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俺と幼馴染みが学校に閉じ込められた!  作者: 風海レト
第1章 廃校に来た俺たち
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1-2 次元が狂った廃校

俺はしばらく、戻れないことに混乱していた。壁を登ろうかとも考えていた。しかしなんと俺は床にうつ伏せの状態でいたのだ!

「ハハッ…これじゃ戻れないよな…」

俺は起き上がり、辺りを見渡した。真っ暗だなぁ…。

「そうだ!スマホの明かりで照らせば少しは明るくなる!」

俺はスマホで照らしてみた。ん?この床…まさか教室か?辺りを照らすと黒板があった。

「やっぱ学校か。見たところ…中学校か?」

黒板には何も書かれていない。ん…?赤い液体みたいなのが床にこびり付いてるぞ?

「ま、まさか…血か?そ、それにしては…量が…」

あ…そっか!俺はお化け屋敷のスタッフ専用の扉から入ったんだ!とするとこれはお化け屋敷か!





(おや、また誰か来たのか…嫌になるなぁ…)

声の様なものが聞こえた。

「えっ!誰かいるんか?」

(ああ…ここだよ、ここにいるよ)

スマホの明かりで声のした方を照らしてみると青い…霊?みたいな物が浮いていた。

(僕は君の思った通り、霊だよ)

「あれっ?言葉に出てた?」

(違うよ…ここの霊は人の心が『視える』んだ。君の考えは筒抜けってことだね)

「見える?」

(気にしなくていいよ…)

ここのお化け屋敷すげぇな。こんな物まで作り出せるのか。だったらもっと怖く出来るんじゃ…。

(君はお化け屋敷からここに来たのか。成程、だからここもお化け屋敷だと思うのか。まぁある種のお化け屋敷かもな)

「は?意味が分からないんだけど」

(薄々気が付いてるんじゃないのかい?君はレバーを引いて、大きな扉の中に入り、気が付いたら床にうつ伏せになっていたんじゃないのかい?)

「な…なんで知ってるんだよ!」

(ここへ来るにはその方法しかないからね)

「なんだよここって…お化け屋敷じゃねぇのか?」

(ここは学校さ。廃校になった学校だけどね。廃校になった学校の次元が狂い出来た学校さ)

「ああもう回りくどい!そんなのどうでもいい!出口を教えろ!」

(ない…と言ったら嘘になるけど、普通じゃ出られないよ)

「は?学校なら玄関があるだろうが。それに俺はここに入ってきたんだ、入ってきたなら出れるだろ」

(じゃあその説明のついでにこの学校のシステムを僕が分かる範囲で言っていこう。まず何故か玄関への道は全部壊されてる。そして入ったから出れるなんて事はない)

「はぁ?」

(この学校は君達の元の次元とは次元が違う。だから普通の方法では帰れない。イヤ、『センセイ』が帰らしてくれない)

「誰だよ先生って」

(まぁその内分かるよ、ああそうそう、僕の様な青い霊は…まぁ害はない霊だ。ここから抜け出す為のアドバイスもくれるかも知れない。けど…)

「けど?」

(赤い…赤い霊には気を付けろ。奴らは…死んだことを受け入れてない。ここにいる霊は皆ここで死んだ人間なんだ。赤い霊は生者を自分と同じ運命に陥れようとする。)

「つまり…殺そうとしてくるのか?」

(まぁそうなるね。奴らにもし見つかったら逃げることだ)

「んで、なんでいきなりそんな話を?」

(ここから出たいんじゃないのかい?ここから出る為にはここを探索して新たな出口を見つけなければならないのさ)

「そうだっ!窓から出ればいいんじゃん!」

(なら窓を開けてみな?)

なんなんだよ、話は長いし口調は偉そうだし。

「………開かねぇ」

(だろうな、ここの窓は全部空間に固定されてるよ。外の教室にもこの様な箇所がいくつもある)

「クッソ、やっぱお前の言う通り新たな出口を見つけ出すしかないのか…」

(そうさ。ところで1つ聞いていいかい?)

「なんだよ…」




(携帯の電池は保つのかい?)

