてますよね」


 更に、スーリピの拷問は続いた。


 ローションをまんべんなく首に塗り、電気マッサージ機の器具を取り付けて、電気を流したり。


 アルクサンダーの、可愛い付け爪を剥がした。


 アルクサンダーが気絶する度に、 ピコピコハンマーで殴打し、意識を戻した。


 「コレで、サヨナラしましょう」


 「待て、早まるな。金をやる。いくら欲しい。望むだけやろう。だから、助けてくれ。助けて下さい。おねか……」


 トロクセイさんの、仲間が置いていった、コルク銃を拾い、ボルトアクションを起こした。

 最後は、コルク銃でショック死してしまった。


 それは、一瞬の出来事だった。

 コルク銃の大きな効果音と共に、アルクサンダーが、椅子と共に床に倒れ。硝煙の匂いとともに、静粛の一瞬が、嘘のようにも思えた。魂を亡くした、青い目が何かを、僕に訴えていた。


 『命が軽すぎる』


 それでも、スーリピの興奮は収まらずに、僕へと向かった。


 スーリピは、突然振り返り。僕はキスをされた。


 舌を受け入れたのがまずかった。

 マカすっぽんの生暖かくて、匂いに癖のある血が、僕の口に流れ込んできた。


 それと同時に、別な匂いも嗅いだ。

 スーリピは、獣人のフェロモンを出している。

 与田さんが、よく言っていた事を思い出した。


 『興奮して、それしか考えられなくなる』



 僕は、スーリピを抱いた。


 『スーリピを、そばに置いた時から警戒していたのに、油断したのか、運命を受け入れたのか』


 アルクサンダーの死体の側で、僕は……。



 気が付くと、僕は裸で。

 スーリピは、松野さんで鍛えられていたのか、キッチンで何かを作っている。

 肉の焼けるいい匂いがした。


 そして、アルクサンダーの死体を見ながら、現実に戻ってきた。


 『ヒツジとやってしまった。雪女が言っていた事が当たった。あの女は、熟女は、何だったんだ。前原優子に似た女性』


 僕は、アルクサンダーを担いで、軽トラの荷台に載せた。

 重たかったが、処理しないといけなかった。


 少しだけ森に入り。軽トラの見える位置に、アルクサンダーの死体を放置した。


 火葬も、土葬もせず、自然に返す。

 正しいのか、間違っているのかも分からず。捨てた。そう、捨てたが正しい表現だった。


 体力が残っておらず、疲れていた。


 マユタナさんは、マユタナ・西島となり。産婦人科へ通っている。

 27周目で、順調との事だ。


 母親の北条孝子には、バレていない。


 そして、バルト三国から、120億円ものお金がスイス銀行の口座に振り込まれた。


 トロクセイさんが、アルクサンダーの口座のお金を、スイスの銀行に預けて。名義を勝手に使われた。


 僕は、スイス銀行に、遊んで暮らせる資産を手にした。

 今回の報酬らしい。ワイロや、口封じ。の類だ。


 問題はそれだけでは無い。静岡の田舎の土地に、バブルが、起きつつある。


 バルト三国の数人が異世界に滞在するようになってから、静岡の静かな田舎に大型の倉庫が建てられ始めた。


 日本は、急いで静岡特区を造り始めた。

 目的は、権益と関税だ。

 死んだ異世界の肉とはいえ、見逃すことが出来ない。

 異世界タウンの設立は急務で行われた。


 坪、1000でも売れない農地が。坪、50万でも飛ぶように売れた。

 静岡の田舎に、バブルが訪れた。


 原因は、与田さんのマカすっぽん鍋店。

 世界中のセレブが、マカすっぽん鍋を食そうと集まった。

 異世界タウンへ入るのも、厳重な許可がいる。

 いくらセレブでも、簡単には入れない。


 ボディチェックは勿論、持ち物検査も、受けてもらい。

 特別なパスがないと、異世界タウンへは入れなかった。


 異世界でも、異変が起きていた。

 ニュータウンの建設がストップしたのだ。


 原因は、貴族たちだった。

 獣人やエルフの力を借りて、近くの山岳の石を大量に切り出している。


 僕が、提示している金額よりも、獣人たちは、石切り場へと向かった。


 石を切って何をするかと思えば。

 ハルルバレーに、貴族たちが別荘を建てようとしている。

 大店の商人は、倉庫をニュータウンの横に建てている最中だ。


 僕も、次の集団に移った。


 ニュータウンから少し離して、地下一階、地上2階の大きな建物を建築しようとしていた。


 「羽田さん、これだけの人数で、この建物はいつ完成するのですか」


 「問題ない。工期の3カ月は守る予定だ。それに、みんな力持ちみたいだし。問題ない」


 羽田さんは、大手ゼネコンに居た設計士だ。

 大きな、ホールや美術館を手がけてきた方で、僕の映画館を見て、音響設備に文句を言った人だ。


 年令による不当な解雇だ。

 現場主義の羽田さんは、デスクワークによる窓際に追いやられて、自主退社を余儀なくされた。

 追い打ちをかけるように、熟年離婚に発展して。

 退職にあたって、僕が引き抜いた。


 趣味は、ジョギングで、筆頭で犬のファーリルと毎朝走っている。


 「全然、問題ない。工事用のセメントサイロも有るし。地球から、ミキサー車を呼ぶのだろ。問題ない」


 異世界タウンから、早朝に手配はされている。


 「それなら、良かった。別部隊で、石切り場への道を作ろうと思っていたから」


 僕は、石切場までの道を舗装して、トラックを使い、石を運搬する事業を行おうとしている。

読んでいただき、有難うございます。

拷問風景を、バカみたいに描きました。

高評価、星とブックマークを宜しくお願いします。

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