1-5 犯人
シエナたちが屋敷を出てかなりの時間が過ぎ、太陽は遠くの山へ沈みかけていた。領主のハロウは家族との夕食を諦めて書類の山と向き合っていた。
今回の依頼の完了は無理だと判断し、その対策としてパレード中の警備拡大それに伴う人員補充などの必要な手続きをしていたのだ。
年内にある数少ない観光客溢れる大きな催し物である。『魔物が出るかもしれない』くらいの事で出店する商人などが中止を受け入れてくれないのだ。
ハロウはこれから自分が負うリスクを考えて目頭を押さえた。
「ハンターを信じすぎたな…もう少し他の手を模索するべきだった。」
「そういうのは日が完全に暮れてから言いなおっさん。」
「うおぉ⁉」
ハロウが顔を上げると目の前には血と汚物にまみれたシエナが立っていた。ここまで連れてきたメイドは嫌悪感丸出しの顔でハロウに報告する。
「ハンター様が依頼の完了を報告しにきたそうです。…では失礼します。」
「ああ、分かったありがとう。」
メイドは足早に去っていき、シエナは魔樹棒に火を点けながら、持っていた麻袋をハロウの机に乱暴に置いた。その時に、書類がバサバサと落ちるが、二人とも気にしない。
「ずいぶん早いですね。嘘を報告しに来たのなら許しませんよ?」
「ああ、大丈夫だ。証拠はここにある。」
シエナは麻袋をひっくり返して内容を説明する。
「依頼対象の大鼠二三頭分の前歯と、その鼠が原因で発生した変異ゴキブリ一六体分の触角だ。確認してくれ。」
「…ふむ。間違いはなさそうだな。」
「下水道内の探索と浄化、死体処理もしてあるから、あとは私兵でも使って、生き残りを探しておいてくれ。狩り残しがいたら改めてアタシが来よう。」
「…本当に全て処理したのですか?」
「おう。そこに証拠があるだろ?安心しろギルドから持ってきた物じゃない。」
「…分かりました。SSランクの報告ですからね。信じましょう。ちなみに相方はどこへ?」
「臭いだのなんだのうるさいから浴場に放り込んだよ。来ても意味ないしね。」
肩をすくめながら魔樹棒を吸うシエナにハロウは軽く笑って、灰皿をシエナの前に置く。
「お、気が利くね。あんがと。」
「本当にSSランクなのですね。少し調べたらすぐにあなたの名前が出てきました。一日で終わらせるとはさすがです。」
「ほめても煙しかでねぇぞ?」
シエナは機嫌を良くするでもなく、ハロウに向かって煙を吹いた。
ハロウはそんなシエナに苦笑すると、自分も葉巻に火をつけた。
「あなたも相当汚れている。ここにも浴場がありますが入っていきますか?」
「いや、アタシも公衆浴場に行くよ。女の子の裸がいっぱい見れるしね。」
「…そうですか。では、これを渡しておきましょう。受け取りなさい。」
ハロウは机の上に金貨六枚を置いた。シエナは遠慮せずその金貨をつかみ取った。
「ほう樽ビール一つ分か。悪くねぇ。」
「風呂代と明日の旅費くらいにはなるでしょう。今日は良い宿屋に泊まって明日のパレードを楽しんでください。ああ、もちろんこのお金は報酬とは別ですからね。」
「やけに太っ腹じゃないか。まあいいや、アタシも流石にこのままはキツイ。この金でとりあえず風呂に入るよ。」
「ええ、その方が良いでしょう。女性は美しくないといけませんから。」
「じゃあな。また御贔屓に。」
「はい。機会があればまた。」
ハロウがそう言うと、シエナは手をひらひらと振りながら部屋を後にした、ハロウは大きく伸びをすると、床に落ちた書類を拾い纏めてごみ箱にぶち込んだ。
「やれやれ、何とかなりましたか。さて、夕食はまだ始まったばかりですね。」