「あっ…やべ。そうだ!これで誰かと連絡…」

(圏外だろ?)

「イヤ、圏外じゃねぇけど…回線に接続してねぇ…やっぱ無理か…」

(確か職員室に懐中電灯があったハズだ。)

「そうか…色々ありがとな」

(あぁ…気にする事はないさ。僕が教えられる事はこれぐらいしかないしね。後は自分の力で頑張るんだ)

「え?もうアドバイスしてくれねぇのか?」

(ああ、僕が出来るアドバイスはもうない)

「そうか…ありがとな」




俺は教室を出た。俺がいた教室は3-2-3ならしい。そういえば陽菜、ここに来てんのかなぁ…。来てるとしたら早い所見つけ出してやらねぇと。どっかで怖くて泣いてんだろうなぁ。でもまずは懐中電灯か。

「職員室は…どこだ?」

「職員室は…アッチ…」

「うわ!!!」

慌てて後ろを振り向くと、俺と歳が同じ位の少女が立っていた。ん…東原高の制服か?

「アンタ…誰?」

「え、えっと…霊?」

「私が霊に…見える?」

「あああゴメン…えっと俺は山口慎、お前は?」

「初対面の人にお前…か口汚いな…」

なんだコイツ。

「私は…美琴。神山美琴」

「よろしくな、えっと神山さん?」

「美琴…でいい。私も…慎と呼ぶから…」

「えーっと…美琴さんは1人?」

「うん…1人…人がいてよかった…」

そうか。やっぱ1人だと不安だよな。俺も不安だった。

「どっか行くつもりだったんか?」

「霊が言ってた懐中電灯を探すつもりで…」

「おお!俺もだよ!職員室にあるらしいんだ!」

「そう…なの?」

「えっ?霊が教えてくれたんじゃ?」

「場所までは…教えてくれなかった…」

「職員室にあるんだよ、一緒に行こーぜ」

「うん…行こう…」

感情表現が苦手なタイプなのか。陽菜とは真逆だなぁ。




「ここから1番近いのは…第6職員室…かな…」

「えっ…何その第6職員室って」

「霊が教えてくれた…いくつもの廃校から出来てるから…職員室なんかも1つじゃないって…」

「じゃあ…体育館とかも1つじゃないのか?」

「うん…」

…2つも3つもいらねーだろ!ん?美琴がなんか手に持ってるな。

「えっと…それは?」

「さっき拾った…この校舎の…2階の地図…」

「地図落ちてたのか、気が付かなかった。」

「もう1時間位前に…拾ったものだから…」

「い、1時間!?どの位ここにいるんだ?」

「2時間…位前に気が付いた…」

「へー、そんで1時間探索してたのか」

「そう…ずっと…不安だった…」

「そっか…おっ!ここか?」

「多分…そう」

「んじゃ、とっとと懐中電灯見つけるか!」




「あった!多分これだ!」

なんで廃校になったのに懐中電灯があるんだ。もしかして廃校になって間もない学校なのかな。

「コッチもあった…それと…」

美琴は手にカンパンを持っていた。

「そっか…食料が見つからずに餓死っつーのも有り得るのか」

「これは…持ってっていい…の?」

「それは緊急時に使うもんだろ?そんでこの状況は緊急時に当てはまるだろ?」

「そう…だね、持ってく…」

「えっと、美琴は懐中電灯を2つ持ってってくれ、カンパンは俺が持つから」

「なんで…2つ?」

「予備だよ、おっ点くな、良かった良かった」

「そう…じゃあこれ…」

「ん?リュック?どこにあったんだ?」

「リュックの中に…それが…」

防災用のリュックか。ん、水もラジオも…携帯トイレも…他にも色々入ってるじゃん。水は…多分飲めるだろな。つーかこれ作られたの最近じゃん。最近廃校になった中学なのか?ここはよく分からないなぁ。

「ラジオは…受信しないね…」

「だろーなぁ」

そういえばメッチャ防災リュック転がってんじゃん。

「美琴も持っといて、リュックだけでいいから」

俺は中から全部取り出し、空になったリュックを美琴に渡し、カンパンや水などこの状況でも必要なものを自分のリュックに入れた。

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