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異世界タウン take2  作者: 愛加 あかり
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異世界100インチシアター

僕は、3人を異世界に戻した。

僕は、マロウを助ける為。大人しく捕まった。事にしておこう。



 僕は、直ぐに3人を異世界へ返した。


 スーリピ達は、マロウが消えた後。

 配信中止のテロップを出して、非常食を出した。

 緊急事態に備えての事だったが、3ヶ月で終演を迎えるとは、思っても見なかった。


 僕が気付いた時には、マロウが消えて2日経っていた。


 家の前には、派手なシャツを着た、強面の男が居て、僕に話しかけてきた。


 「マロウちゃんを、預かっている。騒ぎを起こすと、マロウちゃんを消すぞ」


 僕は、派手な男を無視して家へ向かった。

 玄関の戸をカギで開けて、急いで家に入ると、三人を探した。


 「スーリピ、ホールス、パムサ。無事か」


 3人は、お祖父ちゃん家の奥で、見張りをしながら、怯えて暮らしていた。


 「マロウが、突然消えた。何も言わずに、消えた」


 マロウが、一番冷静だった為に、3人は怯えて。

 ホールスが、マロウの心配をしている。


 「夜になったら、1人ずつ異世界へ返す。マロウ探しはそれからだ」


 僕は、地球に何をしに戻ったかさえ忘れて、三人に休むよう働きかけた。


 夜になり、軽トラに1人ずつ乗せて、異世界へと運んだ。

 最初に、スーリピを乗せて。派手な男の前で、軽トラごと消えた。


 異世界に着くと、急いでハルルの集落まで行き、スーリピと別れた。


 次に、軽トラをお祖父ちゃんの畑に止めて、家の裏へ向かった。

 逃走用のハシゴを使い、家の塀を乗り越えて。勝手口から家に入った。


 次は、ホールスだが。大きなリュックを担いでいる。


 「直ぐに、異世界へ届けるから。今回はあきらめてくれ」


 「直ぐって、いつですか。明日ですか、明後日ですか」

 ホールスにとっては、死活問題になっている。

 大きな胸を支えるのに必要な物であり、無くてはならない物になっていた。


 『干し芋のリストで集めた、下着類だ』


 3ヶ月で凄い量が集まっている。

 可愛い、セクシー、面白い、自分のサイズをポチポチしていて、皆が頑張ってくれた。

 少しキツイモノも、緩いモノも、誰かが着けれると信じて、全てをリュックにしまい込んでいた。


 漫画のようなリュックに、パンパンに詰まっていて、重い。

 コレを担ごうとした、ホールスが怖い。


 僕は、手ぶらになるように言い聞かせて、今着けているモノだけで我慢させ。

 裏から畑へと向かった。


 あんな重たい物を担ごうとした割には、歩みが遅く。僕よりも、体力が無さそうだ。

 塀を登るのも、胸が邪魔をしていて、ハシゴの先を胸で挟み。塀の上で、ハシゴを浮かせ手見せて。


 何故か、お約束のように、ハシゴの最後の1段でコケるホールス。


 「あ痛た。滑っちゃった」


 トラクター並みのスピードで、オッパイが弾む。走ると、左右で違う動きをする。疲れると、両手を膝に付き、肩で呼吸をしながら、艶めかしい息を吐き、胸の谷間で攻撃をしてくる。


 「お願い、待って。もう少し、待って。直ぐに、行くから……」


 僕は、獣人に興味を示していない。

 反応すらしない。EDなのかと、思ったこことある。

 だが、ホールスのタレた胸には、興味を示した。

 今は、緊急事態で皆殺されるかもしれない。


 ホールスに、草葉の陰に隠れるように頼み。

 軽トラを回した。

 その後、軽トラでホールスを回収して、異世界へと跳んだ。


 最後に、パムサを連れて逃げた。

 違う、パムサが僕を背負い、軽トラまで走った。

 一度、畑まで歩いているので、残り香が付いていて、「夜目の効く私には、問題ない」と言った。


 僕は、この年で。しかも女性におぶられたことは無く。初めての体験をした。


 『すごく獣臭い。鼻が曲がりそうだ。軽トラを、もう一度、洗車しよう』


 ハルルに付き。パムサを異世界の家に置いた。


 その時に思い出した。地球に何しに行ったか。

 レンタルビデオだ。


 僕は、異世界で映画館を作っていたのだ。

 天井にプロジェクターを吊るし。適当にスピーカーを7台置いて、パイプ椅子を30席用意した。

 外への非常通路と、反対側に2箇所の扉を用意した。


 40Fコンテナの3つ分を、劇場に当てて。一つを売店にした。


 電源は、水力発電を使い。近くの川から、問題なく供給されている。

 売店に、お祖父ちゃんを立たせて、モギリの仕事を与える予定だ。


 一番異世界を馬鹿にしたのが、トイレットペーパーだ。


 紙が無く、羊皮紙の文明時代に、トイレットペーパーを異世界へ持ち込んだ。 


 それだけでは無い。


 僕は、110円で映画を2週間レンタルをして、異世界で上映した。

 著作権無し、放映権無し、入れ替え有り、銀貨1枚で映画1本見せた。


 最後は、入り口に焼き芋機を置いた。

 日本が誇る、焼くだけスイーツ。


 ブリーナに渡した、トースターを3台並べて、焼き芋は、お祖父ちゃんが管理して。

 アルミホイールに巻かれた、サツマイモをお好みで焼く。

 ショットコーンのソースをかけたら、甘さが倍増した。


 これは、二つ星レストランのシェフから、レシピを教わったソースだ。

 ハルルベリーのソースほどでは無いが、焼き芋と合うソースだと、食通を唸らせている。


 ハルルベリーの他に、ショットコーンも流通させた。

 ハルルベリーが、一つ一万円で。ショットコーンは、千円で販売している。


 ハルルベリーは、量産しても腐らすので、生産量は少ない。

 砂糖も貴重なので、ジャムも少なかったが。


 救世主が現れる。エルフ達だ。

 彼らは、植物魔法を使い。ハルルベリーの成長を促進させて、年中採れるように生産性を上げた。


 それでも、週に3つしか取れない。品質には、問題ないと言う。

 全部、レストランへ回した。


 僕は、お祖父ちゃんの通帳を戻すために、大量のショットコーンを輸出した。

 ハルルの特産品で、小麦とコーンを混ぜて焼いた物を主食として食べている。

 その分安く手に入り、一つ千円の破格が付いている。

 長く愛される為に、週2で100本程の朝摘みを、速達便で流した。


 「僕が、マロウを助ける為の交渉をしてくるから、待っていて下さい」


 僕は、そう言って、軽トラに乗り込み、地球へと向かった。


 朝方になり、昨日とは別な奴が、見張りに立っていた。

 僕は、ガラの悪い奴に、付いて行った。


 「田舎は、食事に困ったよ。国道に出ても食べるところが無い。有っても、口に合わ無い」


 「そうだ。不味かったな、あのチンケなラーメン屋な」


 「1時間遠出して、見つけたのがラーメン屋。空腹は、最高のスパイスと言うが、アレは口に合わなかったな」


 ガラの悪い2人は、僕をよそに。他愛のない話をしながら、関東へ車を走らせた。

読んでいただき、有難うございます。

やっと異世界に映画館を作りました。

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