アンテナショップを辞そうかえ。しかし、高価買い取りにはビックリじゃっ!
沙織さんと紫藤さんに、儂が造った木像を選ばせる。
結構な時間、迷っておったが、結局は日本猫の木像を選んだようじゃ。
洋猫も悪ぅないが、やはり和猫の方が落ち着くらしいわえ。
なんや知らんが癒されるんじゃと。
で、店ちゅうか、爺さんがのぅ。
一個を一万でな。
え?
マジかえ?
「高く買い取り過ぎでは?」
店員さんが苦情をの。
したらの。
「この店では売らんでな。
儂の伝で好事家連中へ捌くゆえ。
この出来じゃて、買う者は多かろうよ」
ニコヤカにの。
ほんでな。
「それでじゃが、そちらの連絡先を教えて貰えんかな」
そがなことをの。
したら沙織さんが警戒したように。
「何故です?
それに木工体験の受付時に、連絡先は記帳してあるハズですが?」っと、のぅ。
そう返され、爺さんが困った様にの。
「儂は、この店へ出資しておるし、協力もしておるが、部外者じゃ。
それゆえ、その記帳された書類は見ることは出来んでな。
個人情報保護法と言うヤツじゃで。
で、なぜ連絡先が知りたいか、なのじゃがな。
一応は一万で買い取ったが、売値が高騰する可能性があるのじゃよ。
その場合、作成者へ還元せんと詐欺罪になりかねんでな。
儂的には一万は安過ぎると思っておるが、買手が付く保証もないでなぁ。
ゆえに、売れた後に還元したい訳だて」
はぁ?
それは、アレじゃなかろうか?
取らぬ狸の皮算用ちゅうヤツじゃ。
ポンポコポン?
「まぁ、そう言うことでしたら。
紫藤」
「はいはい。
これ、私の名刺です。
コチラが窓口になりますので、コチラへ連絡願います」
「流石にガードが固いようじゃ。
ふむ、ココへ連絡させて貰うでな」
爺さんも納得したようじゃな。
連絡先かえ?
そう言えば、儂の連絡先は、今どうなっちょるんじゃろか?
屋敷の住所なんぞ知らんしのぅ。
スマフォも屋敷へ移った際に、新たな機種が渡されちょる。
むろん、電話番号も変わっておるぞい。
まぁ、故郷の友人が裏切った時点で、儂に親しい友人は途絶えたでな。
さらに、親族とも疎遠ゆえ、いまさら連絡するつもりもない。
じゃで、連絡先も不用じゃし、掛かって来ることも無かったでのぅ。
銀行口座なども、本国経営銀行へとの。
保険など諸々すべてじゃ。
つまり、儂と言う存在は、現在特定し難うなっちょる訳じゃて。
そんな状態じからちゅう訳では無いんじゃが、新たな住所や電話番号なんぞを確認しちょらんかった。
っか、今気付いたわえ。
まぁ、なし崩し的に引越しさせられ、怒涛の展開が目白押しじゃったでな。
まるで気が回らんかった、ちゅう訳じゃて。
で、木工体験を終え、何故か木像を納品した訳じゃがな。
そろそろお暇するかのぅ。
「今日は楽しかったですじゃ」
そう告げて席を立つ。
したらの。
「いや、コチラが色々とご迷惑を。
木工体験と言うより、仕事をさせてしまった感じですか。
体験費、本当に返却しなくとも?」
先程から体験費を返却したいとの。
人間国宝爺さんの我儘にて、儂が仔猫木像を量産する羽目になったでのぅ。
それで遠慮しちょるようじゃ。
じゃが、それは、それ。
これは、これ、じゃてな。
「不用じゃて。
それにのぅ。
爺さんが買い上げたゆえ、かえって儲かっておるでな。
返金は不用じゃよ。
では、世話になり申した」
そう告げ、店をでる。
なかなかに面白い店じゃったわい。
想定外のことをさせられたがのっ!
とは言え、微電流の新たな活用方法も見出せたしのぅ。
微電流による動物ウォッチングじゃっ!
鳥も含むぞい。
鳥だけでは無いで、バードウォッチングとは違うでな。
後、微電流で分かる範囲で見付けた児童虐待を、警察に通報しといたでな。
民事不介入とか抜かす下っ端でのぅて、上へ直接圧力掛けての。
っても、警察組織内に潜り込んでおるドロイド達が動いたみたいじゃが。
いや、儂が屋敷へ移ってから、さほど時間が経っておらんのじゃが、様々な組織へドロイドが派遣されちょるらしい。
日本を乗っ取る気かえ!?




