魔王のお仕事 2
短めです。
次は、長めに時間もとって、書こうと思いますので。
広さは、小中学校なんかの体育館程度、頭上には煌めくシャンデリアが等間隔に並んでいる。
ここは魔王城。今転生が終わったばかりだ。
「まずは、どうしようか。」
そんなことは言いつつも、やることは決まっている。
今しがた死んだ元魔王を殺した、勇者を殺す。
理由は二つある。
一つは自分の脅威となるから。
当たり前だろう。魔王を殺したのだ、しかも永遠に。
まずはその剣を取り上げよう、そして隠してその勇者も殺そう。
元日本人が簡単に人を殺すのはどうかと自分でも思うが、まぁいい。自分は魔王なのだ。
勇者を殺すことで自分の力もわかるだろう。
二つ目は、今非常に腹が立っている。
俺は英雄になりたかったんだ!
魔王になれて、力もあるんだからいいじゃないかと思うかもしれないが、あいつが問題を起こしたせいで、今俺は人類の英雄ではなく、人類の厄災の象徴になっている。
だから死ね。
とりあえず、あの人殺し女神から聞いた、この世界の力と、自分の力を整理してみよう。
まずこの世界には、魔法が存在する。まあ魔王とか勇者がいるんだから、よくあるファンタジーの世界ということだろう。
身分とはまた別の、一人一人の力を1〜5で示したものを戦階級といいうらしい。
簡単に言うと通知表の成績と同じようなものだ。数が増えるほどに強いということになる。
自分や勇者などは5級を振り切っているらしい。
先程から気になっているが視界の中に色々とある。ゲームの世界のように。
左上にレベルと、HPと書かれたゲージ。右上にMPと書かれたゲージ。
右下に小さな四角いものがありそこに、指を合わせると、視界に大きく広がった。ステータスプレートと書かれている。
レベル 1
やっぱりそうだよな
攻撃力 99999
防御力 99999
MP 99999
魔王が本当の意味で殺されるのは、今までなかったらしく、しばらくは魔王の絶対的な力をこの世界に定着させたい。
と、いうことらしい。
いくらなんでも、強すぎじゃ
レベルの関係で、魔法やスキルは一つも使えないが、純粋な攻撃力や防御力はカンストさせてくれといるとのこと。
よくある異世界転生物なら主人公の俺tueeeだが、これは敵側の俺tueeeである。
思ったより、楽しいかもしれない。
そういえば言語については、女神の権限で無理やり合わせてくれているらしい。
おっと、そろそろ行かないと。勇者が帰ってしまう。
俺は、前に走り始めた。
早くも勇者の後ろ姿が見えた。
装備している物は見るからに一級品だ。固そうな、オリハルコンかな?鎧に、鎧とセットで色や材質も同じような兜。強そうだな。
「よう、勇者さん!」
「誰だ?!」
警戒心と驚きに満ちた声とともに、勇者が剣を鞘からぬき始める。
「そんなの教える必要もねーよ!」
ドサッと鈍い音がした。俺が勇者を殴ってやった。
効いても無かったらどうしようと半信半疑だったが、かなり応えているらしい、さすがは攻撃力カンスト。
勇者も一撃とは。
「な!?」
まだ、状況を理解できていないらしい。
それもそうだろう。魔王を葬り、勝ち誇って帰っている最中に、突然腹パンで致命傷を負ったのだ。
落ちている剣を取って、懐にしまった。
これで脅威は去ったわけだ。
トドメを刺そうとしたがもう死んでいた。
「なんか、ごめんな?」
少し申し訳なくなった。
まいっか、自分魔王だし。
とりあえず、玉座まで戻ろう。
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