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帰って来た『スカーレット』のギルドハウス

「あー! ようやく帰って来れたー!!」


「本当にですね。 向こうにいる時間が長く感じましたよ」


「確かにな」


 アレックス帝国を離れ、リーベル公国領に戻ってすぐにセリア達『スチュワート』のメンバーと別れてさらに馬車を走り抜け、ようやくアルストの町に戻って来た『スカーレット』の一行。

 アルマは背伸びしながら到着を喜び、ルーデシアはホッと胸を撫でおろす。


「マスター。 僕達は帰ったらどうするんだっけ?」


「ここにいるみんなは、帰ったら暫くお休みだね。 アレックス帝国の介入依頼遂行より道中の移動の方が長かったし、途中の対処もあったしね」


「帰りは平和だったけどな。 魔物が出た以外は」


 アルストの町の門をくぐる前に、シルスがアルマに今後の事を聞くと、アルマを含めた馬車内の5人のメンバーは、暫くはお休みとなるそうだ。

 帝国への往復と帝国内でのギルド派との戦いなどで、内部的に疲労が溜まっているのがアルマには理解していたからだ。

 最もケリンが言うように、行きより帰りの方が魔物が出没した以外は概ね平和だったのだが、それでも溜まった疲労はすぐには抜けないのだ。


「そろそろ門に入るよ。 ギルドの中に馬車を停めるから、すぐに降りる準備をしてね」


「さて、リトやリリ、ユリアや子供たちは元気にしてるかなぁ」


「ケリンさん、完全に父親のソレですよ……」


 間もなく門をくぐるらしく、その後は馬車をそのままギルドの広場に停めるので、降りる準備をするようにとアルマからの指示が出た。

 ケリンは、同じ剣士のリトとリリ、そして孤児院の子供たちや赤ん坊のユリアを気に掛ける。

 だが、その様子がアイシアから見て、父親のような感じだったようで、呆れつつもツッコミを入れていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ただいまー」


「お帰り、アルマ、みんな」


「お疲れさん」


「お疲れ様です」


 馬車を停めて、ギルドハウスの中に入ると、リキュアやアレン、そしてエクレアがアルマ達を出迎えた。

 そこでケリンは早速自分達がいない間の事を聞いてみた。

 

「子供たちやリトとリリはどうだった?」


「子供たちはいつも通りに元気にしてますよ。 リト君とリリちゃんは剣士としての実力も上がってますし」


「そういえば、ユリアちゃんはケリンさんがいないと知って夜泣きしてましたね。 その際にリト君が添い寝することで落ち着きましたが」


「あちゃー……、夜泣きかぁ。 寂しかったんだね……」


「でも、リト君とリリちゃんの実力が上がったのはいい知らせじゃないですか?」


「そうだな」


 エクレアとリキュアが、アルマやケリン達が帝国に行っている間の事を話した。

 幸い子供たちはいつも通りに元気に過ごし、リトやリリは剣士としての実力が上がっているようだ。

 ただ、ケリンが居ないと知った赤ん坊のユリアは、夜によく泣くようになり、その度にリトが添い寝しているようだ。

 とはいえ、アイシアが言うように、双子のリトとリリが強くなっているのはいい収穫だろう。


「ともかくユリアに会っておかないとな。 今は大丈夫か?」


「はい。 レナが面倒見てますから」


「分かった」


「じゃあ、ボクとアイシアは他のみんなに声を掛けてくるね。 ルーデシアとシルス君はそのまま休んでね」


「ああ」


「「了解」」


「ケリンさん、こっちです」


 アルマの一声で、5人は一旦解散となり、ケリンはリキュアに案内される形で赤ん坊のユリアの元へ向かう。

 一応、ユリアからパパと呼ばれてるので、帰って来たよと安心させてやりたいのだろう。


「戻って来たぞ、レナ」


「あ、ケリンお兄さん、お帰りなさい」


「あーあー、ぱぁぱ、ぱぁぱー!」


「帰って来たよ、ユリアー」


「ふふ、微笑ましいですねぇ」


 赤ん坊の部屋でユリアの面倒を見ているレナが声を掛けると同時に、ユリアがケリンに手を伸ばした。

 それを受けとめ、そのままユリアを抱っこするケリンを見て、リキュアは微笑ましそうに見ているのだった。



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