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扉の向こう
今回は短めです。
「…ん……ここ…は?……」
小さなベッドの上で私は目を覚ました。
ここは一体何処なのだろう?
…これは夢か?不思議の国にきちゃったー…だとかそんなこと現実的にかんがえて、あるはずがない。
落ち着け、私。
そんなことをずっと考え込んでいたらいきなり扉が開く音がして驚いた。
なぜか人は入ってこないみたいだ。
なぜだろう。
とりあえず扉の方へ行ってみようかな。
「…誰かいるの?」
私は扉に近づきつつ誰かに向かって問いかける。扉を大きく開いて覗いて見たが、誰もいない。おかしい。誰かがいるはずなのに。
もしかしたら風で扉が空いたのかもしれないが、窓は開いていないし、人がいる気配はちゃんとする。
…そして、その気配が近づいてくる。
正確には、「足音が近づいてくる」だ。
怖い…
どこかもわからない場所で
だれかもわからない人が入ってきて
…でも扉の向こうには誰もいなくて
そんな恐怖と不安に襲われる。
いる。
誰か…
誰かが背後に…
すぐ後ろに。
すぐ後ろにいる。様子を窺ってるみたいだけど…全神経を集中させろ、私。