野鼠、それは、実は食材じゃった、じゃ、とぉっ!?
ダリルさんの言葉を聞いたカリンちゃんがのぅ。
「そんなに雑に扱うのって、酷くない?」っと。
で、ダリルさんと言えばじゃ。
「ん?
中層では、そこら辺に居るからなぁ。
獲物が獲れぬ場合には、普通に食っておったぞ。
俺からしたら珍しい生き物でも無いのでな」
そがぁなことを言っちょるんじゃがな。
こがぁな野鼠を食うんかいな。
『ドブネズミみたいに病原菌のキャリアでは無いですから。
それに、雑食ですが草食寄りらしいですね。
味は淡白ですが、癖がなく結構な美味しさらしいですよ』
いやいや、アドバイザーさんは、食えんじゃろうに。
『本国の研究者が取り寄せた肉を食したみたいです。
まぁ、危険がない事を検査した後ではありますが』
ほぅ。
なかなかに、チャレンジャーじゃのぅ。
他にも食っておるのかや?
『そうですねぇ。
珍しいとこでは、蜘蛛の足などでしょうか?』
うげっ!
とんだゲテモノが出て来よったわい。
そがぁなん、美味いんかいな。
『不思議なことを仰っられますね?
カニは食べられるのでしょ?』
はぁ?
そらぁ、カニは美味いけぇなぁ。
それが、どがぁしたんなら?
『いや、カニ足を食べれるならば、蜘蛛足だとて食べれるのでは?
深層の蜘蛛は巨大であり、足は地球のカニ足より大きいですね。
味的には、カニ足と似ているそうですが、ソレよりも美味いらしいですが?』
いやいや。
カニ足が食えんくなるで、止めて貰えんか?
『はて?
私には違いが分かりませんが、そんなモノなのでしょうか?』
そがぁなもんじゃてな。
しかしのぅ。
ダリルさんが、野鼠を食うちゅうたらな、ハゲルさんがの。
「いやいや。
そげぇなチンマイの食っても、腹の足しにぁなんめぇいよぉい。
可食部なんてぇ、アンのけぇ?」っとの。
したらの。
「コヤツらは群れるでな。
一匹見付ければ、近場へ数体は居る。
ゆえに複数ほど狩れば、ソレなりの量になるのだよ。
何せ深層では食料を得るのが厳しい、
コヤツらの種は中層から現れるが、深層にも生息しておるのでな。
獲物が得られぬ際には、随分と世話になったモノだよ」
ひょっ!?
深層にも居るんかいなっ!
『身体が小さく、ドコへでも入り込めるからでしょうか。
深層深部の最奥にも生息しておりますね』
なんとのぅ。
そがぁな場所にまでなのじゃなぁ。
実は、結構凄い生き物なのかぇ?
『凄いのでしょうか?
私には分かりかねますが。
ただ、繁殖力が強く警戒心が強い生き物ですね。
隠れるのが上手く、小さな身体でドコへでも入り込む感じでしょうか。
そのため補足され難く、逃げ足も速いため、捕まえるのは難しいみたいです。
とは言え、生態系では底辺ですので、様々な生物が捕食しているみたいですが』
森を支えてちょる食料さん的な、かえ?
『まぁ、そんな感じでしょうか』
ん?
ハゲルさんが、ダリルさんにのぅ。
「はぁ?
数食っても、腹の足しになんのけぇ?」っと、呆れたようにの。
したらダリルさんがな。
「深層深部一区などでの狩りは、持久戦になる。
そうなると、一頭狩るにも数日は掛かるのだよ。
その場合、兵糧丸だけでは身が保たんのでな。
補助的にも食料が欲しいのだ。
その際に気楽に狩れる野鼠は重宝する訳だ。
まぁ、俺からしたら身近な食材だな」
あー
じゃで、捕まえ慣れておった訳かえ。
食材扱いゆえ、検知装置代わりにも、気楽にしておったのじゃな。
まぁ、森では無いで、食べる気はないみたいじゃが。
「そんなぁ〜
そんなに可愛いのに、食べないでよ!
可哀想じゃん!」
カリンちゃんが、ダリルさんに文句を、のぅ。
ん?
コヤツ、微妙に頷いておらぬかや?
『頷いていますね』
『いや、野鼠が人の言葉を理解しますかね?』
『沙織。
言葉は理解していなくとも、場の雰囲気を察することは可能です。
特に、この種は、そのような事に聡いようですから』
空気を読む野鼠かや?
なんとまぁ、珍妙な生き物じゃてな。




