グルガムスを無視して、ボルゾックを解体しちょるダリルさん。じゃが、グルガムスが、のぅ。
ダリルさんが解体しちょると、グルガムスちゅう獣が、仔を咥えて樹上からの。
トスッちゅう感じで、殆ど音がせんかったわい。
まぁ、ダリルさんは、トスッちゅう感じの音もさせなんだがのぅ。
で、呆れたことに、ダリルさんに頭を下げちょるんじゃが?
え?
まるで礼をしちょるように見えるぞい。
で、そんなグルガムスへ、解体した肉を放っておるな。
グルガムスは、ダリルさんを、ジィィッっと。
ダリルさんが頷くと、仔へ肉をの。
流石に乳飲み仔ではないか。
「確かグルガムスは、多産だったハズ。
他の仔は?」
解体しながら告げるダリルさんに、首を左右へ振り返事を。
「そうか。
その仔のみ残ったか」
頷いちょるな。
なんとのぅ。
人の言葉を解するかえ。
「グルガムスは賢いと聞くが、人の言葉を解するとは聞かん。
おまえ、人と暮らしたことがあるな?」
頷くかぁ。
ほんに賢いのじゃな。
で、グルガムスへ語り掛けながら解体を進めちょったダリルさんが、解体を終える。
で、解体した荷を背嚢へとの。
全て背嚢へと収まるとは、のぅ。
デカい背嚢じゃて。
で、背嚢を背負っておるダリルさんの足元へ、仔グルガムスがの。
ヘバリ付いて、足へスリスリしちょるんじゃが。
人懐っこいのぅ。
「おい」
親グルガムスが、首を捻っておる。
なんか可愛ゆくね?
『はい、可愛いです!』
ほうじゃろ。
しかし、真っ黒な天鵞絨のような毛皮が、日を照り返し光っておる。
顔はチーターみたいでな、意外と愛嬌が、のぅ。
親グルガムスが、こがぁなのに、仔の方はさらに、の。
いやぁ、めんこい、のぅ。
で、そがぁな仔グルガムスに纏わり付かれ、ダリルさんが困惑しちょるのぅ。
これは、珍しい。
「俺は帰るのだがな。
っか、コラ。
背嚢へ、よじ登るんじゃない」
おやおや。
仔が背嚢へ跳び付き、そから、よじ登っとるわい。
ダリルさんが、頭をガジガジと。
その搔いておる頭へ、仔が跳び乗っちょるな。
邪険にできず、ダリルさんが困っちょるわい。
こりゃぁ、珍しい。
困惑した感じで親の方を見ると、そちらは大欠伸。
その姿を見たダリルさんがの。
「まさかとは思うが、俺に着いて来るつもりではあるまいな?」
そのように。
したらの、なんか、そのな。
ニヤリっと。
いや、笑えるのかえ?
ダリルさんが、額を抑えてのぅ。
「なんで、そうなる?
俺は狩人であり、修行の身でもある。
キサマらの面倒などみれんぞ」
したらな、親グルガムスは、ダリルさんの頭を。
いや、頭に乗った仔を見ちょるんか、アレ。
「もしや、オマエの仔が、俺を気に入ったからか?」
頷いて、ダリルさんの顔を見ておるわ。
十分な意思表示じゃろうな。
「ううむぅ。
ならば、狩った荷を運べ。
なれば、同行をゆるそう」
あー、ダリルさんが運べる量としては、荷車でもない限り分量は限られるじゃろうな。
その荷車も、こがぁな場所なれば持ち込めまい。
ならば、荷駄などとして馬など、と考えた場合、狩場にて襲われる可能性がの。
さらに、このような場所まで、着いて来れるハズもないでな。
で、頷いちょる親グルガムスなれば、それをクリアできる訳かや。
ため息を吐いたダリルさんがの。
「承諾するとは、な。
ふぅ」
そう告げ、再び背嚢を降ろす。
で、背嚢から袋とロープを取り出し、ボルゾックを解体した肉を袋へと。
それを、親グルガムスへと括り付ける。
「それはキサマらの餌にする。
不用ならば、ココへ破棄するが?
持って行く、で、良いかね?」
頷いちょるな。
ほんに賢いのぅ。
『グルガムスは知能が人並みとのことです。
晶石も身に宿し易い生き物であり、過去の戦争でも兵器として活用されておりました。
ただ気難しく、気を許した相手以外には懐かないのだとか。
食す量は成猫でも人の成人男性と同じ程度らしく、飼い易い生き物では、ありますね。
正直、ダリル殿やハゲル殿ほどは食べませんので』
えっ!?
肉食獣じゃろ!
そがぁな程度で、持つんかえ!?




