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【絶賛発売中!】僕は七度目の人生で、怪物姫を手に入れた(web版)【コミカライズ連載中!】  作者: サンボン
最終部 僕は七度目の人生で、怪物姫との幸せを手に入れた
221/241

頼もしき仲間

「僕は七度目の人生で、怪物姫を手に入れた」の発売まで、あと5日!


7月20日発売ですので、どうぞよろしくお願いします!


▽特設サイト▽

https://fantasiabunko.jp/special/202207seventhtime/


書籍の帯には重大発表あり!

お見逃しなく!

「駄目じゃ! ……と言っても、聞かんのじゃろうなあ……」


 皇都の屋敷に戻り、僕とメルザは大公殿下に例の転移魔法陣について報告した。

 併せて、その転移魔法陣を使って転移することも。


「ハア……やれやれ、婿殿にもメルにも困ったモンじゃわい……」

「大公殿下、では……」

「ただし、あの地下洞窟の一件もあるんじゃ。お主達二人だけというわけにはいかん。この私とモニカ、できればアビゲイルも一緒じゃ」

「! は、はい!」

「お爺様、ありがとうございます!」


 そう言って相好を崩す大公殿下に、僕は勢いよく立ち上がって深々と頭を下げ、メルザは大公殿下の胸へと飛び込んだ。


「こんな時だけメルザは、私を抱きしめてくれるのう!」

「あら、お嫌でしたか?」

「はっは! まさか!」


 おどけるメルザに、大公殿下は目を細めながらその黒髪を撫でた。


「では早速、モニカ教授とアビゲイルに話をしてきます」

「あ! ヒュー、私も行きます!」


 そう言うと、メルザは大公殿下を押しやって僕の腕に抱きついた。


「トホホ……あっという間にメルが離れてしもうたわい……」

「あ、あはは……」


 肩を落とす大公殿下を見て、僕は思わず苦笑する。

 メルザはといえば、嬉しそうに僕の顔を覗き込んでいた。


「では、行ってきます」

「行ってきます、お爺様」


 そして僕達はまず皇立学院へと向かい、モニカ教授のいる教務室を訪れた。


「ん? 二人共、どうしたんだ?」

「はい、実はモニカ教授にお願いしたいことがありまして……」

「?」


 例の転移魔法陣について、僕は自身の考察も含めて説明した。


「……転移した先、か……」

「はい。そこに、サウセイル教授の目的があるんじゃないかと」


 モニカ教授はジッと床を見据えながら、深く考え込んでいる。


「……なら、あいつの親友(・・)である私が、行かないわけにはいかない」


 絞り出すような声で、モニカ教授がそう告げた。

 モニカ教授……あなたは今も、サウセイル教授を大切に想っているのですね……。


「ありがとうございます。では、一緒に行って確かめましょう。サウセイル教授の目的……いえ、想い(・・)のその先を」

「ああ……」


 モニカ教授は唇を噛みしめ、力強く頷いた。


「では、僕達はこれで失礼します」

「ああ。私も準備ができ次第、大公家へ向かう」


 モニカ教授と別れ、今度は大通りへと向かう。


「さあ、どうぞ」

「ふふ、ありがとうございます」


 アビゲイルの店の前に到着し、僕は日傘を持ちながらメルザを馬車から降ろす。

 今はまだ日中、メルザの白く綺麗な肌を陽射しで傷つけるわけにはいかないからね。


「いらっしゃいませ……ですが、できれば徒歩で来店をお願いしたいんですけど」


 店の外まで出てきて出迎えてくれたアビゲイルが、ジト目で僕を睨んだ。

 暗殺者のアジトに馬車で来たら、目立って仕方ないのは分かってるんだけどね……。


「すいません、少し急ぎの依頼(・・)でしたので」

「……では中へ」


 アビゲイルに案内され、いつもの奥の部屋へと通された。


「それで、依頼(・・)というのは?」

「はい。この皇都北部にあるアイシス川で、転移魔法陣が発見されました」

「転移魔法陣、ですか……?」


 おずおずと聞き返すアビゲイルに、僕は頷く。


「それで僕達は、その転移魔法陣は皇都の地下洞窟と関連がある……つまり、地下洞窟の形をした転移魔法陣と、転移先が同じなのではないかと考えているんです」

「なるほど……」

「ついては、アビゲイルさんにも僕達と一緒に来てほしいのですが……」


 そう言うや否や。


「あは♪ 初代(・・)アビゲイルとも関係しそうだし、当然行くわ♪」

「ありがとうございます」


 ニタア、と口の端を吊り上げるアビゲイルに、僕は頭を下げた。


「では、僕達と一緒に屋敷へ向かいますか?」

「ええ♪」


 ということで、アビゲイルは早々に店じまいをすると、僕達と一緒に馬車に乗って屋敷へと戻った。


「おお、二人共戻ったか」

「はい。モニカ教授は、準備が整い次第この屋敷へ来るそうです」

「うむ。なら、モニカが来たら私達もその転移魔法陣のある場所へ向かうとするかの」

「「はい」」


 それから、待つこと一時間。


「すまない、少し遅くなった」


 “赤い死神”の代名詞である大剣グレートウォールを背負い、甲冑を身にまとったモニカ教授が屋敷へとやって来た。


 その瞳に、並々ならぬ覚悟を(たた)えて。


「では、行きましょう」


 そして僕達五人は、転移魔法陣のあるアイシス川へ向け、馬車を走らせた。

お読みいただき、ありがとうございました!


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