アッちゅう間に下山しおったわい。っか、マジかぁっ!
ダリルさんが下山し、森を抜けて走っておる頃、ようやく沙織さんが復帰したわい。
『な、なにが?』
ぼーっと、しちょるのぅ。
まぁ、あまりにも過激な刺激に耐えきれず、気絶しちょったんじゃけぇ、無理も無かろうて。
で、アドバイザーさんが、沙織さんへ説明を、の。
ボディガードなのに気絶したゆえ、落ち込んでおるのぅ。
じゃが、あがなシーンを連続で見せられたら、そりゃぁ仕方ないわえ。
っと言うかじゃ。
ほんに、信じられんヤツじゃわい。
『どうかされました?』
沙織さんが、不思議そうにの。
いやのぅ。
ダリルさんが、ハゲルさん達に追い着いただけじゃて。
っか、カリンちゃんが、信じられない物を見た感じで固まってのぅ。
皆が、何事っ!っと、慌てちょるとこじゃて。
探索範囲が広いでのぅ。
それも、良し悪しじゃな。
しかもダリルさんの隠業が優れておるゆえ、カリンちゃんはダリルさんを探知できておらん。
で、グルガムスも隠業に長けておるが、そちらはカリンちゃんの探知を潜り抜けれんかったみたいじゃの。
シッカリと補足されちょるわい。
そうなれば、肉食獣が高速で迫っちよることにのぅ。
「ダメぇ!」っと叫んだカリンちゃんが、蹲って頭を抱える。
まぁ、感知したら、間に合わないとか、のぅ。
そらぁ、最高速度で走る新幹線以上の速度で、自分に向かって来ているようなモンじゃて。
アッちゅう間に、のぅ。
そんなカリンちゃんへの。
「ん?
カリンは、どうしたんだ?
何かあったのか?」っと。
「へっ?」
恐る恐る、顔を上げる、カリンちゃん。
そらぁ、のぅ。
いきなり、ダリルさんの気配が現れたら、な。
で、顔を上げたらの。
ダリルさんの代わりにグルガムスの顔が。
ペロリっと、カリンちゃんの顔を。
「きゅぅ」
ありゃぁ。
目を回して倒れてしもうたわえ。
「ちょ!
カリン!
この獣!
カリンから!」
「コラ!
何をしとる、何を!」
ダリルさんが、軽くグルガムスの頭を叩く。
いや、周りの者達が唖然と。
したらな。
カリンちゃんを軽く嗅ぎ、顔を更に舐めておる。
なんじゃ?
「まさか。
あまりに弱々しいから、庇護下に置かねば、とか、思ってはないよな?」
ダリルさんが告げると、軽く頭を捻る感じに。
その後で頷いておるな。
いや、マジかぁ。
「ちょいと、ダリル?
これ、どう言うことなのか、教えてくれないかねぇ?」
ロゼッタ嬢が、お冠なんですが。
が。
「ちと、待て。
コヤツ、まさか、ギーゼットけぇ?」
ハゲルさんが、そんなことをな。
「知っているのか、コイツを」
ダリルさんが、不思議そうに、の。
したらな。
「俺が知っている個体だったら、だがよぉい。
俺が若え頃に街へ来てた狩人が連れてたんでぇい。
賢いヤツでねぇい。
で、そん狩人が街に来なくなって、コイツもなぁ。
ま、そん時に知ってた、っう訳さね」
ほぅ。
やはり、人と接点があった訳なのじゃな。
妙に人懐こいと、思うたわえ。
「ふむ。
やはり人と過ごしていた頃があったのか」
「いや、なんか納得しているけどねぇ。
何処から連れて来たんさね」
ロゼッタ嬢が呆れたように。
ちなみに三人娘は、遠巻きに様子見じゃな。
「いや、久々に狩りをしに、アノ山を上がって狩りをな」
「ちょと待ってくれねぇけえ。
アン崖山を、か?」
ハゲルさんが、信じられないように、の。
まぁ、ロゼッタ嬢もじゃが。
三人娘は、それを見て首を捻っている。
「あんなぁ、ダリルよぉい。
あの切り立った崖を登れるもんなんけぇ?
普通は無理だがねぇい」
ハゲルさんが、後ろ頭を掻き掻きの。
「反対側ほどでは無いが?
コチラから登るのは、楽だったな」
そのように。
「あの山を登るのは不可能って、話しになってんだけどねぇ。
それに、アノ上が、どうなっているのか、長年謎になってんだけど、上ってどうなってんのさね?」
ロゼッタ嬢が、食い気味に。
「ん?
浅層から中層の環境になってるな。
ゆえに、俺が狩りをするには適しておるぞ」
そがぁ風に返しておる。
まぁ、皆は余りのことに、唖然としちょるがの。
まさか、こがぁに街へ近い場所に危険地帯が在るとは、思っちょらんかったじゃろうしの。
仕方あるまいて。




