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「がぶっ!!」
石を振り下ろし人を殺した後、突然脳内にアナウンスが響いた。
―《異類異形》を解放しました―
―《自己韜晦》による能力制限を解除―
―能力値が上昇しました―
―《寵愛への試練》を達成―
―能力値が上昇しました―
―《最高上位存在“#%;&@”の寵愛》を入手―
―能力値が上昇しました―
―試練達成報酬より魂へ生存能力を刻み込みます―
―これによりこの個体の生存能力への干渉は最高
上位存在でも行えません。
―同時に記憶の修復を行います―
「ぁがっっっ!!!!」
尋常じゃない痛さが頭を襲い僕はそのまま意識を失った。
“人を殺してみたい”
そう思い始めたのは中学1年生ぐらいからだ。
その頃は丁度ラノベにはまり始めていたので影響されているか厨二病の発症だろうと考えていて、中学二年生の時もふとした時に考えるぐらいだったのでその内なくなるだろうと何も疑問を持たなかった。
だが高校1年生になりしばらくした時、息をするように、目についた人を殺す想像をするようになっていた。教師からクラスメイト、友達や家族でも想像していた。
高校二年生になったときはより一層ひどくなり、もう何の疑問も持たなくなっていた。
行動に起こせば僕の人生は終了となってしまうと分かっているから平穏に潜みながら生きてきた。
たまにニュースに殺人事件のことが流れてくるが、それを見ながら、捕まらなければ自分も殺るんだけどな~、と思っていた。
そんな時だった、彼女と合ったのは。
友達3人と弟とで勉強会をしていたときだった。座っている床が光リはじめ、気づけば目の前に中身の無い笑みをした彼女がいた。
まあ、いわゆる異世界転移の序盤のシーン。
混乱している弟たちを置いて彼女は説明を始める。
何故僕達がここに来てこれからどこに行くのかある程度説明されると力を貰い送り出され、召喚主のところに行く。ただそれだけ。
だが僕だけがその空間に残った。
彼女は少し不思議そうにこちらをて直ぐに納得した顔をする。そしてこう言った。
―――あなたには試練を与えます。達成した場合、貴方が今心配している事を解消してあげましょう。
そう言うと僕の体を虹色の光が包みそのまま異世界に送り出された。