ハロウは軽い足取りで部屋を後にし、嬉しそうに家族の元へと向かった。
「うひえええええ。なんで日帰りなんですかぁ!折角パレードもあるのに勿体ないですよう!」
「うっさいな。文句あるんなら自分で依頼を達成できるようになってから言いな。」
すでに夕刻を過ぎた帰り道。日は完全に沈み、街灯がない山中の街道は、月の光と魔力を帯びた石から発せられる仄かな青い光しか灯りになるものがなかった。
本来であれば一泊するところだが、元々シエナの野暮用ついでに来ていたため、マリアに拒否権はない。仕方なくマリアはシエナを乗せて馬で目的地を目指していた。
相変わらずマリアの腰や胸をまさぐりながら魔樹棒を吸っているシエナにマリアは嘆息するが、相手がSSランクだと分かった今では下手に文句は言えない。
「なんでこんなに早く用事を済ませたいんですかぁ?私たちもう二日も寝てないんですよ…。」
「あぁ?依頼の期限が明日の昼なんだよ。今夜で終わらせないと間に合わないだろうが。」
「えぇ⁉SSランクの依頼に今から行くんですかぁ⁉無理です!私死んじゃいますぅ!」
「別に戦えとは言ってないだろうが。お前は見とけばいいんだよ。」
「見ておくですか?」
「ああ。それが目的だしなぁ。」
「…はい?」
首を傾げるマリアだが、シエナは黙って魔樹棒を吸い続けるだけで、それ以上は話すつもりはないようだ。諦めたマリアは、別の話題を振った。
「ところで行先はどこです?来た道と同じ道を進んでいますけど?」
「ああ、もう少し行ったら分かれ道があるだろ?そこを左だ。」
「左ってことはあのマルクム森ですか?」
「そうだな。お前も知ってる場所だろ?」
「はい。あの森は初めて一人で依頼を達成できた場所なんです。あの時の嬉しさは今でも忘れられません!」
「ああ、そうかい。」
「でも、あの森に強力な魔物はいませんよ?たまに毒吐きキノコが湧きますけど、あれは私でも倒せるレベルですし。」
マリアの質問に対してシエナは魔樹棒の煙を吐いて一拍おいてから話しだした。
「そんな森で見たことがない魔物が発見されたんだよ。」
「新種ですか⁉それはどれくらいの強さなんです⁉」
「それが分からないからアタシが調査すんだよ。新種じゃないかもしれないしね。」
「そ…そうですよね!目撃者の見間違いかもしれませんし。」
「アタシの主な仕事は普通に強い魔物狩りか今やってる危険度が未知の調査だ。見つけたのが新種だったら、出来るだけ原形を留めて殺し、強さから危険度を考察し、死体と一緒に報告書も提出するのさ。おい!そこ左だ!ボケっとすんな。」
「あ、すいません!」
マリアがマルクム森への道を通り過ぎそうになったのでシエナは怒鳴って軌道を修正させた。
マルクム森は様々なキノコが自生している小さな森だ。近くに村もあるため、キノコを採取するために沢山の村人が訪れる。しかし、最近は森の一部で瘴気が噴き出し、時折毒吐きキノコという魔物が出現するため、毎年数人の犠牲者が出ていた。
だが魔物一体一体にはさほどの力はなく、新人ハンターの良い実践場となっている。
「ここからは用心しろよ?被害者の話じゃここら辺でやられたらしいからな。」
「…犠牲者は出てるんですか?」
「まだ出てねぇよ。襲われた奴が数人いるが、大事には至ってねぇ。」
「そうですか…良かったです。」
マリアは胸を撫でおろしつつ、周りを見渡した。シエナの話が本当ならばそろそろ例の魔物が出てもおかしくない。一方シエナといえば緊張感の欠片も無く相変わらずマリアの体を触りまくっている。
