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魔王「その剣、ちょーだい」

魔王「その剣、ちょーだい」10




私は、剣を。


彼女は長く、鋭く伸びた爪を。



私は、あの時、殺意を持って。


彼女は、きっと諦めをその手に。



神が齎した、暗黒を切り裂く聖なるつるぎと、


魔物達を統べし、絢爛けんらんたる象徴。



その二つが、漸く、在るべき瞬間を迎えた。



触れ合った刹那、その接地点を中心とし、大気の振動が凄まじいウネリを伴って、膨張し、弾けた。


その振動は周囲のあらゆる物体を破壊する。

そして、少し遅れて、轟音が辺りに鳴り響いた――




***********************************




「勇者様!!」



勇者の御伴人おともびととして、魔王城までの道のりを共に歩んだラタスクという名の少女が、大気の胎動の中心へ声を投げた。



「ラタスク!もう、我々に出来ることはない。早くこっちへ!」



同じ御伴人である、マーリンという名の老魔術師がラタスクへ呼びかける。

老呪術師は、二つの莫大な力がぶつかり合うのを見て、早々に命の危機を感じ取った。



マーリンはラタスクを抱きとめると、予め用意しておいた転送点となる呪術陣(*呪力をストックすることができる。複雑な呪文の組み合わせで構築される*)への、転送呪術を発動した。



(勇者よ……しっかりと役目を果たしてくれよ。お前は、母親とは違うはずだ――)



マーリンとラタスクは崩壊を続ける巨大な建造物の中から、退避した。











魔王「その剣、ちょーだい」10 ー終ー





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