第4話 少女
「もう、仕事はしない。そう約束したはずだぞ」
丁度降り始めた雨から逃れる様にアレンのパトカーに乗り込んだ。
アレンの落ち着いた声が車内に響く。
バックミラー越しに、濡れた服のまま後部座席に座る僕を見つめる眼差しには、叱責というよりも深い憂慮が感じられた。
それでも僕は答えず、ただ窓の外に視線を逃がす。
降り始めた雨が車の窓を濡らし、流れる景色に無数の水滴が絡み合う。その水滴たちはまるでレースをしているかのように競い合い、僕の依頼に対する焦燥した心をほんの少しだけ沈めてくれていた。
「なにも言わない、聞かない。そんな様子を見せるってことはまた、約束を破ったんだな……」
アレンは彼が薔薇の傭兵に所属していることを知る、数少ない一人であった。
8歳の少年。いや、まだ子供といった方が正確だろう。
その子を初めて目にした瞬間、私は言葉を失った。
宝石バイヤーによる密輸ルートが判明したことで、大規模捜査がおこなわれた8年前のこと。
大陸南部の主要貿易拠点倉庫の薄暗い光の中――宝石を手に取る彼の手は小さく、痩せこけ、無数の傷が刻まれていた。
古びた服にはあちこちが破れていて、何度も洗われた所為か色褪せているようだった。
だが、何より衝撃的だったのは、そんな子供の瞳だ。
疲れ果て、どこか諦めきったような虚ろな眼差し――
それは私が警察官となって初めて見たモノであった。どんな犯罪者にもその絶望の色は宿っていなかった。
少年を取り押さえた同僚たちが事務的に手続きを進める中、私はただ彼を見ていた。
8歳……!
まだ小学校で友達と笑い合い、壮大で荒唐無稽な未来の夢を語っている年齢のはずだ!
なのに、どうしてそんな子供がこんな現実に晒されているのか。
後に厚生施設へ連行された彼と面談室で対面した時、私はすぐに悟った。
彼がこの道を選んだのは理由、それは――
『生きるため』
それだけだった。
「名前は?」
「……………………」
少年は何も答えなかった。
ソレは答えられなかったのか、それとも答えたくなかったのか――警察になった時から私の勘はよかった。
恐らく彼の場合は両方なのだろう。
名乗る名前がない、名乗る名前さえあれば少年は語るだろう。
私は少年の背景をすぐに調べた。大陸保険省、各地区の住民課や警察資料を隈なく調べた。すると、案の定だった。
出生届も出されず、両親の情報もないのであれば彼は法的に存在していないということとなる。彼がこれまで生きていたという痕跡は何一つ資料には残されていなかったのだ。
彼は犯罪によって我々に発見されたことで、ようやくこの世界にその存在の証明がおこなわれたのだ。
その夜、どうしても眠れなかった。
東大陸は他の大陸と比べて経済も治安も良好だとされる。
だが、ソレは表向きの話だ。13年前の『ハルベイド事件』以降、この大陸は確かに繁栄を取り戻したかに見える。しかし、その陰で弱者や孤児たちは置き去りにされてきた。
彼らがどう生きているかなんて、誰も気にしてはいない。
再び私は彼のもとへ出向いた。
久しぶりに会ったというのに彼は私のことを覚えていた――いや、あの時彼を保護したのは私であるから当然のことであろうか。
施設を何度も脱走しようとして厳重な監視設備に移動したことは聞いていたが、私には目の前の子供がそんなことをおこなう体力があるようには見えなかった。
「キミはこれから、どうするつもりなんだい?」
やはり返事はなかった。
初めて出会ったときと今も変わらない。ただ小さく縮こまり、声すら発しない。
その姿に私は苛立ちではなく、彼に何もすることのできない己の無力感に苛まれた。
しかし、ソレで終わらせるわけにはいかなかった。このままでは彼は再び闇に消えるのだろう。
たとえ小さくとも、たとえ一つだけでもいい。
彼に「生きる理由」をみつけてやらなければいけない――そう、私は心の底から思った。
「ソラ――キミは今日からその名前で生きるんだ」
ソレは突如、頭に浮かんだ思い付きで言った名前であったが、それでもその名前には強い願いが込められていた。
どこまでも自由に、誰にも縛られず、自分の未来を自分の足で歩んで欲しい――そんな祈りである。
突然の宣告に彼は驚いたように顔を上げた。
