第二狩人の登場です!っか、本当に18歳?
ダリルさんが獲物を処理していると、何かが近づいて来たみたいだ。
まぁ、アドバイザーさんが教えてくれたんだがな。
ダリルさんは、全く反応しないんだが、大丈夫かぁ?
したらな。
「レテラ、今日は早いな」って。
いや、レテラって?
「いや、長老がな、そろそろ切り上げさせろ、ってさ。
しかし、一週間で良いのに三週間目だぞ。
お前さぁ、なに考えてんの?」
はい?
ダリルさんたら、ここへ三週間も?
マジで?
「うむ。
此度は、群れを発つ若鹿が多かったのでな。
しかも体格が良い個体が多かった。
ゆえに、念入りに対処したまでだ。
先程も一頭ほど対処してある。
アレで17頭目ゆえ、群れから出る刃鹿は他には居らん。
なので、終わりにする」
そのようにな。
「はぁ?
いや、確かに16頭分の素材を預かったが、まだ居たのかよっ!
っか、なんで正確な頭数を知ってんだ、お前?」
レテラが、そんな疑問をな。
したらな。
「何を言っている?
確認したからに決まっておるだろうに?」
シレッと告げているのだが、そんなに簡単・・・では無いみたいだな。
レテラが、はぁ?、っう顔にな。
「なに言ってんだぁ、お前?
まさか、刃鹿の群れを見に行ったとか言わんよな?」
戸惑うように告げるとな。
「?
そうせねば、知りようがあるまい。
逆に問う。
刃鹿の群れを確認する以外に、群の状態を知る術があるのか?」
興味深げにな。
「知るかっ!
っか、ヤツらに気配を悟られずに、群れへ近付けたのか?
普通は近付く以前に、付近へ立ち入ったら悟られるんだが?
って、待て。
なら刃鹿の群れが、何処へ居るのか分かるのかよっ!」
そう迫るレテラへダリルさんがな。
「うるさい。
声を落とせ。
森の中なんだがな」って、ため息を。
いや、クール過ぎない?
本当に18歳か、この人?
「あ、いや、その、すまん」
後ろ頭を掻きかき、そう謝るレテラへダリルさんがな。
「まぁ、今から撤収するから構わんが、気を付けろよ。
命に関わるからな」っと。
悄気たように頷くレテラへ、ダリルさんがな。
「まず、刃鹿ていどに悟られるほど、ヤワな鍛錬はしておらん。
それに刃鹿の気配は分かり易いが?
群れを察知するなど容易かろうに?」
そう呆れたようにな。
「そんなわ」
「声を落とせ。
大きな声を出すんじゃない」
「あ、すまん。
しかし、これでは、どちらが歳上か分からんなぁ。
ふぅ」
「?
アンタの方が歳上に決まっとるだろうに。
なにを言っとるんだ、アンタは?」
あ、歳上なんだぁ。
はい?
27歳?
あーねぇ。
ダリルさん見てたら幼く感じるが、年相応だろう。
いや、俺が勤める会社の若い連中より、シッカリしている感じか?
こりゃぁ、ダリルさんが異常なんだろうよ。
「まぁ、お前はガウランドさんの弟子だからなぁ。
師弟ともに規格外過ぎるだろ、ふぅ。
しかし刃鹿の群れが、何処へ居るのか分かるのなら、討伐してしまえば手間が無くなるだろうに。
できんのか?」
そうレテラが告げると、ダリルさんが呆れたようにな。
「アンタ、本当に狩人か?
そんな常識を知らんとはな」って、ため息を。
「はぁ?
なんか、変なこと言ったか、俺?」
はて?
俺にも、おかしいとは、思えなかったのだが?
「あのな、刃鹿は里の守りでもあるんだが?
アンタも森の中層くらいは行ったことがあるだろ?
あそこの猛獣が、里に現れたらどうなる?」
はい?
そんなヤバい場所が在るの?
「そらぁ、里は壊滅するわなぁ。
だが、中層から移動しないから大丈夫じゃねぇの?」
そうなんだ。
なら、安心か?
「ふぅ。
そんな訳あるまい。
中層からコチラへ来ないのは、刃鹿の群れが阻んでいるからだ。
まぁ、その争いで、刃鹿の数が調整されてもいるんだがな。
つまり、刃鹿の群れを壊滅させると、中層から猛獣が出没することになるんだが?
それでも、刃鹿の群れを討伐するのかね?」
呆れたように告げてんな。
しかし、なんで、そんなにクールなの?