ダリルさんが別れて狩りへ行くようじゃな。しかし、あがぁなモンまで造れるとは、さすダリじゃて。
背嚢から荷車へ、今は使わぬ荷物をの。
結構、色々と入れておるものじゃて。
まぁ、一人旅であれば、重宝しそうな物ばかりじゃがな。
「かなり変わった品が多いねぇ。
何処で手に入れたんだい?
辺境の森近くでも、コレほどの品を扱ってんだねぇ」
ロゼッタ嬢が、感心したようにの。
したらな。
「扱ってる、とは?」
ダリルさんが、不思議そうにのぅ。
言われたロゼッタ嬢は、逆に不思議そうに、の。
「はぁ?
いや、店で買ったんだろうに。
行商人からだったのかい?」
「いや、こんクラスの品を、行商人が辺境へ持ち込まねぇだろうよい。
街中で売っても結構な値になんだろうからなぁ。
扱ってると知られたら、移動中に襲われんぜい」
いや、便利な道具じゃと思うが、ソコまでかえ?
『マスター
コチラの世界では珍しくありませんが、アチラの文明レベルだと希少かと』
はい?
じゃとしたら、ダリルさんは何処で?
そがぁに思っちょったらの。
「大袈裟過ぎんか?
ソレは、俺が手慰みに作った品だが?」
はい?
ダリルさんが、かえ?
「はい?
アンタが作ったのかい?
コレらを?」
「そうだが?」
「いやいや。
明らかに素人が作ったとは、思えねぇいぜい。
店売りとしても、十分耐えうる品質なんだが?」
ハゲルさんも驚いちょるな。
「そんなモノかね?
深層の狩りに必要な物を、あつらえただけなのだが」
シレッと。
まぁ里では、職人としての技量も一人前として扱われとたでなぁ。
親方衆から職人に、っと、請われておった程じゃ。
ハゲルさん等が驚くのも、無理はなかろうて。
ま、そんなこともあったがの。
身軽になったダリルさんが、皆と別れてな。
「夕方には戻るつもりだ」っと告げ、森の奥へと。
「マジで、今から狩りに行くんだぁ。
ビックリだよ、オイラ」
カリンちゃんが、そのようにの。
「なんだい?
アンタも行きたかったのかい?」
ロゼッタ嬢が、揶揄いを含んだ声で。
「冗談でしょ!
さっきは着いて行けたけどさぁ、あんな速さで森を駆けるダリル兄ィに、着いて行けないって。
だってさ。
もぅ、オイラの索敵範囲から抜けてんだぜぇ。
無理だって」
その話しを聞き皆が目を剥く。
まぁ、カリンちゃんの索敵範囲が広いことを、知っちょれば、そうなるわな。
で、マルチ画面ちゅうか、デュアルモニターちゅうのかのぅ?
カリンちゃん達の方を宙に浮かぶモニターにてな。
して、メインたるダリルさんの方なのじゃが、彼に合わせて周りの景色もの。
う〜ん。
自動車ちゅうか、新幹線に乗って窓から近場を見ちょる気分じゃて。
ただし、生身での。
下手なジェットコースターよりも、迫力があるぞい。
ま、儂は前にも見ちょるでな。
じゃが、初見の沙織さんは、青くなっちょるな。
まぁ、無理も無かろうて。
で、そんな沙織さんがの。
『何処へ向かっているのでしょう?
それに、先程のダリルさんでしたか?
あの方は、何処へ?』
そがぁなコトをの。
っか、はぁ?
ダリルさん、なれば、目の前を走っておろうに。
相変わらず、音も立てず、気配を消しつつの。
なのに高速で移動しちょる。
訳分からん存在では、あるの。
じゃが、明らかに、目の前を走っちょるんじゃが?
見えちょらんのかのぅ。
『マスター
無理を言わないでください』
はぁ?
どう言う意味じゃ?
『マスターは人造種にて、地球人としての能力に収まっておりません。
さらに幻想機の同調者ですから、私からのサポートも受けております。
一般的な地球人である沙織に、同じことが出来るハズが無いではないですか』
いや、ほうなのかえ?
じゃが、儂にサポートできるじゃったら、沙織さんも可能なんじゃないんかえ?
『それは無理ですね』
何故じゃ?
『沙織は、マスターのお力にて、映像世界へダイブしております。
つまり、マスターを介し幻想機の機能を共有しているに過ぎないのです。
幻想機の同調者たるマスターとは異なりますので』
なんとのぅ。
そがぁなっちょったんかいな。