大きく見開かれた瞳がまっすぐ私を捉え、そこには微かな戸惑いと言葉にならない期待が入り混じっているのが分かった。
この厚生施設で彼の存在は問題の代名詞だった。
名前がない。話さない。人と関われない。何度も脱走を試みては、冷たい規律に打ちのめされる日々――
そんな彼に社会は何も与えず、ただ見放していった。
しかし、私はもう無関係ではいられないのだ。
彼を闇の中から見つけたのは私だ。あの場で、宝石を手にしていたあの小さな背中をこの手で捕らえた。
見つけてしまった責任がある。この子をただの問題児としては終わらせてしまったら、ソレは私の罪となる。
彼を普通の子供として生きさせるには、まず何か一つでもそこへ近づける必要があった。
名前を持つということ――ソレは社会の中で認められる第一歩であり、自らを名乗るということで人は初めて誰かとの繋がりが生まれる。
「ソラ――名前を持つということは、誰かにとって特別な存在であるという証だよ」
その言葉が、彼の運命を変えたとは思っていない。
たぶん私は、ただ自己満足に浸っていただけなのだろう。
未だに彼を影の道から救い出せていない私は、結局のところ何も変えられない無力なままである。
それでも――
私は、あのとき確かに彼の新しい人生の始まりに立ち会ったと思っている。
ソレはほんの一瞬で、何の保証もない儚い希望であったかもしれない。だが、私は今でもあの瞬間を誇りに思っている。
「…………私は何も見ていない」
独り言のように呟いたその言葉に、後部座席の少年は何も反応を示さなかった。
バックミラー越しにソラの姿を確認するも、その瞳は遠くを見つめたまま何も映していないようだった。
やがて車内に残されたのは、フロントガラスをなぞるワイパーの規則正しいリズムだけが残される。
アレンの運転はまさに教科書通りの正確性だった。無駄な加速も急ブレーキもない、滑らかに進むパトカーの動きは道路に対して穏やかな川を流れる様に静かだ。
アスファルトに響く音さえ心地よく、車内には穏やかな振動が伝わってきてソラの精神を安らげる。
子供をあやすような配慮を感じさせる運転だ。
「うん、分かってる……」
何度も聞いた言葉で何度も返した言葉である。
雨に濡れた窓ガラス越しの景色をぼんやり眺め、生返事を返すだけだった。
信頼する数少ない大人のアレンに対し恩もある、彼の言うことは極力従おうと心掛けるソラであったが属する組織、ソラの生きる世界はそう簡単に彼を普通の学生が営む普通の生活というモノに返そうとはしなかった。
「学校はどうなんだ?」
「うん、遅刻はするけど……」
「まずは第一歩だな」
ミラーに映るアレンが笑みを浮かべる。
大陸南部地域の遺伝子を濃く受け継ぐ褐色の肌の男は、その大きな手でハンドルを回すことによって僕の体はゆっくりと傾き始めた。
「友達はできたのか?」
「みんなが僕の成績が良いことに気がつき始めた」
「それで頼られるって?」
「うん」
「いい居場所ができたじゃないか」
「うん」
「成長したな」
「…………うん」
まるで親子の会話である。
ミラーで僕を確認する彼の表情は終始穏やかで、どこか自分の子供のように喜んでいるように感じられた。
安堵に包まれたのか、意識は緩やかに自己と外界の境界を解いていった。
いつもなら足元に絡みつく底知れぬ沼のような感触はなく、代わりにそこは微光が揺れる透き通った海底。澄み切った水に身を浸しながら、僕は浮力を失った葉のように沈んでいく。
抗わず、ただ導かれるまま頭上の光を見上げながら落ちていくこの感覚は、指輪や友人の力を借りずに到達できたのは実に稀なことだった。
だが、心の奥底――精神の最深層。
そこは、光の一切が届かぬ深海。時間も音も沈黙する、世界から隔絶された「内なる領域」。
その沈黙の中、一つの言葉が黒の幕を裂くように現れた。
デリン・ラ・ラナグウェイ(天使は傍にいる)
突如、金属と金属が軋み合うような脳の芯を貫く異音が炸裂する。
頭蓋の内側に鋭く突き立つその音に、背筋が凍り、皮膚が総毛立つ。
穏やかであった心は、凶刃を突きつけられたときのような切迫した焦燥で引き裂かれる。
誰だ――誰が、僕の内に入り込んだ!