馬をゆっくり歩かせていると。茂みから何かが飛び出てきた。マリアは馬を止め、懐からレイピアを引き抜いた。
「なんだ。狼じゃないですか。」
「あ?狼が出たのか?」
茂みから出てきたのは狼だった。腹が減っているのか口からだらだらと涎を垂れ流している。マリアは馬が襲われては大変と、馬から降り、レイピアを構えて狼を追い払おうとした。
「ほーら狼さーん。どいてくださいねー。」
「がうぁぁぁぁぁ!ゴベべべべべべ!」
「びゃあああ!なんか吐き出したんですけどおおお!」
「馬鹿が、もう少し用心は出来ないのか。下がれや。」
マリアが近づいた瞬間、狼はマリアの顔面に吐瀉物のような物を吐き出してきた。咄嗟にシエナがマリアの髪を引っ張り、攻撃を無理やり回避させる。
吐瀉物は草むらに落ちると、煙を出しながら草を溶かしていった。マリアはその光景を見て顔面を蒼白にさせる。もしシエナが助けてくれなかったら今頃は自分の顔面が溶けていただろう。
「あれが、例の言っていた新種だよ。よく見ろ。目が紫に光ってるだろ。」
「びえええ!こんなに暗かったら分からないですよう!早く逃げましょう!きっと強力な個体ですう!」
「は?なにが?」
「え⁉もう殺してる‼」
マリアが混乱している間に、シエナは剥ぎ取り用の小型ナイフで狼の喉元を掻っ切って絶命させていた。シエナはそのまま狼の前でしゃがんで腹を掻っ捌くと内臓を引きずり出した。
「ぎゃあああああ!なにやってるんですか!」
「うるせぇ!魔物かどうか調べてるだけだろうが!お前やったことないんか!」
「そんなことしたことないです!」
「…あぁそうかい。じゃあちょっと待ってろ。」
シエナは、そういうと慣れた手つきで、臓器から胃袋のようなものを取り出す。
それは魔物に必ず備わっている魔素袋と呼ばれるものだ、魔物にとっては第二の心臓のようなもので、周囲の魔素をとりこんでため込むことができる。
「…まあ、そうだよなぁ。こういうこったろうとは思ったよ。」
シエナは観察していた魔素袋を無造作に捨てると、あきれ顔でため息をついた。
「…シエナさん。何かわかったんですか?」
観察が終わったと判断したマリアも近くまで寄ってきて魔素袋に目をやる。魔素袋は街の下水道にいたゴキブリの魔素袋のように小さかった。シエナは魔樹棒を咥えて口を開いた。
「おう。馬鹿なお前でも分かるように説明してやろう。」
「一言余計です!」
「うるせぇ。…まずこの魔素袋みてどう思う?」
「…この個体に対して小さい気がします。」
マリアは顎に手を当てて答えた。
「そうだな。まあ、他にも奇形だとか魔素袋の中身が本物と違うとかいろいろあるが、要は魔素袋としては未完成なんだよ。」
「!」
「分かるか?つまりこれは、下水で沸いていたゴキブリと同じ魔物化したやつだ。」
「…じゃあ、魔物化した個体ならこれで全滅ですね!魔物化した個体は繁殖不可ですから!」
マリアの言う通りで、本来一匹が魔物化しても、それ以上は増えない。これは、魔物化した個体は、全く同じ変異をした個体と交尾しない限り子どもが生まれないからだ。
同じ動物が魔素の影響で同じ状態に変異し、かつ繁殖できる確率は極めて低い。しかし…
「いや残念ながら、何体か確認されてる。最近は遠吠えがうるさくて敵わんらしいぞ。」
「え?」
シエナがいうや否や、森の奥から遠吠えが聞こえてくる。通常のオオカミの遠吠えよりも異様に低く、マリアは背筋に怖気を感じた。
「てことは、同じ変異をした者同士が交尾して繁殖したんですか⁉」
