思考加速にて、アドバイザーさんとの話し合いは終わったでな。さて、どがぁしようかのぅ。
そして、時は、動き、出す、じゃっ!
まぁ、アドバイザーさんが幻想機にて、体感時間を加速させちょっただけじゃがな。
とは言え、思考加速ゆえ、周りに害はないぞえ。
どこぞのサイボーグみたいに、超加速にての移動などはできんがな。
『?
マスターなら、可能かと?』
マジ?
『はい』
いやいや、遣らんからのっ!
周囲が衝撃派で吹き飛ぶわいっ!
「そうでしたか。
それなら仕方ありませんなぁ」
うぉ!
思考加速を解いたら、爺さんがの。
儂からしたら、唐突に語り掛けられたようなもんじゃて。
ちとビビったわえ。
「しかし、それほどの品を造られるのに、誠に残念ですじゃ。
店に置いておったら、直ぐにでも売れるレベルですからのぅ」
そこまでかや?
トンと実感が湧かんのじゃが。
「会長。
造られた品は、どうなされるので?」
そう沙織さんがの。
どう、ちゅわれても、のぅ。
造り方は覚えたでな、幾らでも造れる品じゃて。
ゆえに自分で持っておる意味も無いでのぅ。
とは言え、素人が造った代物じゃ。
売るのも違うじゃろ。
それに、じゃ。
「沙織さんや」
「なんでしょう?」
「もしかしてじゃが、コレ、欲しかったりするかのぅ?」
なんや知らんが、妙に儂が造った木像をのぅ。
熱い視線ちゅうヤツかいな?
「え?
頂けるので?」
いや、まだヤルちゅうとらんのじゃが?
まぁ、別にアゲても良いがのぅ。
あがぁにキラキラした目で見られちょるて、断り難いでな。
したらの。
「あーっ!
沙織様だけ、ずるいっ!
私も欲しいっ!」
いや、紫藤さん?
こがぁなキャラじゃったかいな?
仕方ないのぅ。
「店員さんや」
「なんでしょう?」
「もう一品造りたいのじゃが、可能じゃろうか?」
そう告げたらの。
「体験枠の時間は余っておりますので、木材を購入されれば可能ですが?」
ふむ、なればじゃ。
「先程と同じような木材は有るかのぅ?
有るなれば、購入したいのじゃが?」
「確か、十数個は残っていましたか。
切り出す時に、複数用意しますので有りますよ」
いや、そがぁに要らんのじゃが?
「ほぅほぅ。
で、あるならば、じゃ。
ついでに、複数造って貰えぬか。
コチラで買い取るでな」
いや爺さん?
マジで言っとるんかいな?
「素人の作じゃぞい。
そがぁなモンを買い取って、どがぁすんじゃな?」
「むろん売るのだが?」
「はぁ?
売れるんかいな?」
本気かえ?
売れるとは、思えんのじゃが。
「そうそう。
その木像にもだが、裏へ銘を刻んでおきなされ。
それに値する品ゆえにのぅ」
はい?
マジで・・・言っちょるようじゃな。
いや、なにを?
まぁ、苗字で良いかえ。
『フルネームを彫られた方が良いかと』
アドバイザーさん、お主もかえ!
仕方ないけぇ、裏側へ儂のフルネームを漢字での。
こがぁなのに、意味があるんじゃろうか?
で、儂の前に数十の木材が。
全てが槐の木材じゃて。
先程、造った仔猫の木像とは違う形を。
同じヤツを彫っても、つまらんでな。
ペルシャなヤツにシャムにマチカンなどなど。
日本猫の方が多いがな。
まぁ、辺りに居る猫を参考にしちょるけぇ、仕方ないわのぅ。
で、最後だけ、仔犬が寝そべり欠伸したヤツを。
いやの。
余りにも可愛いかったでな、思わず、ちゅうヤツじゃ。
こん品は、儂が気に入ったで、儂のじゃな。
「会長、その品は?」
「ん?
こりゃぁ、儂んじゃの」
「えっ!
そんなぁ〜」
こりゃこりゃ、沙織さん?
キャラが崩れておらぬかや?
あ、アドバイザーさんに叱責されちょるわい。
まぁ、考えてみれば、沙織さんは二十代前半。
本来ならば、女子大生じゃて。
じゃが、大検、今は高認じゃったか?
あれを、早々に取り、さらに大卒資格もの。
学問的には、アチラ側本国の教育を受けちょるで、地球の知識層が園児並みと思えるレベルじゃ。
地球の大学なんぞ、通う価値もないでのぅ。
しかも、既に働いておるし。
とは言え、若い娘さんじゃ。
気持ちは分かるが、就業中じゃで、弁えて欲しいモンじゃて。




