プロローグ
始めまして、kanaです。
初めての投稿なので、変なところがあれば言って貰えると嬉しいです。m(_ _ )m
ポタリ、ポタリ・・・
真っ赤な雫が、銀色の刃を伝う。
血濡れの私の目の前で、チチオヤと呼ばれていた物体が、呻いている。
さっきまではギャーギャー叫んでいたが、傷口を蹴ると大人しくなった。
なんだ、簡単じゃないか、少し前まで無抵抗に殴られていたことが馬鹿らしくなる。
「あく、ま・・・」
チチオヤは小さな声で言葉を発する、悪魔?私にとってお前は悪魔よりたちが悪い。
「ねぇ、た?」
桜が起きてしまった。
ちこちこと歩いてくる、小さな少女。
さっきまで近くの部屋で寝ていた、最愛の妹を抱きしめる。
「ねぇた、くすぐったい」
すこしだけ、すこしだけだから。
ぎゅっと抱きしめると、胸の中でもぞもぞ動く、小動物のような桜はとても愛らしい。
ピーポー、ピーポー・・・
ふと、サイレンの音が聞こえてきた。
ああ、もう来てしまった。
ぎゅっと、さらに力をこめる。
二度と離れないように、どこかに連れて行かれないように。
そんなの、無理に決まっているのに。
ガチャッと、扉の開く音が聞こえる。
私は桜を離すと、桜を背に隠すようにして扉のほうに体を向ける。
早かったな、タッタと早足の足音が聞こえ、ゆっくりと私達のいる扉が開けられた。
「だいじょ・・・、え!?」
警察の人なのだろうか、若い女の人が、私達を見て固まった。
それもそうだなんせ、倒れているのは成人男性で、包丁をもつ少女が、さらに小さな少女をかばうように立っているのだから。
今日は最高な日なのに、邪魔しないでよ。
「こんばんわ、警察さん」
にっこり笑う私は、きっともう歪んでいるのだろう。