誰だ僕を呼ぶ者は!!
外部から干渉された精神世界。それは単なる侵入ではない。
それは、誰にも触れさせぬはずの秘密に指を差し入れられる行為――人が内に仕舞い込む、誰にも暴かれてはならぬ静謐を破られること。
秘密とは外に晒された瞬間、それがもはや秘密ではなくなるという絶対的な原理の上にあるもの。
だからこそ、覗かれた瞬間に本能は叫ぶ。
不快だと、恐ろしいと、赦されざる侵犯であると。
「…………!」
「どうしたソラ?まだ着かないから休んでいていいんだぞ」
運転席からの声が届いたが、ソラは応じることができなかった。
それは言葉にならない違和だ。
街にはいつも通りの喧騒が存在し、車窓の向こうでは高層ビルの影が移ろい買い物袋を手にする人々が笑みを浮かべながらすれ違っていく。
しかし、その雑踏に紛れてひとつだけ異質な熱を持つ視線――いや、感情の残響のようなものが確かに存在した。
ソラは人の心の揺らぎに対し、極端に敏感であった。それは才能ではなく、もはや生まれつきの障壁。
普通の人が気にも留めない無意識の波が、彼にとっては音に、匂いに、時に痛みにすらなる。
誰かがいた。
この雑多な都市の海の中で、たったひとつだけ――自分の心の奥底へと指先を伸ばした者が。
視線は交わっていない。
けれど、確かに目が合ったと錯覚するほどに深く触れられた。
「ソラ……本当に大丈夫か?顔色が悪いぞ」
心臓が急速に熱を持ち始め、鼓動は不規則に跳ねる。酸素が足りない、呼吸が上手くいかず肺が縮こまった。
胸の奥を刺す感覚を振り払うように、ソラは身を縮めシートに背を預けるしかなかった。
「……探せ。どこにいる……僕を見る者だ」
振り払う痛みの中に繋がる糸を手繰り続ける。
必ず繋がっている――繋がった糸というのは簡単に切れるモノではない。
「ごめんアレンさん、ここで止めて!」
「なっ!?」
咄嗟の叫びに動揺したアレンは珍しく急ブレーキをかけ、停車したパトカーから飛び出したソラは雨の中で無我夢中に走り始めた。
目的地は?何のために?
