フランス料理の店へ来てみたわえ。さて、どがぁな味なんじゃろか?
十代の少女がウェイトレスとして出迎えたゆえ、面食らっておるとの。
『マスター
学校が終わって下校した生徒が、アルバイトしているのでは?』っと、アドバイザーさんがの。
ああ、なるほどの。
もう夕方じゃけぇ、学校から帰って来ちょってもおかしゅうないのぅ。
で、その出迎えてくれたウェイトレスさんに、紫藤さんがの。
「予約していた紫藤です」っと。
「承っております。
コチラへ」
そう返して、儂らを席へとの。
店内には儂ら以外の客は居らんようじゃ。
アンテナショップで意外と時間を食ってしもうたけぇ、時刻は午後六時近くじゃでな。
飯時には早い者も多いじゃろが、全く居らんちゅうのは不自然な時間帯じゃと思うんじゃが?
それは紫藤さんも感じたんじゃろうのぅ。
「なんか人が少なくないですか?」っとな。
したらな。
「なぜか分かりませんが、キャンセルが相次いでいるみたいなんです。
店長が頭を抱えていますね」
そがぁなことをの。
『まぁ、本国マザーコンピュータが介入した影響でしょう』
はぁ?
こがな店が、何したちゅうんじゃ?
酷過ぎんかい。
『この店には、何もしていませんよ。
したのは客へ、ですね。
悪行判定に引っ掛かり、資産が消滅した方々が多いのでしょう。
この店はある程度は庶民派ですが、値段はそれなりです。
そうなると、来店客もセレブ中心となる訳ですが、資産消滅まで行かなくとも、資産が目減りした方々が多いでしょう。
一挙に資産が減少したら、贅沢など言ってられませんから。
この店のように、セレブ相手を中心にしていた店は、コレから苦しくなるでしょう』
う〜むぅ。
なんとかしてやりたいが、なんともならんわなぁ。
『似たようなことは、日本中のみならず、全世界で起こっております。
これは料理屋に限らず、全ての業種に言えますが、まぁ高級店のみですね。
ただ、正当に稼ぎ不正していない方は、マザーからの制裁を受けていません。
そんな方も居らっしゃるので、直ぐには潰れないでしょう。
我が社も顧客が減ったみたいですが、まぁ10%で済んでいるみたいですよ。
本当の資産家は、悪事を働く必要も無いみたいですから』
なるほどのぅ。
『ただし、庶民でもパワハラを含む悪事を行っていた場合、資産が目減りしております。
まぁ、パワハラなどを継続していたら、時期に資産が尽きるでしょうが』
まさに、即悪斬、じゃな。
『斬っておりませんので、即悪罪、ですかね』
なるほどのぅ。
言い得て妙じゃて。
で、儂らが席へ着いた頃に、他の客が徐々にの。
会社帰りのサラリーマンもかえ?
『店長がオーナーに告げたところ、SNSにて予約キャンセル状況を発信したらしいですね。
本来は、お手軽価格で庶民的な店だったのですが、セレブ達の予約が殺到して、庶民が入り難くなっていたみたいです。
そのため、空きが出来たことを知らせると、予約が殺到したみたいですよ』
なんとのぅ。
庶民の店が評判が良いゆえ、セレブ連中が乗っ取っちょった訳かえ?
そなぁな客は要らんわなぁ。
『まぁ、正式に予約して客として来ていた訳です。
別に悪いことをしている訳ではありません。
ですが、セレブばかりとなったため、庶民には敷居が高くなっていたみたいですね』
迷惑客には違い無かろうに。
『ですが、店の売り上げ的には良かったみたいです。
まぁ、庶民へリーズナブルな値段で、フレンチを提供したい、と言う彼らの理念からは、外れますが』
そがぁなことを思っちょると、紫藤さんが予約しちょったコースメニューにて料理がの。
アミューズから始まり、オードブル、スープ、ポワソン、ヴィアンド、デザートデセール、コーヒー、ソルベ、チーズ、プティフールとの。
うむ、美味かった。
美味かったのは、確かじゃ。
コレがフランス料理か、ちゅうな。
じゃが、正直、のぅ。
『アノ湯とアノ結晶を使った料理と比較しないでください。
劣るのは当然です』
ダメかのぅ?
『ダメです』
ほぅかぁ、グッスン。




