なんか国宝爺さんに、難癖つけられちょらんかえ?え?そゆこと!
人間国宝の爺さんに、何故か職人疑惑を掛けられたんじゃが、なんでじゃ?
「木目ちゅうのは良く分からんが、刃が通り易い木のフシは何となく分かったがのぅ。
木筋の流れに沿うように彫れば、彫り易いと思っただけじゃて」
まぁ、微電流を流せば、なんとなく分かるでな。
「その木筋の流れを、木目と言うのじゃがなぁ。
経験でのぅて、自然に分かったと?」
まぁ、自然に、ちゅわれると語弊があるのじゃが、まぁ、そうなるかのぅ。
普通の者には微電流は扱えんしな。
「まぁ、何となくですなぁ」
「そんなことより、これ、可愛いですね。
凄く愛らしいし、売り物にめ出来るレベルですよ」
女性店員が、間に入ってのぅ。
したら爺さんが不機嫌そうに。
「じゃがのぅ。
これだけの品を作る者が、木工体験かえ?」
なにが、そがぁに不満なのやら?
「お金を払っていただいて、体験して頂いているのです。
お客様なのですから、こちらに嫌はありませんが?」
男性店員が、儂を庇うようにのぅ。
「そこなのじゃよ。
これだけの腕を持っておって、何故、木工体験を?
出来るなれば、儂の工房へ来て貰いたい人材なのじゃが?」
爺さんが告げると、二人が驚愕顔に。
「はい?」
「えっ?
そこまでなのですか?」
「そこまでなのじゃよ。
おそらくじゃが、この方はモビルス○ツをも削りだせような。
下手な職人よりは、腕は確かじゃと思われるわい」
いやいや。
職人ですら無いでなぁ。
そがぁなことは、のぅ。
っか、妙に絡んで来るで、つい爺さんに微電流をのぅ。
まぁ、理由が知りたかっただけじゃが、爺さんのスキルも。
スキルは別として、爺さんとしては、己の工房を継ぐ者を探しておることが、記憶からな。
で、儂が像を彫り出す様を見て、跡継ぎとして欲しゅうなったそうな。
爺さんの息子は事故で亡くなっており、孫達は木工に興味がないようじゃ。
弟子達の腕前じゃが、若手ではのぅ。
ベテラン勢は皆が歳ゆえ、跡継ぎとしてはトウが立っておる。
故に、跡継ぎとしてはな。
で、そんな爺さんの前にじゃ。
見た目は若い儂が、ゆうゆうと(見えてるだけ)木材を彫り素晴らしい(らしい)像をの。
こりゃぁ、跡継ぎが見つかった!ちゅうてな。
をいをい。
勝手に決めんで欲しいんじゃが?
まぁ、まだ口には出しておらんのじゃが、儂とリンクしちょるアドバイザーさんの機嫌が、のぅ。
『当たり前です!
マスターは、我々の要となる方なのですから。
キチンと分からせないと、ならないでしょう』
をいをい、穏便に、のぅ。
「して、お主は、何処の工房の者なのじゃね?」
じゃがらぁ、儂ぁ木工職人ではないからのっ!
「この方は、弊社の会長にございます。
木工職人では、ございませんが?」
沙織さんが、間に入っての。
「ほぅ。
何処の会社じゃね?」
「ドリームステージと申します」
そう告げると、店員さん達は知らないちゅう感じじゃな。
まぁ、日本に数多の会社が有るで、有名所でなければ知らんわなぁ。
じゃが。
「ド・ドリーム、ステージ、じゃ、とぉ!
本当の話しかね!?」
いや、爺さんが、えろうビックリしちょるんじゃが?
「知っておられるので?」
店員が不審げに。
「儂は一回だけ利用させて貰ったことがあるサービスを、提供しておる会社じゃな。
それも、アラブ王族が来日してな、儂の作品に興味を持たれ、その縁にて御招待いただいた時のみじゃ。
あのサービスはセレブ。
しかも世界規模で上澄みの方々のみが利用できるサービスでな。
とてもでは無いが、庶民が利用できる物ではない。
個人的に利用しようとしたら、儂は明日から路頭に迷うじゃろうて」
そこまでかよっ!
『当然です。
元来、我々は、この世界の経済活動や生活に興味はありません。
無理難題を押し付けられたら撤退すれば良いだけですので。
まぁ、その場合は、マスターにも来ていただきますが』
ソレは困るのぅ。
日本は、それなりに気に入っておるでな。
しかし、なんか木工体験しに来ただけじゃのに、大袈裟になっちょらんかえ?




