だから、再雇用はせん!っとろう?あ?地元友人からメール?なんじゃろ?
しかし。
「なんで、こんなに雑味が無いのじゃ?
しかも、内臓が混ざっとらんかえ?」
思わずの。
『狩人達が臓物を食べたいと、可食部を丁寧に下処理していましたね。
彼ら曰く、一番美味いのは、ヤハリ内臓だぜぇっ!、らしいです』
まぁ、肉食獣が最初に食すのは、内臓らしいしのぅ。
『さらに、茹でて灰汁を徹底的に抜いたみたいですよ。
っと言うか、あの麺って、なんなんでしょ?
麺の茹で汁で茹でるだけで、食材から灰汁が殆ど抜けておりますが。
あんな物、聞いたこともありませんね』
まぁ、麺職人の娘であるパルマさんも、そのことは知らなんだみたいだしのぅ。
ダリルさんが聞き出したレシピでは、マル芋の種が麺へ練り込んである以外は、ダリルさんが扱ったことがある品じゃったな。
待て。
そう言えば、マル芋を焼いて炊いた飯を鍋へ入れたら、再び灰汁が浮いておらなんだか?
ダリルさんが、慌て取り除いておったが、まさか、のぅ。
『いえ、マスターが想像した通りかと。
おそらくは、マル芋の煮汁が灰汁抜き効果を持っているのでしょう。
この効果が知られれば、食に対する革命が起こりますね』
しかし、何という食材じゃ。
繁殖力が強く、栽培せぬとも年中採取可能であり、腹持ちが良く栄養価も高い。
しかも、その煮汁は食材の灰汁を抜き去り、食材の味を引き出しておろうしな。
しかも、それぞれの味を中和統合し、味の総合向上も果たしておらぬか?
これが俺らの世界へ持ち込まれたら、色々と問題が発生するだろう。
で、食事を終えたら就寝となる。
アチラでは基本、日が暮れたら寝るものなのだ。
特に、村の中などではな。
ゆえに、俺も視聴を終え、就寝することに。
ちなみに、視聴時間は3分だったらしい。
あれだけの時間が3分?
マジかぁ!
で、いつもの様にベッドへと。
布団に包まり、ふと、目覚めたら朝じゃった。
なんか、若い頃より寝れるようになっとらんかぇ?
目覚めもスッキリであり、目覚めて直ぐに寝床から離れられる。
朝の身支度も楽々じゃな。
駅まで歩く速度も上がり、満員電車で息絶え絶えじゃったのが、苦にならぬように。
ただ、家を出る時間が早まり、歩く速度が上がったせいで、数本早い電車へ乗ることにな。
まぁ、座れるから、家を出る時間を変えるつもりはない。
けどなぁ。
誤算として、早過ぎて、行き付けの喫茶店が開いてない時間に。
なので、地下鉄ホームのベンチで時間を潰すことになっている。
その後は、何時ものルーチンじゃな。
ただ、食べるのが早くなったのと、食欲が増したため、コンビニで余分な買い物をするように。
集中して仕事ができる様になったため、仕事の効率も上がった。
最近流行りの技術も色々と弄って、色々と勉強も。
この歳で勉強することになるとは、思いもせなんだわい。
で、そんなことをしておると、課長からの。
「再雇用の件、考え直してみませんか?」
などとな。
だから、再雇用はせん!
っか、地元で友人を手伝う話しになっておるでなっ!
そう話したのじゃが。
その話しの後で友人からのメールがの。
何やら優秀な人材が雇用でき、俺の雇用を考え直したいと?
はぁ?
どう言うことじゃ?
まぁ、無理に誘われた話しじゃて、それは構わんが。
うん、何があったかは知らんが、コチラへ無理を通した話しを、メール一本で切り捨てるか。
アヤツとの付き合いも、これまでじゃな。
そんなん有ったが、定時まで仕事して退社。
何時もの様に、小料理屋へ寄ってから帰宅じゃ。
『あら?
今日は、少し早いのですね?』
そうアドバイザーさんがの。
「いや、そのな。
定年後の就職先が無くなってのぅ。
なんか疲れたゆえ、早めに切り上げたのだよ」
そんなん告げたらな。
『ならマスター。
グランドマスターが創立した会社へ入社しては?
異世界の情報を集め、それを元に事業を起こしている会社です。
この提示は、一定以上の同調率を得た方にしか提示しておりません。
ちなみに、マスターで5人目ですね』
はぁ?
そんな会社が在るのかぇ?
ビックリじゃわいっ!




