アンテナショップとやらへ向かおうかのぅ。おや?彼女は?
そがなことを話しちょる間に、沙織さんが来たようじゃて。
なので、そのアンテナショップとやらへ向かうことにの。
専用エレベーターにてビルのロビーへと。
したら、ロビーにの。
「久し振りじゃの。
たしか、紫藤さんじゃったか?」
儂が告げると、紫藤さんが不思議そうにの。
「失礼ですが、何処かでお会いしましたでしょうか?」っとの。
はぁ?
「酷いのぅ。
この間、このビルに案内してくれたじゃろうに。
開いとらん喫茶で待ち合わすことになったヤツじゃ。
多羅じゃが、覚えちょらんかのぅ?」
忘れられるには、早いような気がするんじゃが?
「え?
多羅様!?
外見、変わり過ぎでは無いですかぁっ!!」
ほうかのぅ?
なんか、照れますわい。
『いや、何処に照れる要素が?』
まぁ、アドバイザーさんや、そがぁに突っ込まんでもの。
しかし、そがぁに変わちょるかいな?
「驚きましたが、沙織様がガードされていると言うことは、間違いないのでしょう。
アンテナショップまで案内するため参りました。
では、行きましょう」
ほう。
わざわざ、済まんことじゃてな。
「しかし、背丈から顔の造りに筋肉の付き方、体型自体違いますね?
っと言うか、ヤッパリ、どう見ても別人なんですが?
この短期間で、何があったんです?」
いや、そがぁな興味津々ちゅう顔で見られても、のぅ。
「まぁ、色々じゃな」
「いや、その中身が知りたいんですが?」
「紫藤さん」
「はい!
沙織様!」
「社外秘であり、特秘事項です。
上層部の方々にも明かされていない内容となります。
紫柳家縁戚である紫藤家の者なれば、弁えなさい」
おや?
沙織さんとは、親戚かえ?
『そうなりますね。
本社へは、本国に関わり合いがある家の者が、多く在籍しております。
沙織は、そのような家の者となります。
そして紫藤家は家の格的に、紫柳家には及びません』
ほうなんじゃのぅ。
「まぁまぁ、沙織さんや。
あまりキツう言わんでくだされや。
紫藤さん」
「なんでしょう?」
「例の機器が関係しておるでな。
迂闊に話せぬのじゃよ。
それに、紫藤さんが感じちょるようなことは、公になると騒ぎになるでな。
あまり、ことを荒げとうはないのじゃ。
騒ぎになると、色々と、のぅ」
変な輩が来ても困るでな。
「なるほど。
確かに、そうですね。
あっ、っと、ココを曲がった方が近いかな?
コチラです」
ふむ。
結構、歩くのが速いのぅ。
以前の儂なれば、逸れておったじゃろうて。
しかし、大通りを逸れて路地を進むと、結構静かな場所となるのじゃな。
街中じゃと思うておったが、こがな場所も在るんじゃなぁ。
で、そのような場所の一角に、都会に似合わぬ古民家が。
この家、辺りからしたら異色過ぎぬかえ?
『どうやら他所からコチラへ、移築したみたいですね』
わざわざ、かえ?
『自県の建屋をコチラへ建てることで、アピールしたかったのかと。
そのため、当初は結構な話題となったみたいですよ。
他県のアンテナショップが真似したり、個人で自宅を似た感じに真似た家が出て、話題性が落ちたみたいですが』
まぁ、人気となれば、真似る者も出るわなぁ。
それで、肝心の中身は、どうなのじゃ?
『県の特産品が買えるのと、食堂もありますね。
目的の木工細工も買えるのと、木工体験が人気となっています。
後は陶芸体験も出来ますが、焼くのは別の場所になりますし、壊れ易いため手元に届かない場合もあるため、あまり人気は無いみたいですね』
なるほどのぅ。
じゃが、陶芸かぁ。
陶芸にガラス細工なんども、テレビにて職人が作業しちょるのを見たことがあるのぅ。
アレらも面白そうじゃて。
『ならば、ヤッてみられては?』
はい?
まぁ、時間はあるし、一考の価値はあるかや?
『マスターは映像空間ならば、簡単に様々な体験が可能です。
それに、陶芸用の登り窯や、ガラス工房は屋敷地下へ存在しますので』
はぁ?
なんで、そがぁなモンが?
『歴代の親方様の中で、ソレらに興味を持たれた方がですね。
屋敷地下へは、大概の施設は整っておりますから。
まぁ、無ければ造れば良いだけですし』
ほんに、あの屋敷は、大概じゃのっ!




