ラグラクスとの激闘、儂には普通に観えておったのじゃが?
ダリルさんの話しを聞いた一同が、ため息をの。
まぁ、現場を観ちょるんじゃが、あらためて聞くと、とんでも無いわえ。
いや、逆に言葉で聞く方がリアリティがあるんじゃが、はて?
『現場では、ダリル殿が容易く避けたりしておりましたから。
そのため、実際より楽に対処しているように見えたのでは?』
なるほどのぅ。
掠ってはおったが、直撃なんぞは無かったでのぅ。
『はい?
あの動きが見えていたのですか?』
ん?
沙織さんには、見えちょらんかったのかや?
『無茶を言わないでください。
ダリル様の腕や武器は、瞬時で加速しておりましたから、線が煌めいている感じでしたね。
体もブレて不確かな映像でしたし。
ソレにラグラクスでしたか?
やはり腕や、肩から伸びる器官は、瞬時瞬時に消えておりました。
線みたいな煌めきはみえましたが。
頭も時々ブレておりましたが。
アレ、突いたり、噛み付いていたんですね。
私だったら、抵抗も出来ずに死んでいますよ』
ほぅ、沙織さんには、そがぁ風に見えちょったんかいな。
儂は普通に見えちょったでのぅ。
そがぁな感じに見えちょったとは、気付かなんだわえ。
『それが常人とマスターやダリル殿の違いですね。
普通は気付きもせぬ内に、ラグラクスに狩られるでしょうから』
いやいや。
ダリルさんと、同じにするでないわい。
あがぁに儂は優れておらんでな。
烏滸がましいにも、ほどがあるわえ。
したら沙織さんがの。
『いえ、あの映像を普通に見えておられる時点で、常人とは異なると思いますけど。
まぁ、凄すぎて、ダリル様と旦那様が同等かは分かりかねますが』
ふむ。
沙織さんからしたら、そんな感じなんじゃな。
それは、そうとしてじゃ。
『どうなされました?』
いやの。
アドバイザーさんがの。
映像を止めるタイミングが、絶妙になった、っとのぅ。
以前は、軽く違和感があったんじゃが、まったく感じんのじゃが?
『マスターへお仕えしていれば、自然と身に着くかと』
うーむ。
褒められたのかや?
まぁ、良いわい。
して、続きを流して貰えんかえ?
『畏まりました』
して、映像が流れ始めた訳なのじゃがな。
「そんな化け物相手に、良く無事だったねぇ」
ロゼッタ嬢が呆れたようにの。
したらダリルさんがな。
「ん?
無事ではないな」
「えっ!?
ドコか怪我してんのかい!」
ロゼッタ嬢が慌てての。
そんな彼女へ苦笑しながらな。
「いや、怪我はない。
だが、鎧を傷付けられてな。
アチコチに傷が付いたゆえ、整備せねばなるまい」
そのようにの。
それを聞いたロゼッタ嬢がな。
「アンタねぇ。
そんなんで、無事じゃないとか言われても、ねぇ」
困ったように。
それに対しダリルさんがな。
「いやいや。
ラグラクス程度、しかも相手が万全ではないのに、鎧を傷付けられたのだぞ。
俺からしたら、大事なのだがな。
鍛錬不足を痛感したのだよ」
『呆れましたね』
ん?
何がじゃ?
『あの施設へ保存されていたラグラクスは、通常種ではなく強化種です。
通常の三倍以上の強さは、あったでしょう。
その相手に、鎧が傷付いたとは言え、無傷で勝利しているのです。
それに不満を漏らすとは、思いませんでしたので』
はい?
三倍かえ?
『少なく見積もって三倍です。
それ以上の可能性もありますが』
ほへぇ。
やはり、ダリルさんじゃのぅ。
「んでぇ。
鎧が気になってんならよぉい、ちと、見せてみんねぇ」
ハゲルさんが、そのようにの。
「ふむ。
自分でメンテナンスしようと思ったのだがな。
プロに任せるのも良かろう」
そう告げてから、鎧を外しハゲルさんへと。
槍鉈も一緒にの。
ソレを受け取ったハゲルさんがの。
「おぉう。
こりゃあ、派手にヤッタもんだぬぇい。
鎧の方は補修と強化ぐれぇか。
だがよぉい。
槍鉈の方は、ちと、厳しいぬぅえぃ。
直ぐにとは言わぬぇいがよぉい。
打ち直しか、新たに造るか、だなぁ、コリャよぉい」
あー
ラグラクスと、派手に打ち合っておったでなぁ。
まぁ、そうなるわなぁ。