自らを問い詰める内なる声を振り切り、滑るような足取りのままただ無我夢中に駆け続ける。
行き交うサラリーマン、路傍で獲物を待つ客引き、宛てどころのない浮浪者、部活帰りの学生、夜の帳が降りる前から酔い潰れる者たち――彼らすべて、混沌とした都市という構造物を形づくる、歪ながらも欠かせぬパーツであった。
だが、彼女だけは違っていた。
世界から弾き出され、誰の意識にも爪痕を残せぬ存在。
その少女は、ずぶ濡れのまま交差点の真ん中に佇み虚空を仰ぎ見ていた。
存在が認識されないとは、すなわち「この世界にいない」と同義だ。
世界はまるで忌避するように、彼女の輪郭を曖昧に切り取った。車の流れは自然と彼女を避け、誰一人として彼女に気がつく者はいない。クラクションの音さえ、彼女を前にしてはその存在意義を忘れたかのように鳴ることはなかった。
白銀の髪を持つ少女が、静かにこちらへと視線を投じた。
その眼差しには熱も冷たさも宿さず、ただ一片の風紋のような揺らぎすらない。
色素を失い透けるような肌、その腕は不自然なほどに細く光に晒された標本のようであった。少女はその細い腕を上げ、痩せた指先で確かに僕を指し示す。
そしてかすかに唇を動かす――声は発されぬまま、言葉は空気に触れることなくただ概念として僕の脳に直接注ぎ込まれる。
―デリン・ラ・ラナグウェイ(天使は傍にいる)
その意味を噛み砕く間もなく、少女の瞼が唐突に開かれる。
刹那、何かが――風とも呼べぬ速度と質量を伴った「何か」が、僕のすぐ傍を駆け抜けた。巻き起こる突風が衣服を煽り、頬を打ち、耳の奥で甲高い音が弾ける。だが、その暴風のただ中にいてなお、他の人々は微動だにしない。
まるで時が歯車を忘れたかのように、往来の群衆は寸分も動かずその身を凍てつかせていた。
目の前に立つ男の肩にそっと手を添えてみる。
硬い――異様なまでに。
肌ではなく、まる鋳鉄の表面を撫でるような冷たさと鈍重さが掌に伝わってくる。
世界の音が消えた。
風の軌跡だけが、僕と彼女の間に残されていた。
「キミがやったのか……キミは何者だ!」
音も時も忘れ去れた世界に、僕の声だけがかすかに響いた。
空は灰色に凍りつき、風は軌跡を残したまま凪いでいる。降り続くはずの雨は空中に点在し、まるでガラス細工のように静止していた。
その世界で僕と少女だけが動いている。
呼吸を呑むような沈黙。
僕の問いかけに、少女は唇一つ動かさない。氷のように冷たく、壊れやすそうな存在――答えは風よりも遅れてやってきた。
「キミが僕を呼んだ」
問う僕の言葉に、今度は少女の唇が微かに震える。
その声音は水底に沈む泡のように淡く、小さく、そして確かだった。
「……そう」
指先を雨粒に伸ばしながら、彼女はようやく言葉を紡いだ。
動かぬ水滴は、彼女の指先に触れても微動だにしない。時間の外に置かれているのだ。
写真の中で見たとおり――いや、それ以上に彼女は華奢で儚い存在であった。
その瞳には何も映ってはいない。
希望も、未来も、目の前の僕さえも。
やっと僕は気づいた。
なぜ、誰も彼女を見つけられなかったのか――その答えはあまりにも明白だった。
やはり彼女はこの世界に認識されていなかった。
「人は私を知らない。……ソレは貴方も同じこと」
その言葉にソラは一瞬息を呑んだ。
胸の奥に冷たいモノが染み込むような――言葉の重みである。
「けれど、貴方の近くが私を捉えたその瞬間――私という存在は観測の座に据えられた。
世界とは観測されたモノを排斥できぬ構造である。ゆえに、世界もまた私の存在を否定し続けることはできなくなった」
少女の口から紡がれる言葉は、どこか哲学的で禅問答めいた抽象に満ちていた。
それは心理の断片のようでもあり、理解を拒む迷宮。
僕が探していた少女はただの人間ではない――その直感が、言葉の端々から確信へと変わっていく。
ソラは口を開こうとした。だが、喉元で言葉が霧散する。
この状況でどの問いが正しく、どの応答が許されるのかすら見失っていた。
正直、自分が何を知り、何を知り得ないのか。そんな境界すら曖昧になっている。
まるで世界そのものの仕組み――深層構造までもを熟知しているかのように淡々と語る少女。
声は静謐でありながら、揺るぎない説得力。それは数千年を超えて記憶を積み重ねた賢者の語り口。人知を超えた時間を歩んだ者がもつ、決定的な深みがあった。
それゆえに、疑問が生まれる。
そう、彼女は人間なのだろうか?
