眷属強化
「本当にすみませんでしたっ!」
俺は今、緑髪美女に謝られている。
どうやら、俺の事を変なアクセサリーを顔に付けた変質者と思ったそうだ。
まぁ、花粉症が酷いからといってゴーグルとマスクをつけてたら確かに怖いわな。
あと、変質者と言うところはあながち間違っていないので罪悪感が半端じゃなかった。
ちなみに、【魔闘術】を習得していました。
「いや、良いんだ。それよりもう体は大丈夫か?」
「はい!大丈夫です!主様のお陰で助かりました!ましてや、私を魔人にして頂いて力も与えてくださるなんて主様は私にとって神様のような存在です!」
もの凄くキラキラした目で訴えてくる。
な、何て可愛いんだ!
「その事はまぁ良いよ。あと、俺の名はユウ。俺の事はユウと呼んでくれ。あとお前は俺の軍門に下ったから名前をやる。お前の名はこれからリゼだ。」
リザードだからリゼ。
安直ですね。
するとリゼはにっこりと微笑んだ。
「はい!ユウ様!このリゼ誠心誠意ユウ様に尽くします!」
守りたい!この笑顔!
「それはそうとリゼ。何があってあんな傷を負ったんだ?」
すると、リゼは悲痛な顔になり俺につらつらと話し始めた。
リゼの村はこの村から1日歩いて到着するところに有るらしいのだが、そこに数十体の獣の魔人が襲ってきたそうだ。
奴らは奴隷として俺たちに従うならば助けてやると交渉してきたようだ。
当然、そんなもの容認するはずもなくリゼたちリザード族は魔人と戦ったそうだがあえなく完敗。
リゼは村長である父から逃げて他の部族にこの事を知らせるように言われたそうで、魔人から何とか逃げ出せ此処までやって来たというわけらしい。
聞けば聞くほど腹立たしい話である。
アルのやつは怒りで拳が震えている。
そうなると、今まで村を襲って来た魔物どもはその魔人とやらがこの森を荒らしたせいでこの村にまでやってきたのだろう。
そう考えたら俺の睡眠不足はそいつらのせいじゃねーか。
ぶっ殺してやる。
八つ裂きにしてやる。
「あ、主様!早くリザードの村を助けに行きましょう!奴等を許してはおけません!」
「それは分かるんだが、お前たちは魔人に勝てるのか?それとこの村から離れればそいつらにこの村を襲われた時どうするんだ?」
「そ、それは…。」
アルは核心を突かれて黙り込む。
それを聞いてリゼもまた顔に悲しみを浮かべる。
分かってないな君達は俺がそいつ等を許すわけないでしょ?
睡眠時間奪ったんだよ?
許せるわけないじゃん。
ってのはまぁ、冗談で一番許せないのは理不尽に弱者を奴隷にしようとする魔人に対してだがな。
そう、あいつらのように。
理不尽に自分の都合によって弱者を痛ぶるあいつらのように。
これは俺の間接的な復讐だ。
「ってことだ。アル!お前らに力を与えてやる!村の奴等を全員集めろ!」
そう言われたアルは一瞬驚き呆気にとられるが、直ぐに言われていることを理解したのか口元を綻ばせた。
「はっ!」
〜〜
俺は直ぐに集まったオーク達に【眷属進化】を使用する。
するとオーク98匹は2段階進化でオークキングに。
ハイオーク3匹が2段階進化で半魔人に。
アルは3段階進化で魔人(下級)に。
レッドの奴は4段階進化で炎魔人(下級)になった。
これで残りSPは94150となった。
進化が終わったオーク達は呆然としている。
どうやら突然光に包まれたと思ったら身に宿る力に驚いているようだ。
「お前達!聞け!今、この森の同胞であるリザード族が外道の魔人どもに虐げられているそうだ!今から俺はそいつ等を助けるために動くことにした!だが、その為にはお前達がこの村を守らなければならない!だから、お前達に力を与えてやった!その力を使いこの村を仲間を守って見せろ!分かったか!」
「「「「おおおおぉぉぉぉっっ!」」」」
完璧だ。
乙、俺の名演説。
『スキル【鼓舞】を取得しました。』
あ、スキルゲット。
さぁ、奴等を皆殺しにしに行くか。
 




