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(この間は3ページ目には何も書いてなかったよな・・・)
京静は3ページ目に目を通す。
「第3期より。山の火口から大量の岩石が降り注いできた。涅色の煙、岩しょうが火口から流れ出ている。周りは一瞬にして、煙に覆われた。自分がどこにいるかさえ分からない。周りは悲鳴しか聞こえない。岩石の投石により、左腕切断。大量絶滅は避けられないと判断し、次の者に託す。」
(これって噴火のことだよな? でも、なんで噴火なんだ。1ページも2ページもこのページも書いてる内容が短すぎて全然話が見えてこない。)
「京静、ご飯よ。」
母の呼ぶ声。大方家の夕食は決まって6時である。リビングに来ると、父と母はいなかった。テーブルの上に置き手紙がある。
「今夜のご飯です。温めてね。」
(さっき呼んだばっかでなんでどっか行ってんだよ。)
一人で食べる京静。
「・・・」
「・・・」
「今、山の方で音がしたような」
そう思い、窓を開けて山の方をみる。目の前に岩石が落ちた。
「!?」
次の瞬間、黒い煙が辺りを覆う。
(何も見えない。とりあえずここから逃げなきゃ。)
恐らく家の前の道路に出たであろう京静は山の方向とは反対と思える方角に走った。が、その足は止まった。いや、止められた、岩石によって。自分の足を見る京静。そこには青紫色になったあり得ない方向に曲がった左足がある。白い棒も剝き出しになって見える。
(うわー!あ、あああ、ああ。な、なんなんだ、これ。どうなっている。)
それから間もなくのこと、頭から腰に掛けて何かに押しつぶされた感覚を感じた。
「京静、ご飯だって言ってるでしょ! 返事くらいしなさい!」
少し怒った母が京静の部屋のドアを開けて言った。時計を見ると6時18分だった。
「泣いてたの? 顔がくしゃくしゃよ。」
そう言って母は下へ下りた。京静も後に続く。
その後は何も無かったかのように翌朝を迎えた。
(そういえば、あの本を貰ってから変な夢ばかり見るようになったよな。なんか書いてあることと似たようなことばかり起こってる気がする。夢はその日の印象深い出来ことを見やすいっていうけど、そんなに印象に残ったかな。まあ、忘れらないような内容ではあるけど、それを印象深いって言うのか。)
そうしてすぐに起きた京静。また、おもむろに『15の知恵の書』を開いた。
(やっぱり・・・)
そこにあったのは昨日までは無かった4ページ目である。
(あの図書館に行って確かめよう。)