「そんなわけないだろ。大方、身ごもってた狼が魔素袋を喰らって魔物化。腹の中の子も同じ変異が起こって出産してそいつらがパコってさらに増えたって感じだろ。」
「…そんなことが起こるんですね…」
「一度に複数出産する生物でよく起こるんだ。まあ、覚えとけや」
シエナは面倒くさそうに魔樹棒を大きく吸い、森の方向に向け煙を吐いた。
「まあ、この森に潜んでたが個体数が増えて、縄張り争いに負けたやつがここら辺を徘徊してたんだろうな。森の奥にはどんだけいるのやら」
シエナの言葉に、マリアは身を震わせた。この森は比較的安全な森だったが、今では非常に危険な森になっていたのだ。
いくらSSランクのハンターでも根絶は難しいのは明白で、この森は事実上、人間の生活圏ではなくなってしまったのだ。
この現象は現在この国では多数起こっており、実質的に国の領土が魔物に侵略された状態である。本来はこの国の守護竜が対処すべき案件だが、この国にはいまその竜が不在だ。
帝国の侵略と魔物化による土地汚染。この国は大丈夫なのかと不安げなマリアにシエナは涼しい顔で話しかけた。
「さて、時間が惜しいし、さっさとお前に『伝えなきゃならない情報』を教えよう。」
「…伝えなきゃならない情報?」
「マリア。この新種の魔物と『なった』狼は何が原因で現れたと思う?」
「…分かりません。まだ実践経験も少ないので…。」
「これはな、誰かが討伐した魔物の未処理によって起こった事故の可能性が高いのさ。」
「え?」
「お前さ、結構前にここで毒吐きキノコ四体狩っただろ?」
「はい。ここで倒したことは先ほど言いましたけど。それがどうかしましたか?」
「これさ。この紙。」
シエナがポケットから取り出した紙は、先日ギルドで見ていた名簿と、依頼現場に来る前にウェルから貰った写しの書類だった。内容は第二支部ハンター名簿とマリアの依頼受注リストだ。
「そしてこれ。」
シエナは先ほど倒した魔物の魔素袋を手で引きちぎった。袋の内側にはびっしりとキノコが生えている。
「魔素袋を見た時点で確信したよ。『誰かの不始末で現れた魔物』だってな。」
「…不始末…ですか?。」
マリアの額から一筋の汗が垂れた。両手もプルプルと震え始めている。
「鼠のときにも言ったよな?糞や魔素袋は適切に処理しないと普通の生物に悪影響が出るって。」
「…はい。」
「さて、質問だマリア。嘘を吐かずに答えるんだぞ?」
「………はい。」
長い沈黙の後にマリアは項垂れながら返事をした。顔面蒼白で額からは大粒の汗が落ちている。シエナはそんなマリアに短い質問をした。
「毒吐きキノコの処理は適切に行ったか?」
「……う……うう……うううううううああああああああ!してませんでじだあああ‼ずびまぜんんん!鼻だけッ取ってえええ‼処理なんてっ知らなぐで‼放置じましだあああ‼」
マリアは額を地面に勢いよく叩きつけて蹲ると大声で泣き叫びながらシエナにそう答えた。
そんなマリアの前にしゃがみこんで、シエナはマリアの前髪を引っ張って地面から引きはがした。
「いだいですううううう!」
「おい。魔物の死体を放置することは重罪だってことは知ってるよな?」
「ひっひぅ!」
「腐ってもハンターなんだ。『知らなかった』じゃすまないことは分かってるだろ?」
「うぅぅ。」
「王政刑法『魔物死体放置罪』で、お前は犯罪者だ。死刑まではいかないが、ハンター資格のはく奪と数年の禁固は確実だろうな。」
「え⁉」
「お前を養子として引き取った夫妻は可哀想だなぁ。お前のせいで面子が丸つぶれだ。『犯罪者の娘を持つ領主ってな。』」
