晶獣、炎虎を倒そう!って、追い込まれとんねかぁーい!
「しかし、なんで、こんな所へ炎虎が?
晶獣は環境に合った力を宿すハズ。
深層には地下へ炎を宿した地面が蠢き、そこに炎系の晶獣が居ると師匠が言ってはいたが・・・
流石に、そこから来たのではあるまい。
この近くへ、炎を宿す地面へと通づる洞窟でもあるのか?」
そう考え込むように呟くダリルさん。
まぁ、他にも現れる可能性があるから、考えない訳にもイカンのだろう。
『おそらくですが、火晶石を身に宿した固体が生まれたのでしょう。
晶石は力を亜空間へと溜め込む性質があり、それは生物を介して行われます。
ただ、その亜空間は他の晶石と共用される場合があるみたいですね。
この手の現象は私の領分であるため、亜空間の有り様を調べれば分かりました。
問題の炎虎は身に晶石を宿しておりましたが、何の力も有しておりませんでした。
ですが、群れの仲間を倒され自身も追い込まれた際に、宿した晶石が炎力を宿した亜空間へと繋がった模様。
若い個体であり、晶石を操るのに慣れてないため、己の爪を高温化させるに止まっいます。
ですが、鉄が溶ける程の高熱を纏った爪です。
当たれば無事には済まないでしょう』
なるほどなぁ。
しかし不思議物質だよなぁ、晶石ってさ。
「これは不味いやもしれん。
急ぐか」
わっ!
まだスピードが上がるのか。
ただ、全く音がしなかったのに、今は結構な音が。
それだけ余裕が無いと言うことか?
ん?
スピードを落とした?
『ダリル殿が炎虎を視認した模様。
炎虎の方も、ダリルさんが発する移動音を聞き取り、警戒しているみたいですね。
そのため、追い詰めていた狩人に逃げられています』
あー
ワザと音を出してた?
狩人達の支援も兼ねてたのかねぇ。
狙って行ったのか?
『おそらくは、そうでしょう。
ダリル殿の力量ならば、もっと音を抑えての移動は可能かと。
炎虎の注意を引くためと思われます』
そこまで考えてたのか?
本当に18歳なのかね?
『音を出して注意を引き付けたのとは、別方向から炎虎へと近付いていますね。
先程の音をデコイとしたようです』
いや、デコイって囮のことだよね?
普通、囮を自分で行い目眩しするか?
『狩りのワザには、そのような技術もあるみたいですね。
マスターが言われる忍者的には、代わり身の術みたいな感じでしょうか?』
あー
倒したと思ったら、服を着た木材だった、ってヤツね。
アレは完全にマンガ描写だが、実際に行うなら、こんな感じかもな。
実際に代わりとなる木材や人形を持ち歩くなんぞ現実的ではない。
余分な服どころか布を持ち歩くだけでも邪魔だ。
そう考えたら、漫画的な描写である代わり身は意味がないだろう。
だが、そこへ居るとの錯覚を起こさせるだけなら、不用な物資は必要ない。
そう考えたら、これが本当の代わり身の術かもしれんな。
っか、ダリルさん。
マジ、忍者じゃね?
『ほーぅ。
流石ですね。
炎虎の死角へ陣取りましたよ』
あ、いつの間に?
っか、弓に矢が番えられてっし!
っか、っか、放ったぁ!
いや、速すぎっしょ!
背中っうか、肩甲骨の下辺りに刺さった?
えっ!?
あんなに深く刺さる物なの??
『本当に人外ですねぇ。
アレ、矢が骨の下側へ沿うように、潜り込んでますよ。
普通は狙って出来ることではないのですが、狙わなかったら、ああはならないでしょう。
どんな技量ですか!』
明らかにアドバイザーさんが呆れたようにな。
で、炎虎の方と言えば、いきなり感じた激痛に飛び上がり、暴れ回っている。
いるんだが、矢が刺さった方の腕が上手く動かせないようだ。
左右からの炎爪攻撃が左からだけになり、狩人達に余裕が生まれる
そこへダリルさんが合流。
「お!
これ、おまえが?
流石は深層へ行ける狩人だなぁ」っと嬉しそうに。
「話しは後だ。
狩るぞ!」
ダリルさんの一言で、気を引き締め直す狩人達。
まぁ、ダリルさん合流したんだし、大丈夫じゃね?




