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異世界タウン take2  作者: 愛加 あかり
16/42

与田さん

与田さんは、節約家で。堅実的だった。

アリとキリギリスの逆だ。

与田さんは、凄い人。



 推薦8名プラス、追加4名が加わり、抽選会がスタートした。

 最初からクジを引いて、1から12までの数字を引当ててもらう。最初に、筆頭のメイトを決める順番を決める抽選です。


 メインのメイドとサブのメイド2人を、家に常駐させる事が出来る。

 他の子でも、家主がOKしたら住むことが可能だけど、家の大きさと、食費が関係してくる。


 老害達は、自分の表に出せないお金を、ここで浪費してもらい、老虎組がマネーロンダリングして、僕の口座へと流れる。


 追加の4名は、『リアル過ぎる』から選ばれた者たちで。こちらも、一癖も、二癖も、ある人物みたいだ。


 皆が、1番を取れると思い込んでいる。

 各々が、好きな獣人を側に置きたいはずだ。


 そんな時、与田さんが声を上げた。


 「何方か、3番の札を買わないか」


 「与田様、そう言う事は………」


 「100万出す」

 「150」「200」「230」「243」


 僕は、一度止めようとしたが、進行した方が早いと思い、与田さんの提案に乗った。


 「246万で、ハンマープライス」


 8番が3番に変わり、与田さんが最後まで、移動した。


 地球のユーチューブで頑張った、『リアル過ぎる』のメンバーは、筆頭を得ていて。その他の獣人たちも、満足している様子だ。


 家は、5LDKとなっていて、家主が選んだメイドには、鍵付きの部屋が与えられ、食事も面倒見なければならない。


 獣人の女性側は、殆どがWelcomeだった。

 依存する女性のように、求めてくる。

 逆に、僕が拒否をしていた。


 最後に与田さんが、また、おかしな事を発した。


 「あまり、食費のかからない子はいますか」

 浪費しない、ケチなタイプなのか。


 獣人の誰も、名乗らなかったが。

 逆に、獣人から質問が飛んだ。


 「お庭に、菜園を作ることは可能ですか」

 小さな体に、大きな尻尾を持ったリスのマーモヌが、声を上げた。


 「申し訳ございません。手入れした芝を荒らすのは止めて下さい。却下です」


 僕の提案で、芝を生やしたのに。わざわざ地球から取り寄せてまで、庭に敷き詰めたのに。


 「畑を借りることは可能か」

 与田さんが、また暴走した。


 「可能ですが。畑仕事をなさるのですか」

 僕は、与太さんの資料をめくった。

 数カ国の大使を歴任後、解雇。

 影村会長が選んだ推薦人だ。


 「こう見えても、百姓の倅だ。老後の土いじりでもしてみよう」


 「与太さん、実家は農家だったのか」

 「どうりで、馬が合わない訳だ」

 「美味しそうなのが生えたら、購入してやる」


 また、外野がざわつき。

 「では、そのように、手配いたします」


 リスのモーリヌが、与太さんの横へ移動して。


 「本日は、誠に有難うございました。では、解散いたします」


 僕は、順番道理に、1組ずつエルグランドを走らせて。

 ナマケモノのグターニと、エルグランド2台で、ニュータウンへの移動を迅速にした。


 ここで、筆頭に選ばれ無かった、獣人たちの行動は2つ。

 車を待つ老害と同行して、売店でオネダリをするか。

 先回りをして、ニュータウンのコンビニで、合流するか。


 獣人たちが求めるのは様々だが。

 ゴワゴワの毛を整えてくれる、洗髪用品だけは、欲しかった。

 これは、男性の獣人も欲しがるやつはいる。

 匂いを、嫌う者もいたが、洗うと気持ちが良かった。


 アイスや冷凍食品が、直ぐに完売した。

 雑誌コーナーを少なくして、冷凍食品を増やしたのだが。

 獣人たちが奪い合うように、冷凍食品に群がり、またたくまに消えた。


 「助けて下さい、直孝さん。レジが間に合いません」


 映画館の売店は、お祖父ちゃんとマユタナさんの手を借りている。

 助けを求めたのは、ラグマべだ。

 僕は、運転を1人でして、ナマケモノのグターニを、コンビニに向かわせた。

 グターニは、レジ打ちの研修中だ。


 「グターニ、ラグマべからの要請だ。コンビニのレジを頼む」


 「だけど、大丈夫ですか、旦那。聞いていた以上に、わがままな老人ですよ」


 「後3人、往復するだけだ問題ない。3回往復したら、僕も、応援にはいる」


 「あまり慣れてないので、急いてきてくださいね」


 「ゆっくり、急ぐよ」


 直孝は、二組をいっぺんに運ぼうとしたが、拒否された。

 売店でも、獣人たちが甘えて。

 一組なのに、何人も乗り込んできた。


 「8人乗りですよ」


 「硬いこと言うな、ここは異世界だ」


 獣人たちは、老害に気に入られる為に、11人乗り込んだ。

 冷暖房に屋根があり、地球の食事を与えてくれる。

 部屋住みと、無しではすごい差が付いた。


 冷蔵庫には、先に常備してあった食材がある。

 本人の好物で、無くてはならないものだ。


 キャビアやフォアグラは勿論、大事なワインも、冷蔵庫物は、持ち出し厳禁となっている。

 取り出しを防ぐために、納豆やくさやを置き、様子を見る老害もいる。


 極めつけは、シュールストレミングを、罠に使う老害もいた。


 普通に、家具は付いていたが。気に入られないと、外に捨てられて。

 好みの調度品が、地球から届いた。

 だが、皆が、欲しがったのは、冷凍庫だ。


 冷凍食品だけで、中型トラック分を、1週間で消費する。


 「この、大きな冷凍庫の物は、食べても良いんですよね」


 「その冷凍庫の中身は、北条くんのサービスらしい。みんなで分けて下さい」


 「ヤッター、ビザに、チャーパンを取ります」

 「私は、餃子と小籠包とアイス」

 「迷うな〜、大きなピザを1枚貰います」


 老害は、自分用と自由に使える冷凍庫に分けた。

 だが、獣人たちは、女性だけで80人近くいる。

 80人分の食費を、老害たちが出している。


 想定外は、与田さんだけだ。

 畑をしながら、ピーピングラビットと言う、臆病なウサギを飼い、繁殖に成功させて。

 米を作ろうとしたら、マカすっぽんが、苗を食べに集まって、田んぼを囲うと、繁殖した。


 そんな時に、与田さんに呼ばれた。

 水源は、川に水車を置いて、電源も確保していた。

 畑の隅に、シャワー室を設けて、畑の土を落としていた。


 「直孝くん。コンビニのシャンプーが高いから。業務用を取り寄せて貰えないか」


 マモーヌも、裸になり。与田さんの体を洗っている。

 僕と、2人の間には、衝立が1枚有るだけだった。

 僕が、目を背けると。


 「なんだ、若いの」


 与田さんは、ついたてを外し。マモーヌも、隠す素振りを見せなかった。

 夜は、酒池肉林らしい。


 「あっ、もう。また、すっぽんを殺したの」

 与田さんの下半身は、現役だった。


 違う。与田さんだけでは無い。

 与田さんのすっぽんとエルフの回復役で、皆若返っている。

 毎晩しても、元気らしい。

読んでいただき、有難うございます。

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