さすダリじゃてな、まさに忍ぶ者じゃ。沙織さんが分からんユうておるでなぁ。どがぁするかのぅ。
ふむ。
沙織さんは、ダリルさんが気配を消しちょるで、認識できん訳じゃな。
つまり、ただ高速で移動しちょる感じな訳じゃ。
こりゃぁダリルさんを認識できんと、意味が分からんじゃろうて。
なれば、ダリルさんを、曲がりなりにも知覚できれば良くないかのぅ?
『えーっと。
目的地も分からず、着いて行っているハズの相手も、分からないよりはマシと思いますけど・・・
何をされるのでしょう?』
沙織さんが、困惑したようにの。
ほじゃけぇな。
アドバイザーさんに頼むことに。
『私にでしょうか?
なんでしょう』
アレじゃ、アレ。
『いえ、アレでは、分かりかねますが?』
いや、ほれ。
以前にダリルさんの輪郭を、赤い線でなぞって分かるようにしてくれたじゃろ?
アレと同じことをして欲しいのじゃて。
『なるほど。
映像へ手を加える訳ですね。
確かに、視聴者自身をサポートするので無ければ可能です。
では、そのように』
アドバイザーさんが、そがぁ風に告げ途端、ダリルさんの輪郭が赤い光で浮き彫りに、の。
『えっ!
アソコに居られたのですか?
と言うか、アノ速度で走られているのに、全く足音がしないのですが?
どうなっているのでしょう』
沙織さん、ビックリじゃて。
しかしのぅ。
以前も忍者みたいじゃったが、さらに忍び感が増しちょらんかえ?
さらに気配が希薄になっちょるような?
『おそらくですが、風晶石で音や匂いなどの気配を消しているのかと。
さらに、雷晶石にて、身体能力を向上させていますね。
微電流での索敵を行いつつルートを決めているようですし、生き物に悟られることは無いでしょう』
まさに忍ぶ者じゃな。
そして追跡されたら、逃れることはできんじゃろうて。
そんなダリルさんの移動なのじゃがな。
下手な乗用車より速い。
いや、下手すると、新幹線と変わらんやもな。
『いえ、音速は超えておりませんが、近い速度ですね。
風晶石にて辺りへの影響を抑えておりますが、行わなければ、酷い惨状になるでしょう。
驚くべきは、その速度での移動を、完全に制御していることです。
あのスピードで、アノような小回りが効く動きが、なぜ行えるのか、全く理解できません』
ほうなんじゃよなぁ。
あがな速度で走りながら、木々を擦り抜けるようにの。
普通なれば、木々にブツかるでな。
丈夫な体なれば、木々を薙ぎ倒し移動しちょるじゃろう。
まぁ、ダリルさんなれば、それも可能やもしれんが。
しかしのぅ。
ぬるっ、っと、木々を擦り抜けちょるんじゃが、ありゃぁ、どのようにしちょるんじゃろうか?
訳分からんてな。
『おそらくですが』
ん?
推測できるんかえ?
『ええ。
推測に過ぎませんが』
そんで構わんよ。
『雷晶石による身体強化により肉体をサポートし、風晶石により木々との間にエアクッションを展開しているのかと。
そのエアクッションにて進路を調整し、その移動へ耐えれるように、肉体を雷晶石で強化。
おそらく、このように移動しているのでは無いかと』
それ、晶石の扱いに長けちょらんと出来んのでは?
ダリルさんが晶石を扱えるようになってから、日が浅いと思うんじゃがのぅ?
『私が知る限り、晶石を、このように扱える術者は存在しません。
おそらくですが、カリンさんが晶石を扱う様を見て、このような扱いを身に付けられたのでは?』
いやいや。
それこそ、それを知って日が浅いじゃろうに。
『ダリル殿ですから』
いや、それ、免罪符では、ないからの!
っと言っても、それで納得してしまうんじゃが。
『いえ、納得なさるのですか?』
いや、沙織さんや。
そうは言うがのぅ。
ダリルさんを観ておれば、次第に納得することになるでのぅ。
『はぁ。
そんなものなのでしょうか?』
『まぁ、マスターの仰ることも分かりますが、マスターが言われるセリフではないかと』
そうじゃろ、そうじゃろ。
って、ん?
どう言う意味じゃぁっ!
失敬な!




