輸送隊が出立です。で、賊が現れたようですよ?
荷車が3台。
それを各々3人の狩人が牽くみたいだな。
護衛が7人。
いや、ダリルさんを入れて8人か。
全員が武装している。
荷車を牽いている12名もだ。
全員が揃うと、直ぐに出立となる。
人が牽くため、一行の移動は遅い。
ん?
遅い?
あれ?
意外と早くね?
『この里の者達は、人造種の末裔です。
しかも血が色濃く残っている里となります。
ゆえに、ダリル殿ほどではありませんが、普通の人族よりは頑健であり力もあります。
下手な生き物が荷駄を牽くよりも、速く移動できるでしょう』
いや、マジかぁ!
スゲぇな、人造種!
俺が歩く6倍以上の速さで移動している。
っても、爺いな俺の歩みは、一般的な成人男性の半分未満の速さだがな!
つまり、普通の人の3倍以上の速度で移動している感じだろう。
いや、普通に歩いてでも凄いと思うが、彼らは荷駄を牽き、武装した状態の上で、辺りを警戒しつつの移動だ。
普通ならば速度など上がるハズがないんだが?
って、待て。
人が歩く速度は大体が、時速4キロと言われているらしい。
3倍ならば、時速12キロだな。
馬車の通常時にて移動する速度は、速くて時速12キロなんだとか。
つまりコヤツらは、馬車と変わらぬ速度で移動しているみたいだ。
なんか、トンでも集団だな、をい!
で、しばらく移動したみたいだ。
いや、みたいてぇのは、道中が変わり映えしないため、アドバイザーさんが映像をカットしたらしい。
あー、コレって映像だったけか?
映像へ入り込むように視聴しているからさ、リアルとの区別がなぁ。
で、ダリルさんが、いきなり止まる。
そして皆へとな。
「止まれ。
賊だ」っと。
「いや、マジかぁ。
索敵には、自信が有ったんだがなぁ。
全く分からん!
本当にか?」
えーっと、賊?
何処に?
俺にも分からんのだが?
『アソコの木の上ですね』
アドバイザーさんが、そう告げると、木の上に赤い発光線にて縁取られた人型が!
あー、なんだぁ。
ダリルさんもチートだが、アドバイザーさんも大概チートだよね!
っか、映像を部分的に拡大しているから分かるが、木陰に潜んでなくても遠くて視認できん距離だ。
え?
この距離なのに、木陰に隠れてる賊を見付けたの?
マジかぁ!
「っか、本当に居るのか?
全く分からんのだが?」
連れの狩人がダリルさんへと。
したらな。
「何処を見ておる?
そんな近距離に潜んでおるハズがあるまい。
矢が届くわっ!」
呆れたように告げ、賊が居る方を指差す。
それにて賊の居場所が分かったみたいなんだが。
「いや、マジかぁ、おまえ。
アレを、この距離で探り出したのかよっ!
ありゃぁ、狩人なら言われたら分かるが、普通のヤツらなら指摘されても気付かんぞ。
っか、矢を番えて狙ってやがるな。
このまま進めば、矢を射られていたか」
アドバイザーさんが示してくれた賊は5人。
全員が矢を番えて狙っている状態だ。
「ふむ。
明らかに、コチラを狙っておるな?
コレは襲撃の意思ありと、考えて良かろう。
里長からの指示は、襲撃者は殲滅とのことだった。
アレ、射殺しても構わんよな?」
この集団のリーダーへダリルさんが尋ねる。
っか、射殺すことが前提?
コエぇっ!
「むろんだ。
お前の指摘がなければ、我らは一方的に射られておった。
そうなれば、無事では済まぬ。
しかし、矢を射るならば、多少は近寄らぬとな」
そう返すリーダーへダリルさんがな。
「不用。
ココからでも、十分届くゆえ」
そう告げると、普段使いではなく、昨日里長から渡されたコンジットボウを。
矢筒から矢を5本抜き、無造作に引き絞ると射る。
立て続けに5本全てをだ。
いや、何しとんの?
そんなん思っていると、木の上から賊が次々と落ちる。
何事ぉっ!
『全員が目を矢で貫かれておりますね。
頭部を貫かれ即死しております』
この距離をヘッドショットかよっ!
ゴルゴかっ!




