会社役員ちゅうか、名誉会長となっちょったのは、知っておったが、親会社については、聞いておらんのじゃが?
爺さんの説明で、店員さん達が仰天してな。
「ひゃー
そんなに偉い人だったのぉ!?」
とか。
「うわー
俺、普通に接しちゃたよ」
などと。
いやいや。
儂ぁ、何処へでも転がっちょるような爺じゃけぇの。
そがぁな大層なもんじゃ、ありゃせんわい。
『人造種化しておりますが?』
見た目には分からんでな。
ノーカンで。
「我が社は祖衛垣グループ関連会社ですので。
会長は、親会社の役員待遇でもあらせられます」
はい?
祖衛垣グループちゅうたら、大戦後も財閥解体されんかったちゅう、巨大企業じゃろ?
っか、世界規模な会社じゃったよな?
『はい。
この世界に似た世界は、他にもパラレルワールドとして存在しますが、この企業は、この世界にしか存在しません。
と、申しますも、本国が介入したのは、この世界だけですので』
ん?
他にも儂らと同じような世界が在るんかいな?
『幾らでも御座います。
その中でも次元エネルギーが得易い世界として、この世界を選んでおりますから。
まぁ、それでも数多の世界の一つですが』
そがぁなことに、なっちょったんじゃのぅ。
「こ、こりゃぁ、流石に勧誘は無理かのぅ」
そう爺さんが、のぅ。
「当然です。
諦めてください」
沙織さんが、当たり前ちゅう感じでな。
いやいや。
儂ぁ、いつの間に、そがな役職に就いておったんじゃ?
『マスターが、退職願いを出した日からですね。
ついでに申しますが、役員待遇と沙織が申しましたが、正確には名誉会長となります。
あのグループ会社は本国経営会社となります。
つまり、本社は本国です。
背後には、我々の世界が控えておりますので、この世界で逆らえる者などございません。
ゆえに、財閥解体などにも該当しなかった訳です。
まぁ、第三者として戦争への介入をしない取り決めに、コチラへ介入しない取り決めがありました。
それを無視しようとした役人や政治家は、一族郎党ごと、この世界から消えましたが』
ひょっ!
殺したのかえ!?
『そんな野蛮なことは致しません。
人が居住可能な世界へ、開拓道具と支援込みで送り出しただけです。
まぁ、初の人類となり、人類の祖となれたので、本望でしょう』
こ、こえぇっ!
ソレってセレブが開拓民として、荒野へ放り出されたのと同じでは?
『そんなことはありません。
キチンとログハウスは用意してありましたし、銃や弾丸も供給しております。
農具に家畜などもですね。
近くに森や湖もあり、自然豊かな場所です』
ほぅ。
スローライフには、良さそうじゃな。
『まぁ、当然ながら猛獣などは現れますし、風土病などもございます。
コチラの文明に慣れた方々には辛かったと思いますね。
まぁ、現在は生き残りの孫が、アチラで生活を営んでおりますが、アチラが普通となっております。
とは言え、弾薬が切れた銃は使用不可となっておりますが』
はい?
ソレでは戦えんのでは?
猛獣なんぞも居るんじゃろ?
『一応、我々も鬼ではありません。
キチンと鍛治技術は教えてあります。
ソレにて、槍などを造って防衛していますね。
ソレに、この世界にて我が社へ不正な悪意を向けた者も、定期的に送り込み、人員補充しております。
まぁ、暴力で集落を牛耳ろうとした輩は、さらに制裁しとして、その世界の僻地へ放り込んでおりますが。
戦いたいなら、存分に、っという訳です。
無論、我々も鬼ではありません。
剣に槍に防具は支給しております。
後は、ご自分の才覚しだいでしょう。
まぁ、集落から星の反対側大陸ですから、集落へは戻れないでしょうが』
いや、それって、完全に死地であろ?
生きておらぬのでは?
『そうですね。
全滅しております。
罪を犯し送られた流刑地で、さらに罪を犯したのですから、当然の処置かと。
自分の才覚で生きる機会を与えられただけ、かなりの恩赦だと思いますが?』
うわー
送られたく無いわえ!
怖過ぎるじゃろっ!




