自室
私はトントンと屋根裏部屋へ上がっていく。
ここが屋根裏部屋…すごい、実際に見るのは初めてかも。そりゃあ屋根裏部屋がある家なんて沢山あるだろうけど、私にとったら屋根裏部屋は、テレビでちょっとみて憧れたり、アニメや漫画でみて憧れたりっていうのが多かった。
その憧れが今は現実になっているんだ!
異世界だけど!
こんな私を引き取ってくれる人がいるんだ。異世界だろうがなんだろうがどうでもいい気もする。
というより、今まで本でしか見たことのなかったファンタジーな世界が広がっていて、私はすごくドキドキしている。
私はただ、平穏な日々が送れればいいと思っていたが、こんなに不思議なことが…非日常的なことが起こるなんて思ってもみなかった。
いつになったら帰れるのか、わからないけど、どうせ地球に帰ってもわたしの居場所はもうどこにもないんだ。
…でも、生まれ育ったあの地球だよ?
あーっ!さっそくホームシック!…ホームではないかな?いや、でも地球は私のいえみたいなもので…
家…
家……?
「あ…」
私は気づいた。気づくのが遅すぎた。今更だけど、私は「引き取られた」んだ。引き取られたからには地球には帰ることなんてないだろう。
…また捨てられたら、地球に戻れるのかな。戻っても居場所はない、戻らなくても居場所はない、そんなことになりかねないので、捨てられないようにしなきゃいけない。
なんだか異世界にきたという実感は0。
これからどんなことが起こるかもわからないので注意をしておこう。注意で防げるような出来事ならいいんだけど。
にしても、モレナさんは母親の知り合いと言っていたような気がするけどいったい私の母親はなぜ異世界人などと関係をもっているのだろうか。そこが一番の疑問だった。
…と、いけない、いけない。早く荷物を置いて下に行かないと。モレナさんが待ってるしね。
私は先ほど上ってきた階段を下ってモレナさんが待っているところへ向かった。