カリンちゃんが目覚めたぞい。目覚めたんじゃが、ギーゼット?なにしちょる?
で、ダリルさんが何かを懐から取り出し、カリンちゃんへ。
なにかの草か葉じゃな。
『おそらく気付けを行うモノと』
なんと、そがぁな品まで持ち歩いとるのかえ?
『他にも効能がありますので、気付け用ではないかもしれませんが』
なるほどのぅ。
狩場では怪我などは付き物じゃろうて。
なれば、癒す代物くらいは常備しとろうな。
『まぁ、人造種であるダリル殿は、自己治癒能力に長けておられます。
ゆえに、腕がモゲても、くっ付けて固定すれば、一週間で元に戻りますが』
化け物じゃな。
『むろん、マスターも可能ですよ』
何が、無論なのか、小一時間ほど問い正したいのじゃが?
『勘弁いただければと』
っか、いつの間にか、儂も化け物かえ?
信じたく無いモノじゃな。
食い気ゆえの誤りと言うものは。
『あ、あのぉ〜』
ん?
なんじゃな?
『私も、そうなってしまうのでしょうか?』
両手で、両方の二の腕を掴みつつ、青い顔での。
そがぁに、絶望感、出さんでも、のぅ。
酷くね?
『おそらく大丈夫でしょう。
沙織は、幻想機の適合者では無いのですから、人外にはならないかと』
だからぁ!
儂の扱いぃぃぃっ!
まぁ、良いわ。
それよりも、の。
「あれ?
ダリル兄ィ?」
「なぁ〜ん」
いや、そのな。
せっかく気が付いたんじゃが?
そんなカリンちゃんを、横からペロリってのぅ。
で、スリスリと。
「へ?
え?
あ、気持ち良い?
ふぁ〜
なに、これぇ〜
サラサラで滑らかなのに、暖かくて、モフって。
え?
大きな獣?
あれ?
害意がない?
どうなってんの、コレぇ〜!」
カリンちゃん、大混乱。
そんなカリンちゃんへの。
「済まんな。
狩場で気に入られたようでな。
何故か着いて来てしまったのだよ。
コイツは以前に街へ、別の狩人と共に来ていたらしい。
まぁ、ハゲルが若い頃らしいがな。
名は“ギーゼット”と言うらしい。
コッチは多分、名は、まだ無かろうがな」
そう告げ、己の頭へ、ヘバリ付いていた仔グルガムスを剥がし、皆の前へと。
いや、そのな。
あまりにピタリと、ヘバリ付いておったでなぁ。
なんか馴染んで違和感なかったのじゃが。
改めて考えると、えらいシュールな状態じゃったような。
『えー
可愛かった、です、よ?』
何故に疑問形?
っか、可愛いかえ?
っかのぅ。
「ダリルさぁ。
アンタ、どっから取り出してんのさ」
ロゼッタ嬢が、呆れたように。
「取り出すって、オマエなぁ。
コイツが、頭にヘバリ付いて離れなかっただけだ」
「いや、だからさぁ。
どうしたら、そんなことになるんさね?」
訳が分からん、っう感じでな。
「いやな。
ギーゼットとは、街へ行く途中で出会っていてなぁ。
その時は進路上に居たギーゼットが、道を譲ってくれたのだよ。
まぁ、その後に遭遇した鎧熊は襲って来たから返り討ちにしたがな」
それを聞いたロゼッタ嬢が額へ手を当てて、ヤレヤレ、っう感じでの。
「簡単に言わないどくれな。
鎧熊を返り討ちって、ねぇ」
「お嬢」
「ロゼッタ」
「ん?」
「呼び方」
「お、おおぅ」
ハゲルさん、タジタジ。
まぁ、結構な圧じゃてなぁ。
『ご主人様』
なんじゃぇ?
『あのお二人って』
『最近、くっ付きましたね』
『そうなのです?』
『キューピットは、マスターです』
『きゃー
そうなんですぅ』
い、いや、沙織さん?
キャラ、崩れておらんか?
「あー
ロゼッタ」
「なんだい、アンタ」
アンタ呼ばわり、か、よっ!
あ、一線超えよったな、コヤツらっ!
ケシカラン!
「い、いや、よ、よぉい。
ダリルは深層狩人だかんねぇい。
鎧熊なんぞは、なぁ」
いや、真っ赤かですなぁ。
流石に、全員に悟られてしもうておるぞ。
末永く、爆発するが良い!
『なぜ、爆発なのでしょう?』
『沙織。
AIの私に聞かないでください』
こほん。
単なる様式美じゃてな。
深く聞かんで頂けると、有り難いのじゃが?
お願いしますじゃぁぁっ!




