皆がニヨニヨで、場が、のぅ。それを無視して説明かえ?さすダリじゃ!
女性陣がカリンちゃんを含め、ニヨニヨなんじゃが?
で、そんな場を気にせずにダリルさんがの。
「まぁ、以前にギーゼットに出会っていた訳だがな。
そんなギーゼットが、ボルゾックの群れに囲まれておってな。
最初は雷での探索にて感知したゆえ、状態は分からんかった。
だが、現場へ行くと、木の上へ仔を連れたギーゼットがな。
まぁ、擦れ違っただけとは言え、害意を向けなかった相手だ。
ゆえに助太刀した。
まぁ、ボルゾックなどは、リーダー格の数匹を屠れば逃げ去る。
ゆえに、リーダー格を射殺した訳だ」
そのように説明したダリルさんに、ハゲルさんがな。
「あんよお。
そんボルゾックってぇのは、なんなんでぇい?」っと。
「ああ、中層の生き物ゆえ知らんのか。
狼系の犬種だな。
見たこと無い者へ説明は難しいのだが。
まぁ、説明するとだ。
まずは口か。
犬で口が前へ出る部分、マズルだったか?
それが、かなり長い。
耳は垂れているな。
体高が高く、スラリと長い四つ足に相応しく、走るのが速い。
鎧熊など、軽く振り切れるからな。
そして、最大の特徴であり、狩る場合の素材なのだが。
体毛だろうな。
毛皮ではなく、毛だ。
なにせ、絹のような光沢と滑らかさを持ち、凄く強靭なのだよ。
この毛が長く、全身を覆っている訳でな。
ある意味、天然の鎧と言っても過言ではないだろう。
つまり、この毛で織った布で造った衣服は、下手な革鎧を凌ぐ。
ゆえに、ボルゾ糸は高値で取引されているからな」
「ボルゾ糸!
なんてこと!
ボルゾ糸の素材が、こんな近くにかい!」
「おじょ、あ、あぁ、ロ、ロゼッタ、よぉい」
「なんだい?」
「う、うぅむぅ。
落ち着いたようだねぇい。
いやな。
素材ってけどよぉい。
俺達にゃぁ、独自で取得できねぇかんよぉ」
ハゲルさんに言われ、ロゼッタ嬢も気付いたようだ。
「確かにねぇ。
中層レベルの場所は、ねぇ」
困ったようにの。
そんなロゼッタ嬢へダリルさんがの。
「ロゼッタ達では、ボルゾック単体でも無理だろうな。
なにせ足が速いし、牙や爪も鋭い。
力も相当にな。
なにせ、群れたら、鎧熊や猪熊でさえ狩るからなぁ」
「猪熊?
なんだい、それは?」
「ん?
ロゼッタは知らんのかね?
そうか、ヤツも中層の奥側にしか居ないから知られておらんのか。
ヤツは猪なのだが、四肢が熊のように太いんだ。
体がデカいことから熊みたいな猪として猪熊と呼ばれるな。
猪と同じく突進し、その牙で敵を屠る感じだ。
それ以外に剛腕を振るい、その鋭い爪で切り裂くことも可能でな、結構、厄介だぞ。
木登りは得意では無いが、できないこともない。
ゆえに猪と違い、樹上へ逃れても安全ではない訳だ。
だから出会ったら逃げるのが困難でなぁ。
“中層狩人殺し”とも、呼ばれているな。
俺も昔は敵わずに、樹上を跳び逃げたものだ。
まぁ、身体が大きく重いからな。
追って来て木から落ちたヤツも居たなぁ。
アレでダメージを負ったから、なんとか狩れたんだよ。
良い思い出だ」
アドバイザーさんや。
『なんでしょう?』
今の話しに、良い思い出と言える箇所が、あったかえ?
『AIの私に、聞かないでください』
沙織さん?
『分かりかねます』
いや、まだ、尋ねては、のぅ。
『流れ的に分かりますので』
さよで。
「ついでに告げておくが、ギーゼットはグルガムスと言う種だ。
敵対して来たら狩るが、基本的に友好的で知能が高い種ゆえ、ウチの里では狩らんな。
隠形の術に長けており、樹上に潜んで獲物を狩る感じだ。
足の速さはボルゾックを凌ぎ、群れ相手でも負けんな。
この度は、仔が居るゆえに反撃できなんだみたいだ。
仔の何匹かを、アヤツらに狩られ、コイツが最後の一頭みたいでなぁ。
なんか、コイツに俺が懐かれて、背嚢へ跳び付かれた訳だ。
で、背嚢を伝い、頭へな。
無理に剥がすと怪我させそうでな。
ギーゼットを見たら、俺へ同行しそうだったので、素材を背負わせ帰って来た訳だ」
「いや、同行させ帰って来ただけ、って、アータねぇ」
ロゼッタ嬢が呆れておるわい。
まぁ、気持ちは分かるがのっ!




