あー、そのね、呆気なく倒さんでくださる?
ダリルさんが気合いを入れるが、ダリルさんが合流してからは早かった。
まぁ、若い個体だと言うことだし、そこまで強くは無かったのだろう。
いや、ダリルさん的に、っう意味で、だが。
「なんだ?
晶獣だと思い警戒したが、呆気なく狩れたのだが?」
気が抜けたようにな。
「そらぁ、おまえクラスの狩人からしたら雑魚だろうよ。
っか、そいつ、普通の虎から晶獣へ変化しやがったんだが?
聞いたことあるか?」
そのように告げられ、ダリルさんが驚く。
「は?
そんなことが有るのか!?
初めて聞いたのだが?」
アドバイザーさんは、炎が亜空間へ溜められた亜空間へ晶石が繋がった、って言っていたが、実は珍しいことなのか?
『いえ。
晶石自体は亜空間を生成して力を溜め込む性質がありますが、既に存在する亜空間へ繋がるケースも、それなりにあるみたいです。
それとですが、人族の場合は体内晶石が雷晶石となるらしく、その絡繰自体が知られておりません。
まぁ、晶石が体内へ形成される者自体が稀でもありますが。
ただ、人族の場合、あらゆる晶石を操ることが可能です。
体内雷晶石から導き出した雷にて、外部の晶石を操り力を放つのだとか。
このような者達を放術師と呼びます。
逆に力を失った晶石。
世では空晶石と呼ばれますが、コレへ力を込める者を付与師と呼ばれます。
狙った力を晶石へ込められる付与師は、放術師より稀であり、滅多に現れない存在となります。
このように、晶石を操れる者が稀であるため、晶獣にたいする研究は全く進んでない状態ですね』
だからダリルさん達も詳しくないのか?
って、ん?
それにしてもアドバイザーさんさぁ。
ヤケに詳しくね?
『マスターが会社へ行かれている間、コチラの世界を精査しておりますから。
しかも複数の子端子を放ち、様々な情報を集めております。
そうそう、以前にダリル殿が使っていた味噌ですが、正体が判明いたしました』
ああ、以前に尋ねたアレかぁ。
で、なんだったの、アレ。
『アレなのですが、芋の一種でした』
はぁ?
芋ぉ?
芋を発酵させて、味噌を作ってる、ってこと?
『いえ。
ソイ芋の実を使用しております。
この芋は周りが鞘みたいに硬くなっており、鞘内部の実が発酵して味噌みたいになるそうです。
発酵した実は栄養化が高く、芋の成長へ使われるのですが、それを掘り出し塩を加え、さらに発酵させるのです。
すると、味噌みたいな代物へと変化し、調理へ使えるようになります』
ちょ!
えっ!
マジでぇ!
アレって、天然醗酵物だったのかよっ!
自然に味噌が出来るって、おかしいだろ!
『醗酵したソイ芋を絞り、醤油みたいな代物も作っていますね。
このソイ芋にも呆れましたが、マル芋なる物には、もっと呆れました』
はい?
まだ、変な代物が?
『変かは分かりませんが、マスターの世界には無い芋ですね』
ふーん。
どんな芋なんだい?
『米が内部に詰まった芋となります』
ちょ!
マジかぁ!
『アチラでは人は食べず、家畜の餌となっています。
実際の米とは違い、ほぼ丸で、窪みなどもありません。
精米した感じのコメが、ビッシリと詰まっていますね。
あれ炊く技法が知られていないため、家畜の餌となっておりますが、炊けば日本のブランド米に負けていないでしょう。
しかも餅米が詰まったマル芋もあるのですが、区別されて無いみたいですね』
もし、その世界に転生者が居たら、転生者泣かせだな。
まさかコメが地中へ実っているなんて、誰も思わんだろうし。
っと、ん?
狩人が何か言ってる?
「しかし、クソっ!
得物が破損しちまったぜっ!」
あらら、武器が壊れたんですか?
ご愁傷様。
「この程度の獲物に、何をしとるんだ?
まさか、爪をマトモに受けとりはせんよな?」
ダリルさんが呆れたように。
「そのまさかだよ!
仕留めた虎の影から飛び出して来たから、咄嗟に爪を剣で受けたんだ。
最初は軽く防いでいたんだが、途中で晶獣に変わりやがってよぉ。
慌ててると、茂みが激しく鳴って、ヤツが気を逸らした隙に引いたんだ。
アレ、おまえさんだろ?
助かったぜ!」
あー、あの音を出しての移動。
あれに、そんな効果があるとはなぁ。
ビックリだぜ!




