どうやら、ダリルさんが麺打ちを習うようですよ?
ダリルさんの提案にて、一同は麺作りに適した施設を持つ宿屋へと。
ちなみに、囚われていた女性達とは無関係な宿である。
パルマの麺を扱っていた店と隣接しており、敷地が広いため麺打ち小屋を設けていた。
いや、物置小屋を改良し、麺打ち部屋としたもので、新たに建てた訳では無いのだが。
カーナと呼ばれた女性は、自分なりに麺を打ち提供しておるようじゃな。
じゃが、パルマさんが打った麺には及ばぬようじゃて。
「材料も手順も一緒なんだよ。
なのに、出来上がりは別物でねぇ。
訳が分からないんだよ」
カーナさんが嘆息する。
「ふむ?
材料が同じく、作成工程も変わらないのかね?
なのに、同じ物が出来ないと?
そのような事が有り得るのか?」
ダリルさんが首を傾げる。
「まぁ、簡単に真似されちゃぁ、私の立つ瀬が無いしねぇ。
とは言え、実家でも、私と同じ麺を打てる者は居なかったんだけどねぇ。
実家で作ってるヤツよりは劣るけどさ、カーナさんの麺も、それなりなんだけどねぇ」
パルマさんが困ったように。
「アンタの麺が美味過ぎるんだよっ!
皆んなが皆んな、アンタの麺を食べたがるからねぇ。
まぁ、代替え品として、アタシの麺も、それなりに食べて貰えてるから良いけどさ」
ちと拗ねたように。
まぁ、作った料理が代替え品扱いではなぁ。
ん?
もしかして、パルマさんが実家を離れたのは、パルマさんしか作れない麺のせいか?
「ふむ。
カーナ殿と言われたか?」
「え?
アタシかい?」
ダリルさんに声を掛けられ、驚くカーナさん。
「うむ。
パルマ殿に麺打ちを習う前に、アナタがどの様に麺を打っているのか知りたいのだ。
一度、打って貰えぬだろうか?」
そのような依頼をな。
「ふぅ。
町長から持て成すように言われてるしねぇ。
アタシは構わないよ」
そう告げながら麺打ち小屋へと。
小屋の中へは麺の材料が用意されているみたいだ。
っと言うか、毎日、ココで麺を打っているのだろう。
「本当は、朝早くに麺を打つんだけどねぇ。
まぁ、今晩用に追加が必要だから丁度良いかな。
とは言え、貴賓扱いの方へ出せる品じゃないけどさ」
ちと自嘲気味に。
「賓客扱いされてはおるが、我らは狩人であり一般人だ。
味に頓着する方では無いのだが?」
ダリルさんが困ったようにの。
「こんな一般人居ないって!
深層狩人ってだけでなく、料理の腕前もピカイチだからねぇ。
こんな十八歳なんてぇ、ダリルの旦那以外居ないわさ」
そうパルマさんが告げると、カーナさんが驚いたように。
「パルマ?
今、何て言ったの、かな?」っと。
したらキョトンとしたパルマさんがな。
「料理の腕前も、ピカイチ、だよ?」
首を傾げながらな。
「そうじゃなくてだね。
その前だよ」
「はい?
なに?」
意味が分からないようだ。
「アンタ、この旦那の歳を、十八歳って言わなかった?」
そう確認を。
したらパルマさんが、手をポンと叩いてな。
「あぁ、なるほど。
他にも規格外な事ばかりするから、気にならなくなってたよ。
うん、見えないよねぇ」
確かに!
「ほっへぇー
っと、言うことは、本当に十八歳なのかい?
うーん、確かに、よく見ると若いのかねぇ?
けど、熟練者が纏うような風格と、厳しい環境を潜り抜けて来た様な風貌を見るに、とても十八歳には見えないねぇ」
感心したようにな。
「いや、深層へ至るような経験を積んでるんだからじゃない?
里の狩人さん達からも、一目置かれているし」
そんなことを話しつつ、着実に麺打ち準備を。
話しながら、良くできるものじゃ。
『まぁ、男性と女性は違いますから。
絶対ではありませんが、女性は複数のことを並行して行える方が多いらしいですね。
男性は一つのことを集中して行うのに長けているみたいです』
ほぅ。
そんな違いが、男女でのぅ。
初耳じゃわぇ。




