幻想機、その秘められし事実、今、知ったしっ!
詳しく話しを聞くと、アドバイザーさんにも、詳しい話しは分からんらしい。
あらら?
いや、なんでも、今日、他の幻想機から連絡が来たのだとか。
幻想機は日本にしか無いが、全部で10台が稼働中らしい。
本当は11台らしいが、1台行方不明なのだとか。
それって、もしかして・・・
『はい、グランドマスターである大若葉 秀李様ですね。
生きておられることは、会社サーバー経由にて確認できていますが、この世界へは居られません。
おそらくは、異世界へ行かれているのかと』
はい?
シュウさん、生きとんの!?
『ただ、連絡できない状態であり、状態は不明です。
帰って来られるのかも分かりません。
まぁ、今日、知ったのですが』
アドバイザーさんが言うには、パートナーが一定以上の同調率がない場合、情報が伏せられるらしい。
で、普通は同調率は上がり難く、10年以上使用している方でも映像から音を得られない方も。
この短時間で、幻想機から得られた映像を、食せるようになった者は初らしい。
で、会社業務には、幻想機にて得た異世界料理を、顧客へ提供する部署も。
何せ食べても映像だ。
実際に食べている訳ではない。
なのに、美味い料理を太る心配なく食べれる訳だ。
コレをセレブ連中が放っておくハズもない。
その様に聞いたのだが、はて、待て。
「いや、映像を観れるのは、同調率が高い者だけだよな?
なんで、他人に観せる前提となっとるんだ?」
おかしいだろ?
『幻想機を扱えるのは、同調率が高い者だけです。
ですが、その映像を他の方へ中継する機械があるらしいのです。
まぁ、幻想機としての機能はなく、幻想機から映像を得ることが前提らしいのですが。
その機械を使えば、不特定多数のユーザへ、幻想機にて得た情報を提供できるようになります。
また、幻想機へ指定情報を提供する機械も存在します。
その機械から、現存料理の情報を得られますから、それを幻想機が再現することも出来るのです。
何か食べてみますか?』
そんなん言うからさ、プレミアムビーフのシャトーブリアンを最高の焼き方として調理されたステーキで。
その焼いた脂で焼いたガーリックライスが添えられている。
グラッセも添えられており、まずはグラッセから。
って、ウマっ!
はぁ?
なに、これ?
ステーキ。
うん、ガッシリとした切りごたえ。
大振りに切り、それを口に。
うん、確かな歯応え。
肉を食ってるぅ!っう実感が。
噛めば噛むほどに、旨みがな。
これ、隠し味に醤油か?
バター醤油にガーリックと香草と香辛料が。
しかも香る程度なのに、肉の味が引き立つ。
肉の繊維がシッカリと感じられるが、噛むと肉汁がががっ!
美味い!
ただ、ひたすらに、美味い!
で、ガーリックライスとサラダにスープ。
この添え物が、肉を的確にサポート。
最強の添え物やな。
日本の霜降りとは違い、余分な脂はない。
だから脂クドクはならない。
シッカリ完食し満足、満足くぅ。
何気に満腹感まで。
あれ?
今日は気落ちしたため、食う量を控えたんだが?
なんぞ、この満足感。
『映像ですが、確実に食べた満足感が得られます。
ゆえに、食事制限が必要な方にはニーズがある訳です。
マスターの同調率ならば、ビジネス的にも有用ですよ。
しかも、在宅勤務可能ですし、この近くに社宅があります。
環境を変えずに、生活できますし、給金は・・・』
いや、マジで言っておるのかぇ?
俺の会社役員どころか、親会社の役員が嫉妬するレベルなのだが?
『ちなみに月給です』
年収でなく月給かよっ!
『あっ、手取りの値段らしいですよ?』
はぁ?
税金諸々引かれて、その値段な訳?
有り得んだろっ!
『マスターが了承したら、明日からでも移籍可能らしいです。
どうされます?』
「それはダメだ。
引き継ぎ資料ができるまでは移籍できない」
そう告げたらな。
『引き継ぎ資料の作成を終えたら、移籍されるのですね。
畏まりました』っと。
いや、いつの間にか、移籍が決まっておらんか?
ウソーん。