「まっままま待ってくださいいい!私は良いです‼でも父上たちは関係ないじゃないですか‼」
「関係なくは無いだろ?まあ、どちらにせよお前がやったことなんだ受け入れろ。」
「そんなぁ‼」
混乱するマリアの前髪を引っ張ってグイッと顔を上げさせたシエナは、マリアの顔に煙を吐きかけてゲスな笑いを浮かべた。マリアはそんなシエナを震えながら見ることしかできない。
「マリアぁ?解答次第ではお前を救ってやってもいいぞ?」
「え⁉」
シエナの言葉にマリアは目を見開いて、藁にも縋る思いで体を起こしシエナの両肩を掴んだ。
「シエナさん!お願いします!助けてくださいいいい!なんでもしますからぁぁぁ!」
「うへへ。いい返事だぁ。じゃあアタシのお願いを聞いてくれるな?」
「はいいいい!聞きますうう!」
マリアの言葉にシエナは魔樹棒をポロリと落としてさらに口角を上げた。口の端からは少し涎が垂れている。その顔は『ようやくこの時が来た』という顔だった。
「マリア。お前はアタシの女になれ。」
「え⁉」
「聞こえなかったか?アタシの疼きをアタシが望むときに晴らしてくれる人間になれって意味だ。…ウェルとまではいかねぇがお前の体は100点満点だ。お前が体を差し出すなら助けてやってもいい。」
「え?いや、私たちは女の子ですよ?あの…」
「あ?別に文句があるならいいぞ。あったことをギルドに報告するだけだしな。」
「ままま待ってください!分かりました!いいです!シエナさんの女になりたいですううう。」
「うへへへ!今の言葉を忘れんなよ⁉おいヴァンスゥ‼」
シエナはマリアの言葉に満面の笑みを浮かべて立ち上がると両手を広げてヴァンスを呼び出した。ヴァンスはシエナの目の前に地面から顕現し、すぐさま膝をつくと頭を下げた。
「何でしょうかシエナ?」
「ちょいと一人じゃ出来ねぇ仕事だ。手伝ってくれ。」
「御意に。…して内容は?」
「この森周辺から今殺した奴と同じやつを一掃して焼却する。」
「それは絶滅させるということですか?」
「ああ、そうだ。こいつが作り出してしまった魔物なんていなかったことにする。」
「ハハハハ。確かにシエナだけでは無理ですね。お任せください。『その程度』なら魔人である私であれば達成可能です。」
「出来なきゃ困る。お前が毎日クソみたいにアタシの魔力を喰ってんのは知ってるからな?割りに合った仕事くらいしろ。」
「おやバレてましたか。では四時間程で終わらせましょう。」
「いや、二時間だ。アタシたちでやれば終わるだろ。お前は森周辺を頼むよ。」
「御意に。」
「おいマリア。」
「はっはいいい!」
「武器がない。そのレイピア貸せ。んでお前はその馬で先に帰ってろ。」
「え?あの馬が無いとシエナさんの馬がいませんし、私も戦います!」
「うるさい邪魔だ。レイピアよこせ。」
「あ…」
シエナはレイピアを強引に奪うと、マリアよりも慣れた手つきでレイピアを振り回しながらヴァンスと共に森の奥へと消えていった。
「ううううううう‼ぜっ絶対に返してくださいね‼」
護身用の武器を失ったマリアは帰るしかなく、魔物に襲われる前にと、馬を走らせてギルドへと戻って行った。
マリアがいなくなったことを確認したシエナは、欲しかった玩具を手に入れた子どものような満面の笑みを浮かべてさらに森の奥へと進んで行った。
「さて仕事の時間だ。」
マリアが去ってほどなくして、マルクム森周辺では狼のような遠吠えと苦悶の雄たけびがあちらこちらから聞こえ、たくさんの煙が空へと上がった。
その晩、マルクム森で繁殖を始めていた狼の魔物は絶滅した。