もしも彼女が自らを“上位存在”だと名乗ったとして、僕は迷うことなくそれを受け入れるだろう。
それほどに彼女の存在はこの現実の理論から逸脱している。
力を持った人間が生まれる時代であってもだ――
確かに天使は傍にいたようだ。
あの不可思議なフレーズに彼女の姿を重ねた、その刹那。
雷鳴に似た衝撃が脳内を突き抜ける――それは単なる痛みではない。
脳全体に走る鋭利な電流。その表層に纏わりつく不快極まりない金属音、硬質な針で意識を掻き乱されるような眩暈と喉の奥を締め上げるような吐き気。
思わず額に手をやるも、痛みは近くを得たかのように増幅し容赦なく僕を襲う。
視界が歪み、光は屈折しながら世界の輪郭を崩していく。
風景は水面のように揺らぎ、色彩さえ不安定に脈動する。そのただ中で、唯一変わらぬ存在があった――少女だ。
彼女だけは、破門に呑まれず凪いだ湖のように澄明なまま立っていた。
「くそっ……」
上下が引き裂かれるような眩暈に襲われ、思わず呻きが漏れる。
だが、その声すら自分自身から遠ざかったもののように思えた。肉体が自らの意志から乖離していく――世界との接点を失い、崩壊しつつあるかのような感覚だった。
そのとき、少女の声がゆっくりと降りてくる。
「…………どうやら、私を見つけたようだな」
「……見つけた?」
問い返す声も擦れて、空に溶けていく。
「身構えるんだ――来る。私を捕まえる“悪魔”が」
《エルフィノ》
赤い瞳と蛇のように縦に細く割れた瞳孔、そして尖った耳を特徴とする人種。
その外見的な異質さから、古来『悪魔の末裔』とも呼ばれ長い歴史の中で偏見と差別の対象とされてきた。
特に彼らが生まれながらに持つとされる“異能”と呼ばれる力は、社会において強い警戒心を招いている。この力は個体ごとに性質が異なり、人や物に干渉する力、己の身体を強化する力、或いは力そのものと同化するようなモノまで多岐にわたる。
一部の研究では、異能の強さは血の純度に比例するともされていて純血に近い個体ほど強大な力を持つ反面、その制御が難しくなる傾向があるとされている。
こうした能力を理由にエルフィノたちは社会から恐れられ、時に不当な扱いを受けてきた。過去に異能の暴走事故や犯罪への悪用が発生した際には、加害者個人だけではなくエルフィノ全体が非難されることも多く、根強い集団的偏見の温床となっている。
差別の背景には、異能そのものへの恐れだけではなく「人間とは異なる存在」への漠然とした不安があると考えられている。
対策として、大陸政府はエルフィノの新生児に対し"輪"と呼ばれる特殊装置の装着を義務付けた。この輪は位置情報の追跡機能に加え、異能の使用を感知すると自動で作動し装着者に死なない程度の電流を与え無力化するという制御機構を備えている。
これにより、異能の発動を強制的に抑える仕組みが制度化されているが、非人道的との批判も根強い。
一方で、エルフィノの能力を肯定的に活用する動きも存在する。
大陸の一部地域では、治安維持や特別任務のために彼らの異能を利用する組織が設立され、能力を公的に役立てる枠組みも整えられてきた。
こうした環境において、エルフィノは「危険視される存在」であると同時に「必要とされる戦力」として矛盾を孕んだ立場に置かれている。