あー、何気に、野鼠さんの、お披露目じゃな。ん?野鼠さん?
ロゼッタ嬢に呆れられたダリルさんがの。
「?
酷い?
何がだね?
狩りで生き物を屠るのと変わらんのだがな。
それに狩るなれば生き残れん。
だが、この場合は、何も無ければ生き残れるのだ。
俺には酷いとは思えんのだが?」
そう告げられたロゼッタ嬢がな。
「で、結局は、その野鼠は、どうなったのさね?」っとの。
したらダリルさんがな。
「ん?
ソヤツなら、ココに居るが?」っと、ポーチから野鼠を無造作に掴んで取り出す。
ポーチで無防備に寝ておった?
掴み出されたのに、まだ、寝ておるな。
なんちゅう呑気なヤツじゃ。
っか、のぅ。
丸まって寝ちょる姿は、カナリ愛くるしいわい。
ダリルさんが、ポーチから出して姿が見えてからは、女性陣の目が釘付けなんじゃが?
まぁ、ポックルは、舌舐めずりしちょるがの。
食わんよな?
「コヤツなんだがな。
洞窟奥まで行ったゆえ放ったら、辺りを彷徨いた後で、俺のポーチへ潜り込みおったのだ。
まぁ、直ぐにギーゼットの背へ放り出すことになったがな」
それを聞いたカリンちゃんがのぅ。
「えっ!?
ポーチへ入り込んだからって、こんな可愛い子を放り出したの?
酷いや!」
などとの。
それへダリルさんがな。
「いやいや。
コヤツ。
洞窟内の廃墟で、何かを動かしおってな」
そう告げると、ハゲルさんが慌てての。
「待て待て。
洞窟の奥には、廃墟が在ったんけぇ!?」
カナリ驚いちょるな。
「ふむ。
ソレを告げておらなんだな。
洞窟奥には、様々な生き物の干涸びた死骸が存在しておった。
しかも、何やら分からぬ残骸の中にな。
洞窟自体も、岩ではない代物でな。
もしやしたら造られた物やもしれん。
まぁ、俺が感じた感じでは、だが。
だが、それ以外は、何も見付けられんでな。
そろそろ帰ろうかと思った訳だ。
したら、風晶石にて造った風球から放ったコヤツがな。
慌ててコチラへ駆け寄り、ポーチへと潜り込みおった。
で、駆け込んで来た方向の壁が開きおってな。
ラグラクスが出て来おったよ。
コヤツ、何かを動かしてしまったので、あろうな」
そうダリルさんが告げると、皆はポカーンと。
ハゲルさんは、コメカミを押さえつつの。
「あーなんだぁ。
壁が開いたてぇのも、意味が分からんのだがねぇい。
そん、ラグラクスてぇのは、なんなんでぇい?」
意味が分からん、ちゅう感じじゃな。
「ふむ。
流石にラグラクスは知られておらぬか。
まぁ、深層中部二区の生き物だ。
ココら辺に住まう者が、知るハズもないか」
そう、一人納得しとるの。
じゃがの。
「「【ええっ!!】」」
皆が、見事にハモったモノじゃて。
仲が良いのぅ。
「ソレって、アノ山へ深層生物が、現れた、って、ことなのかい?」
ロゼッタ嬢が、驚いて告げとるわい。
「ふむ。
現れた、っと言うよりもだな。
アソコへ居ったようだ」
「はい?
元々居たと言うのかい?」
「そうなるな」
それを聞いたハゲルさんがの。
「いやいや。
そりゃあ、オカシクねぇけぇ?
そんだったらよぉい。
こん距離くれぇなら現れてもよぉい」
そう告げるでな、ダリルさんがの。
「いや、居たとは言え、封じられていた?みたい?でな。
なんか、冷気が出る箱の中へ入っていたみたいなのだよ。
そこで寝ていたらしく、箱と部屋の扉が開いて現れた訳だ。
おそらくだが、コヤツがドコかを弄ったのであろうな」
そう告げ、掴んでいる野鼠を見せる。
「ラグラクスは、なかなかに強敵でな。
コヤツをポーチへ入れておっては、万が一もある。
ゆえに、掴み出してギーゼットの背へ放った訳だ」
「いやいや、アンタさぁ。
ギーゼットへ預けた、くらいは言いなよ。
それじゃあ、邪魔だから放ったみたいに聞こえるさね」
ロゼッタ嬢が告げるとの。
「ん?
ソノつもりで言ったのだが?
なにか変だったかね?」
不思議そうに、ロゼッタ嬢を見ての。
まぁ、ダリルさんからしたら、そこら辺へ居る野鼠じゃでな。
特別視する謂れはなかろうてのぅ。




