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千尋とホスト教師

職員室で担任と対面した訳なのだが・・・


ーーーなにコイツ?ほんとに教師!?


茶髪に白メッシュを入れてツンツン立たせた髪に、ピアスがジャラジャラ。極め付けは青いカラコンだ。


ネクタイはせず、シャツのボタンを開けて着崩している。


ーーーどっから見てもホストだろ!?

だっせぇ!超ダセェ。アンタ、大人でしょうが!

その格好が許されるのは、ヤリチンサークルの大学生までですよ!!


しかし顔だけは整っていて、イケメンだった。背も180越えで高いし。(ムカつく)


「お前が有栖川千尋かぁ?」


担任の要(かなめ) 京一(きょういち)は、下から上まで舐めるように俺を見た。


「ふぅん。中々、可愛いじゃねえか。」


顎をクイっと上げられて、キスするんじゃないかって距離まで顔を近付けられた。


「分からない事があったら、俺を頼れよ・・・手取り足取り教えてやるぜ。」


俺はプルプル震えていた。


「なんだ?震えてんのか。初心だな。」


要先生がニヤリと笑った。



ーーー無理だ!もう無理だ!!



そのキメ顔が止めになって、俺は大爆笑してしまった。


+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+ 


ゲラゲラ笑いだした俺に、要先生が戸惑う。


「アハハッ・・や、すいません・・うっ、くく・・・。」


俺はしゃがみ込んで笑いが収まるように耐えた。


「なんだってんだ?お前・・・」


あー、ちょっと収まってきた。

涙を拭き拭き立ち上がり、戸惑い顔の要先生に言ってやった。


「や、だって。その格好。モロ、ホストなのに。言ってることも、ホストだから・・・くく。が、我慢できなくて・・・ぶはっ!」


ーーーヤバい。笑いすぎて苦しい。


「・・・てめぇ。いい度胸してるな。」


ーーーあ、機嫌悪くなっちゃった。

初日早々に担任教師に嫌われるのは、さすがにヤバいよな。


「いえっ!あの、だって先生、めっちゃカッコいいじゃないですか!

髪の毛染めたり、アクセサリー付けたりしなくても。もったいないなぁ。羨ましいなぁて思いますよ!だって、背も高いし、すごく綺麗な顔してるのに。」


俺の特技は、上司の太鼓持ちだ。

どうだ。これで機嫌直ってくれないかな?


要先生の顔を見上げて、ヘラっと笑ってみた。


「わ。」


要先生は俺の頭をくしゃっと撫でて「わかった。もうやめろ。」と言った。


心なしか照れてる感じ?

よっしゃ、太鼓持ちの才能は今も健在だな!


+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+ 


◆要視点◆


この学園の生徒は俺が見つめると顔を赤らめたり、うっとりとした瞳で見てくるもんだ。

なのに有栖川千尋はゲラゲラ笑いだした。


ーーー何なんだ?コイツは。


ホストっぽいから笑っちまっただぁ!?

馬鹿にしてんのか・・・。


俺の機嫌が急降下したのに気付いたのか、


「だって、先生。綺麗な顔してるのに・・・。」


と、今度はしおらしく褒めてきた。


涙目で、上目遣いで。


ーーーおい!ヤバいだろうが!!その顔は!


有栖川千尋の方こそ綺麗な顔をしていた。

自然なままの黒髪、涙が絡んだ睫毛。黒い瞳。


俺の顔を仰ぎ見て、ふわりと微笑んだ。


ーーーその笑顔に鼓動が跳ねた。


媚を売るでもない、作り笑いでもない。

自然な、綺麗な笑顔だった。


「もういいって、」


くしゃっと頭を撫でる。髪の毛サラサラだな。

有栖川を連れて教室へと向かう。


ーーーカラコン、やめようかな・・・。


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